感染症診療の原則

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芸能人と感染症

2012-07-10 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
公人や有名人の場合、様々なメディアで、一定範囲の個人的なことを書かれたりします。

健康や生命に関わるような情報が、医療機関や医療関係者・行政から漏えいすることはありえませんが、自分で積極的に発表する人もいます。

例えば、有名な方が「がん」を発表するのは、あれこれ推測されるのも面倒だろうし、治療の必要性から仕事のキャンセルや再調整が必要な場合もあるからだろうと想像もできます。

感染症については、結核のような接触者健診が必要な場合は、伏せようにも伏せきれないというか、大勢の人に曝露する機会が仕事上も多いため、結局、公開せざるを得ない状況があります。

その体験(?)を生かして、啓発ポスターにも協力される男性タレントさんもいました。

感染症 JOYの結核:4 僕の体験 役立てたい


実は、先日、Twitterを見ていてあることに気づきました。

それは若年アイドル?の間で麻疹や風疹が流行っている事実です。

これは事務所が発表というよりも、本人が積極的にそう書いて流している様子でした。


あまりに複数続いたので、その所属事務所(プロフィールに書いてある)に電話をしてみました。

「あのー、御社がマネジメントに関わっている未成年の方が、感染症を発症していることがご自身のTwitterなどで書かれているんですが、お仕事上、多くの人に会うのでしょうし、発症前から感染性がありますので、そのような状況はいかがなものかと思うわけですよ。
本来ならばご家庭の問題かもしれませんが、仕事をするということは社会人としてのマナーや責任もあるわけで、必要なワクチン接種が終っているかどうかということを、他の健康管理とあわせて検討しないといけないのではないでしょうか。」

風疹や麻疹が再流行していることも伝えました。

以前、沖縄でライブコンサートで麻疹が拡大しました。

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ライブコンサート(屋内)での集団感染

疫学調査に基づく症例間のリンクを図2に示した。初発のNo.1は県内在住の20歳男性で、3月8日に発熱、9日に発疹の症状があり、発病前の2月12日~3月7日まで東京、大阪、名古屋への旅行歴があったことから、県外での感染が考えられた。3月9日は、ライブコンサート会場にいたため、そこでNo.3~No.15の13名が感染した。これ以外にも同僚No.2、医療機関でNo.16、地域でNo.17などがNo.1から感染し、合計16名の二次感染者が発生した。さらに、別のライブハウスにおいてNo.5から3名の三次感染者No.18~20が発生し、No.15やNo.17では家族内感染があった。

このように、計22例が同じ感染源から拡散していったことが疫学調査により明らかになった。また、No.15は発病日が3月31日で、3月9日のライブコンサート以外に感染源が確認されなかったため、潜伏期間が22日(通常10~12日)となり、稀な症例であった。一方、同時期において移入例4例(神奈川県3例、北海道1例)、移入例からの二次感染1例、疫学的リンクが不明な患者2例、計7例が発生した。
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えーっと、明日は〇〇ニーズに電話して、あさっては、K-Popのマネジメント会社に電話します(というのは嘘。書いてみただけ。今のところ)。
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