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第3回若セミ「地域医療で役に立つ病歴聴取のかんどころ」 Q&A

2023-03-18 | Aoki Office

大変、遅くなりましたが第3回若セミ「地域医療で役に立つ病歴聴取のかんどころ by 藤沼先生&山中先生」のQ&Aを以下に記載致します。
珠玉のやりとりでしたね・・。このお二人だけのシリーズさえ欲しいです。(編集長)


<質問>
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小児科医をしているものです。
思春期時期のMUSについて、日々苦戦しています。
不登校の原因になり、親御さんの外来での焦り感がさらに
症状に拍車をかけている様子があります。
先生は養育者や家族に対して、どのような指導や声かけを
していますか。

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<藤沼先生ご回答>
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思春期のMUSや不登校については、小児の不登校とはまたちがった特徴が
あるようで、結構境界領域だと思います。
したがって、明確な対応指針があるわけではないのですが、
いくつか私自身が診療の際に注意していることを列挙してみます。
1.起立性調節障害や睡眠相後退症候群など一定の診療ガイドラインが
ある疾患が疑われた場合は、専門外来につなげる
2.チャンスをみて、親を入れずに患者ひとりで診る機会をつくる。
たとえば親には看護師から別個にお話をきくといった理由を使う。
本人から意外な言葉が聞かれる場合がある
3.なんらかの対症療法的な投薬は行う
投薬なしだと、すべては「精神的」な問題だと医者がみなしているように
思われる
4.学校は特殊なばであって、合わないひともいる。学校にいかないというのは
かならずも間違った生き方ではないという価値観を医者が体現する
5.診察室以外の場(街のなか、友人など)での偶然の出会いからうまれる
ナラティブが回復につながることが結構ある。つまりはなぜよくなったのが
よくわからず、しかしよくなるということが結構あるということを
認識しておくこと


<質問>
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静脈不全によるうっ血性皮膚炎と深部静脈血栓症の合併の
割合に関するデータというものがあれば、
ご教授いただきたいです。

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<山中先生ご回答>
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ご質問ありがとうございます。非常に重要な質問だと思います。
山中が検索した限りでは、静脈不全における「うっ滞性皮膚炎」および
「深部静脈血栓症」合併率の報告はございませんでした。
静脈不全の多くは見過ごされていると考えられているので、
データを作るのが難しいのかもしれません。
個人的な印象としては、「うっ滞性皮膚炎」は非常に多く、
「深部静脈血栓症」を起こす頻度はかなり低いと思います。
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