感染症診療の原則

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Boot camp Day#1

2017-12-04 | 青木語録
沖縄県立中部病院感染症科が1年間準備し、手ぐすねを引いて編集長を待ち構える症例検討会が、いよいよ始まりました。

病歴:
西アフリカ出身の中年男性。日本在住だが、VFRにて一時帰国後、再び日本に戻る。発熱、悪心・嘔吐、下痢で来院。
全身、特に背骨にそった筋肉痛。
診察中にShaking Chill。
危険なものを食べたり、触ったり、交わったりしてない!蚊にも刺されないように注意してる (誰が信じるか!)
予防接種などは一切してないし、マラリア予防投与もしてないが、時折、帰国して”自然に”免疫を付けている。(信じられる!)

身体所見:
眼瞼結膜:黄染。充血。
全身のリンパ節腫脹を伴う発熱か・・。特に前頚部のリンパ節。その他、腋窩、鼠径部。
圧痛あり。
エコーで脾腫

検査所見:
血算:白血球、赤血球、正常。血小板:少し低め
生化学:肝機能、腎機能、正常。但しTotal biliが3。CRPが8!!
検尿:潜血:2+

考えた事:
潜伏期間は、計算すると1週間から3週間・・(使いづらい・・)
10日以内ならマラリアを除外可能なのに・・涙
アフリカなのでマラリア外せない。しかし、全身のリンパ節腫脹があるとは。
ペストなどもありかな・・。咽頭ペストなら前頚部のリンパ節腫脹もありか・・
筋肉痛、関節痛はDengueやChikungunyaなどウイルス感染症も・・
HIVの急性感染は?
当然、Typhoid、Leptospira、なども・・

正解は熱帯熱マラリアでした。
Parasitemiaは2%で重症。
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