鎌倉に住んでる

うまいものを食べて飲んで、のんびり暮らしたい。

中世のやきもの

2011-02-27 23:30:00 | 日記

今日は大遠征、

茨城県立陶芸美術館

『古陶の譜 中世のやきもの-六古窯とその周辺-』展。

上野から常磐線を特急「フレッシュひたち」で約1時間、

茨城県笠間市。

関東平野を端から端へ移動する。

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日立製作所関係者輸送専用と思っていたが、

柏からほぼ満席になった。水戸の偕楽園の梅が見ごろらしい


関東から北に特有の景色として、

「荒れ地」があげられると思う。

耕作放棄地なのか、用途不明の原っぱが多いなかを、

ぐんぐん「ひたち」は走る。

牛久沼、霞ヶ浦をかすめ、

筑波山がうしろに去ったころ、

ようやく「友部駅」に到着。

なにもない北口ロータリーから、

10席ほどの小さな笠間周遊バスで10分、

美術館のある「工芸の丘」に着く。

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芝生が広がる起伏のうえに美術館はある。

ほかに周辺の窯元の作品を展示販売する建て物や

県の窯業指導所などが集まる


小山冨士夫が提唱した六古窯、

瀬戸、常滑、越前、信楽、丹波、備前。

現在までに残るのがこの6つであって、

中世期には需要に応じて各地に多くの窯があり、

それが「その周辺」80数か所。

猿投、渥美、湖西、珠洲はもちろん、

近年研究が進んだ東北地方のもののほか、

岡山の勝間田と亀山、香川の十瓶山の大甕などが出てた。

中世陶器には、古代以来の土師器系、須恵器系と

瓷器系があるというのだが、

須恵器と瓷器の区別がよくわからない。

備前周辺がつくられた12世紀ころをもって

「中世陶器」の成立というのも、

なんだか「中世」ということばに、

とらわれすぎてるような感じがしたのだが、

まだ全部図録を読んでないので……。

その図録がすごいです。

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A4より2cmほど幅のある変形サイズ、

クロス貼りの上製本、506ページ、ほぼオールカラー。

うしろ1/3はびっしり研究編で、さらに50ページは英語訳、

ボールケース入り、これでたったの3,000円!

茶器を含めれば人は集まるが、

安土・桃山期まで入れると収拾がつかなくなるし、

とかいろいろ議論があったようです。

さて、展示ですが、

猿投、瀬戸、美濃、常滑、渥美、

このあたりまで、いかにも中世っぽい。

やはり主役は信楽、存在感がちがう。

長珪石のゴツゴツ、大胆に流れる釉、

ガラス越しでも感触が伝わってくる。

そして丹波の赤土部の光沢、

珠洲の粗っぽい肌、素朴な越前、

きわめつけが備前。

と、盛り上げてみようと思ったが、

やはり全体に地味なんかな。

場所も悪いけど、ガラガラだった。

こんなにいい展覧会なのに~。

だらだら書いたのは、

わたしの贔屓やから。

とくに備前が好き。

20年まえに伊部の窯元で買うた湯のみを、

だいじに使い続けてる。

使うほどに味がでる。


『古陶の譜 中世のやきもの-六古窯とその周辺-』展、

茨城県立陶芸美術館では321日まで


そのあと、

愛知県陶磁資料館 4月2日~522

福井県陶芸館 528日~731

山口県立萩美術館・浦上記念館 813日~925

に巡回の予定だそうです。

滋賀県・MIHO MUSEUMは終了。


時間があれば近くの笠間日動美術館の

『鴨居怜』展も立ち寄られては。

すごいダンディな人です。

わたしは横浜そごうでみました。


笠間日動美術館『鴨居怜』展

3月13日まで

 




石川光陽写真展

2011-02-24 23:30:00 | 日記

小雨が降る朝、

空気がだいぶ暖かくなってきた。

今日も出社まえに展覧会。

横須賀線、いつもより5分早く起きて、

新橋駅でおりる。

徒歩5分、旧新橋停車場 鉄道歴史展示室。

あの広大な汐留貨物ターミナルを思い出すと、

いまの姿は奇跡だなあと思う。

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東京ステーションギャラリーが東京駅復原のために使用できないため、

復元された旧新橋停車場のこちらで小さい展示がひらかれる

警視庁カメラマンが撮った昭和モダンの情景

『石川光陽写真展』

東京大空襲の惨状を撮影した人として有名な石川光陽は、

1927年に警視庁に入庁し、

戦時下の帝都で多くの仕事を残した。

警視庁の建物からこっそり撮った二・二六事件の反乱軍、

満州帝国皇帝の来日、防空訓練の市民の表情、

といった「警察官」としての写真のほか、

戦前のなにげない市民生活のカットが、

昭和モダンの情景をかもしだしている。

同時期の木村伊兵衛や影山光洋らの写真とちがって、

家族を撮るような目線、

ことばは違うかもしれないが、

わりとサッと撮ったように思える写真が、

かえっていい感じだ。

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鉄道歴史展示室だからか、

鉄道や駅の写真が多くなってる

メーデーの写真でも警備の警官が笑ってたり、

流線型のクルマが行き交う銀座を

モボ・モガが好きな格好で歩いてる。

子どもはおかっぱで、おとなは国防服とモンペ、

という戦前のイメージは、

日米開戦後のことなんだろう。

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室

3月21日まで




鎌倉美術館めぐり2

2011-02-20 23:30:00 | 日記

ひとりで鎌近、

まずは『辻晉堂』展。

辻晉堂(191081)の生誕100年、

四半世紀ぶりの大回顧展だそうだ。

ちょっと抽象がすぎないか、と心配だったが、

なかなかよかった。

敗戦後、材料がないなか、

コンクリートで人物像をつくってる。

塑像なのか、塊から削りだしたのか。

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鎌近といえば坂倉準三のこの建物。

建築史的にはコルビュジエの教え、

「近代建築の五原則」にならっているのだが、

だいぶ苦しくなってきてる



碍子がたくさん埋め込まれた像、

鉄、木、陶器、さまざまな材料から、

「人」ないし「人みたいなもの」を彫りだしてた。

生誕100年彫刻家「辻晉堂」展

神奈川県立近代美術館鎌倉

327日まで

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いつもコラージュ風にならべて撮ってますが、

これで著作権とかクリアということでご勘弁



続いて、鎌倉別館「山下菊二 コラージュ」展。

山下菊二(1919-86)、こっちは重かった

新潮文庫の大江健三郎のカバーデザイン、

というイメージしかなかった。

中国戦線でみた戦争をごまかさず、

戦後、戦争と差別を告発しつづけた。

いま声を出して「憲法9条」を唱えてるのは、

大江健三郎さんと日野原重明さんと、それから……。

わたしが子どものころ、

バブルまえの80年前後、

もっとたくさんの人が言ってた。

戦争とか権力とかに体当たりの人が、

まだまだいた。

そういうことを喚起された。

『山下菊二 コラージュ展』

神奈川県立近代美術館鎌倉別館

327日まで




身体をあたためる料理

2011-02-19 23:30:00 | 日記

みな風邪気味なので、家にこもる。

先週の朝日新聞の「Be」に載ってた、

料理研究家ウー・ウェンさんの「根菜類の八角煮」と、

まえから気になってた「キーマカレー」に挑戦。

どちらも、身体を芯からあたためる、と思う。

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キーマカレーってこんなだっけか?



家族が辛いものを受け付けないので、

タマネギ、セロリとひき肉の炒め物になった。

しかし、比較的評判はよかった。1歳児も食べた。

「八角煮」もうまくいった。

ずいぶんまえから「八角」が香辛料入れにある。

10年くらいまえではないか。

酒粕は金沢の「福正宗」純米吟醸のもの、

450グラムで400円。

隠し味に30グラムほど使った。

ほかに使いようがあるのかどうか。

デザートは、「美鈴」の花びら餅みたいなん。

色は地味やけど、おいしかった。

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ふつうの生菓子が欲しかったのだが。おいしくてよかった




讃岐うどん

2011-02-18 23:30:00 | 日記

西新宿の高層ビルで打ち合わせのあと、

ついに「東京麺通団」!

高い高速代を払って瀬戸内を渡ること3回。

松山、高知、岡山出張の行き帰りに、

なぜか高松空港発着便の領収書。

どれもこれも、

ただうまいうどんを食べるため。

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2002年夏、この「やまうち」の“ひやひや”にやられた

神保町の「丸香」もおいしい、

「のらぼー」もそれなり。

十条にうまいうどんがあると聞けば訪ね、

川崎の犬蔵というところにも行きました。

相鉄横浜駅構内のうどんも食べた。

みんなおいしいけども、

なにか足りない。

わかってる、それはここが「讃岐」じゃないから。

それでも、おいしいと聞けば行ってしまってた。

しかし、ここだけは未踏。

「麺通団」プロデュースというのが重い。

で、今日はお腹がすいてたので行きました。

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ひやかけ大盛り、半熟玉子とちくわの天ぷらで590円だったかな



田尾さん、おいしかったです。通います。

東京麺通団


あ、水道橋にもできてる。




松浦武四郎という人

2011-02-17 23:30:00 | 日記

出社まえに銀座のINAXギャラリー、

幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷

松浦武四郎、

「蝦夷地」に「北海道」の名まえを与えた人。

幕末、「蝦夷地」内陸部に深く入り込み、

詳細な地誌を記録して北方警備の重要性を訴えた。

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探検家であり、博物学、考古学、民俗学に通じ、志士でもあったそうな

いわゆる“幕末の志士”たちとの交流もさかん、

本人も奔走したようだ。

幕臣、勤王家、画家、お雇い外国人、

会った人から一筆もらって、

きちんと整理して保管してる。

タイトルの「一畳敷」も、

松浦が各地の有名建築の一部や銘木を集めてきて、

組み合わせて作った茶室のこと。

根っからの収集癖、わかる。

政治向きでなく、

ちょっとノリが軽いというか、

距離を置いてる感じが好ましい。

幕府の蝦夷地御用をつとめ、

明治政府の開拓使判官となるも、

松前藩以来のアイヌ迫害をやめない政府に抗議して、

位をなげうって東京へ帰ってしまう。

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小さな展示、たぶん詳しくは本を買うて読め、

ということだろう

INAX出版

河鍋暁斎に描かせた「北海道人樹下午睡図がおもしろい。

みずからを釈迦に見立てた「涅槃図」ならぬ「午睡図」、

まわりに生涯をかけて集めた品々を並べ、お昼寝中。

安村敏信さんの解説が、同じ空気で気持ちいい。

これも19日まで。

大阪、名古屋巡回もおわってます。

INAXギャラリー





海炭市叙景

2011-02-14 23:30:00 | 日記

新宿K’s cinemaで映画を観た。

「海炭市叙景」、

函館を舞台にした、

佐藤泰志原作の小説をもとに、

5話のオムニバス、というのかな。

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函館にはなんやかや、

あわせて10日くらい滞在したことがある



「函館」というのと、

「海炭市叙景」のことばの響きと、

ポスターの写真に惹かれて、

仕事をぬけだした。


感想はひと言、暗い。

「どれも小さな」「どこにでもあるような」

「わたしたちの物語なのかもしれません」

とリードが付いているのだが、

みんな、こんなにつらい日々を送っているのでしょうか。

わたしはなんと果報者であることよ。

それぞれ救われない日常生活の破綻が5つ、

最後にそれが収斂されて、

なんとなく笑顔になるのか、と思いきや、

てんでバラバラのまま、

おのおの不幸を背負ったまま、

突然、スクリーンが暗くなる。

えっ!? と思わず声を出してしまった。

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わたしの好きな函館は、それなりに洒落た街



映画パンフレットによると、

原作の佐藤泰志は村上春樹と同年生まれ、

芥川賞に5回、三島賞に1回、

その候補に推されながら、いずれも落選。

理由は書いてないのでわからないが、

1990年に41歳で自殺。

映画原作の『海炭市叙景』は、

冬春夏秋各章に9話、全36話の短編を執筆予定のうち、

冬と春の18話までが書かれた未完の遺作だそうだ

最後まで書いてたら、

わたしの「予定調和」にはまったのかもしれない。

とりあえず、原作を読んでみます。

佐藤泰志『海炭市叙景』小学館文庫

映画館を出ると、雪が降ってた。

ちょっと函館の街を思いました。



映画にも出てくる市電の終点「谷地頭温泉」。

20年ほどまえに行ったときは、

天井の高い、風格のある建物でした。

老人ばかりの湯につかってると、

そこの若いの、背中を流してくれ、

と声をかけられて、

つぎつぎに10人近い老人の背中を磨いた。

のどかな時代。

リニューアル後の2004年に行ったときは、

ロシア人がたくさんいてビビった。

函館にはたくさんの思いでがある。


<追記>
映画のシーンを思い出しながら、
原作を読み終えた。
ストーリーはやっぱりきびしいけど、
「叙景」というのは良かったです。
役者の芝居、
背景の景色、
ひとつひとつのシーンが、
深く刻まれてた。
印象的な映画になりました。



大手町をひとりで楽しむ方法

2011-02-13 23:30:00 | 日記

3連休の最終日、

1316時に大手町で仕事

往復に2時間かかるので、

なんともくやしい。しかも快晴。

16時すぎ、

解放されてビルの外に出ると、

案の定、陽は傾いてる。

大手町をひとりで楽しむ方法。

建築物をみる。

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「東京国際フォーラム」、1997年施工。

建てられたころによく来た。

船の構造をイメージした吹き抜けのホールで、ぼ~っとしてた



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昨年オープンした「三菱1号館」。

重厚な石造りの「丸の内八重洲ビル」を

残したほうがよかったと思うのだが、

ジョサイア・コンドル設計の1894年施工のものを復元した



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日比谷通り沿い、お堀に面した「明治生命館」は国指定重要文化財。

歌舞伎座とおなじ、岡田信一郎設計、1934年施工

転勤でやって来たころ、

「丸の内八重洲ビル」、

あと日比谷の「三信ビル」、

銀座の「交詢社ビル」、

お茶の水の「文化学院」とか、

東京ってすごいなあと思った。

いまは大阪のほうがよく残ってる。

再開発の速度に差ができたということだけども。



そろそろレンズの限界がきたので、

姿をあらわした東京駅丸の内南口のドームを最後に。

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戦災で焼け落ちた1914年施工の辰野金吾設計、

東京駅丸の内駅舎復原工事が進行中



仮設だったとはいえ、

台形屋根のほうがフランスっぽくて、

よかったのに。

建築物のことを考えると、

いつも不満だらけになる

東京駅周辺は、

アルミとガラス張りのビルだらけになりそう。

きれいだけども、味気ない。


※今回も建築のうんちくは、小学館『近代建築散歩-東京・横浜編-』に拠りました




藤沢・遊行寺

2011-02-12 23:30:00 | 日記

ときおり雪の舞う底冷えのする一日。

今日は午後から江の電で藤沢へ。

清浄光寺、通称「遊行寺」。

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本堂の向かいがわにある遊行寺宝物館。

いつもはかたく扉がとじられ、人の気配すらない


ここの宝物館、たまに展示をする。

しかも、期間中の土日だけとか。

時宗の総本山やし、所蔵品はすごい。

国宝「一遍聖絵」を筆頭に、

重文の中世絵画をいくつもってるんか。

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今回は「後醍醐天皇」が目玉。本物をみるのははじめてかも。

チケットがなぜかコピー


ほかにだれもいない、小さな展示室。

京都・六波羅蜜寺にある「空也上人像」の縮小版が

今回あらたにみつかって、

修理が済んだので、と初公開。

こっちのほうがすごいやんか。

高さ50cmくらい、

かなり高齢をあらわした像、

鹿角の杖をもち、

口から阿弥陀仏が飛び出してる。

ほかに、奈良時代の教典、中尊寺経、

仮名まじりの散らし書きのような冊子など。

地味やけど、じっくり楽しめました。

展示は14日まで。

遊行寺は藤沢駅北口から徒歩15分くらい。

遊行寺宝物館ホームページ



遊行寺周辺、旧東海道藤沢宿は、

ゆっくり歩くとここかしこに、

むかしのおもかげが残っていて、

けっこう楽しい。

今日は寒いのでまっすぐ帰る。




粉雪舞う横浜

2011-02-11 23:30:00 | 日記

大雪の予報。鎌倉も朝から粉雪。

今日は横浜、まずは日本郵船歴史博物館、

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コリント様式の16本の柱が並ぶ郵船ビルは1936年施工。

これをみるだけでも来たかいがある



「ル・コルビュジエ 建築家がめざしたもの 船→建築」展。

20世紀初頭からなかばのこと、

おもに大西洋航路において、

主要国間を結ぶ大型客船の豪華さ、スピードを競うのが、

国威発揚の場であった。

そして、そのデザインが、

陸上の建築デザインに影響を与えたという。

コルビュジエはじめグロピウスや、

日本では山田守、岸田日出刀、本野精吾らが、

時代の最先端をいく豪華客船のデザインを、

建築に取り入れていた。

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とくに集合住宅や、商業建築に応用されたそうだ



展示は43日まで。

日本郵船歴史博物館サイト

周辺には近代建築が多数あり、

一日楽しめる。



続いて、

ブロック西の神奈川県立歴史博物館でやってる、

「鎌倉 発掘された武家の古都」展。

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もとの横浜正金銀行のたてもの。

ドイツ・ルネサンス様式、1904年施工。

横浜正金銀行はもと東京銀行、

いまの三菱東京UFJ銀行の「東京」部分。ややこしい……



鎌倉に歴史博物館がないのは、

行政の怠慢。

本来は鎌倉市内に用意された

常設施設に展示されるべきものばかり。

そういえば、以前は材木座の海岸で

青磁の破片が拾えたのだが、さいきん見ない。

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世界遺産登録などおいといて、まずは鎌倉歴史博物館を



こちらの展覧会は13日で終了。

終了間際では展覧会案内になっとらんね。


上階の常設展示には、日向薬師(宝城坊)の薬師三尊像や、

円覚寺舎利殿の実物大展示があっておもしろい。

神奈川県には、縄文時代の標識遺跡が多いことがわかる。

神奈川県立歴史博物館



建築物のうんちくは、小学館『近代建築散歩-東京・横浜編-』に拠りました




焼き肉を食べる

2011-02-09 23:30:00 | 日記

若い人たちについて、

焼き肉を食べに行く。

このばあいの「若い」は、

実年齢じゃなくて、

夕食に焼き肉を食べよう、

と発想する人びとのこと。

じっさいは、

40代が3人、30代が2人、20代が1人。

いちおうわたしは30代。

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20代のころ、マッコリを置いてある店はすくなかった。

マッコルリではなかった?


そう、今日は「肉」の日。割引があった。

出席者によると、手塚治虫の命日でもあるそうだ。





南九州へ

2011-02-07 23:30:00 | 日記

出張は昨日で終わり。

有無をいわさず休暇を取得し、

夜明けまえに南九州へ向かう。

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「リレーつばめ」と「くまがわ」を乗り継いで人吉から「いさぶろう」

JR九州は多彩な車両がウリ。

古い国鉄時代のディーゼル車も、

なかなかレトロモダンに仕上げてある。

人吉からの肥薩線は、

大畑のループ線とスイッチバックの連続。

そして、築100年前後の木造駅舎が

いくつも残されていて、

下りの「いさぶろう」と上り「しんぺい」は、

それらをゆっくり見られるように各所で停車する。

人吉市のホームページ



しかし、「いさぶろう」が逓信大臣「山懸伊三郎」で、

「しんぺい」が鉄道院総裁「後藤新平」にちなんだ名前とは、

興ざめだ。

ここは南九州だなあと思う。

かすみが強くて「日本一」のはずの景色も、

ループ線も、見えにくかったのが残念。



新燃岳噴火のせいで景色が見えないので、

吉松から吉都線で都城へ抜ける予定をかえて、

霧島連山山麓の温泉につかることにする。

西側は新燃岳の影響がまったくない。

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108年の駅舎じゃ、とたぶん鹿児島弁のおじいさんが教えてくれた



近所の温泉の泉質のちがいまで、

延々と話してくれたのだが、

おじいさんの話しは半分くらいしかわからん。

マイクロバスが来たので

当初予定の「ラムネ温泉」はやめて、

妙見温泉の「石原荘」というとこまで、

乗せてってもらう。

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500円で3kmほど先の妙見温泉郷へ連れてってくれる



天降川に沿った国道223号線には温泉宿がたくさんあって、

バス代と入湯料あわせて500円、

ないし宿によってプラス数百円から千円でお湯を貸してくれる。



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「石原荘」の露天風呂。かけ流しの熱めの湯舟には、まったく目隠しがない

渓流のうえを、

カワガラスとキセキレイがいきかう。

あまりに気持ちいいので、

たっぷり1時間つかってた。



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こんどは泊まりがけで来たい



目の前に鹿児島空港があるのに、

安いチケットを買うたせいで変更がきかない。

タクシーで隼人に出て、

特急を乗り継ぎ宮崎空港へ。

新燃岳の噴煙がどうなるかと心配だったが、

予定通り飛行機は飛んだ。

その後、夜になってふたたび噴火したそうだ。

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隼人は桜島の、都城から宮崎にかけては新燃岳の灰で空がかすんでた



今回、鹿児島と宮崎へ踏み入れたので、

47都道府県を踏破したことになった。

べつにどうということもない。





仕事のあい間に

2011-02-06 23:30:00 | 日記

夜明けまえに聖福寺へ。

『喫茶養生記』の栄西が建てたという

日本最初の禅寺。

博多駅近くにもかかわらず、

広い境内に塔頭がたくさん残っていて驚いた。

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仙崖さんもここの住職を長くつとめて、

ここで亡くなった



福岡は職住一致都市。

東京、大阪以外はだいたいそうなのかもしれないが、

これだけ大きな都市で、職住が近接してるのは、

ほかに札幌と名古屋くらいか。

中洲にかぎらず人がいっぱいいて、

活気があった。



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橋の両端にこんなのがいた。ウサギかな。

作品名は「ミラー・ニジンスキー」、なんのこっちゃ!

向こうにみえるのは福岡ドーム



仕事のあい間に、福岡市博物館へ行ってみた。

大陸との玄関口ゆえ、

弥生~奈良時代の考古資料はもちろん、

中世博多の資料をたくさん所蔵してる。

常設展の展示規模はトップクラス。

目玉は伝・志賀島出土の「金印」。

これレプリカでしょ? と聞いてる人がいた。

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仕事中でも出張中でも、隙があれば展覧会



特別展は地もとの個人収集家のコレクション、

『茶陶と東洋陶磁名品展』。

茶道家の方だそうで、

茶器を中心に古代中国の陶器から、

青花、絵唐津、伊万里まで、充実してた。

もっとみたかったが、昼休みが終わる~。

特別展は227日まで

福岡市博物館ホームページ



夜はアラ料理で有名なちゃんこ屋へ連れてってもらった。

あまりにおいしくて、写真撮るのも忘れてた。




福岡出張

2011-02-05 23:30:00 | 日記

土曜の午後、ANAで福岡入り。

博多駅近くのホテルにチェックインしたあと、

仕事場へ行くまえに、「高柳商店」!

南宋から伝わった唐鋏を発展させた

「博多鋏」を製作している。

博多へ行ったらとにかく、

ここへ来るつもりでいた。



ふつうはなかなかみつけられないだろうけども、

なんどもシミュレーションしてたので、

迷わずこじんまりした町家の工房をみつける。

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230年使ったら、きれいな飴色になるって……


予約がいっぱいなんだけどとおっしゃいながら、

鎌倉から来たというと、融通していただけた。

大事にします。



ひと仕事終えて、夜は玄界灘のサカナ。

〆はやはり長浜ラーメン。

「長浜ナンバーワン祗園店」に連れていってもらった。