Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

「志(こころざし)は気の帥(すい)なり」(孟子の言葉@入学式)

2012-04-19 | 水圏環境教育
4月5日の東京海洋大学において,各部学生に対して岡本新学長は次のように式辞を述べた。

入学者に対する歓迎の言葉として,新しい目標に向かって取り組もうとする姿勢を方向づける意味のある言葉と思う。
今年は,岩手出身者も3名程入学している。昨年も3人であった。我が母校出身者も今年は2名入学した。確固たる人材を育成し,被災地含め沿岸域の振興により一層の弾みをつけたいものである。
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 「志(こころざし)は気の帥(すい)なり」、孟子の言葉です。「志(こころざし)」すなわち目標あるいは夢といったものは、あらゆる気、すなわち元気、やる気、気力、気骨、気概などの源である、という意味です。「志」という漢字は、草木が伸びてゆく姿をかたどった象形文字の「之(し)、これという文字」の古形と、心臓を示す象形文字の「心」を組み合わせてできたとされています。「志」とは、志向性を持つ心という文字です。人は志(こころざし)がなければ、何も成し遂げることはできません。志こそが、目標や夢を達成する心のより所となるものです。「気」は、物事を実行するときに体から溢れ出るエネルギーを指し、「帥(すい)」は、指揮官すなわち中枢となる存在を意味します。
皆さんに理解していただきたいのは、ここで言う「志」とは、私事(私ごと)としての到達目標ではなく、大いなる価値を創造していくような次元の高いものであることです。人々の幸福、社会の善のために尽くそういう高邁な理念であります。近視眼的で、かつ個人的な野望とは相容れないものです。「志(こころざし)は気の帥(すい)なり」の格言が、海洋大魂に通じるものがあるとお話したのは、この意味からです。