ひとりで鎌近、
まずは『辻晉堂』展。
辻晉堂(1910-81)の生誕100年、
四半世紀ぶりの大回顧展だそうだ。
ちょっと抽象がすぎないか、と心配だったが、
なかなかよかった。
敗戦後、材料がないなか、
コンクリートで人物像をつくってる。
塑像なのか、塊から削りだしたのか。
鎌近といえば坂倉準三のこの建物。
建築史的にはコルビュジエの教え、
「近代建築の五原則」にならっているのだが、
だいぶ苦しくなってきてる
碍子がたくさん埋め込まれた像、
鉄、木、陶器、さまざまな材料から、
「人」ないし「人みたいなもの」を彫りだしてた。
神奈川県立近代美術館鎌倉
いつもコラージュ風にならべて撮ってますが、
これで著作権とかクリアということでご勘弁
続いて、鎌倉別館「山下菊二 コラージュ」展。
山下菊二(1919-86)、こっちは重かった。
新潮文庫の大江健三郎のカバーデザイン、
というイメージしかなかった。
中国戦線でみた戦争をごまかさず、
戦後、戦争と差別を告発しつづけた。
いま声を出して「憲法9条」を唱えてるのは、
大江健三郎さんと日野原重明さんと、それから……。
わたしが子どものころ、
バブルまえの80年前後、
もっとたくさんの人が言ってた。
戦争とか権力とかに体当たりの人が、
まだまだいた。
そういうことを喚起された。