Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

臨床教科教育学セミナーにて閉伊川大学校の実践を報告しました

2010-01-13 | Weblog
 新潟県上越市上越教育大学で開催された「臨床教科教育学会セミナー」において,昨年度,今年度開催した閉伊川大学校の取り組みを報告した。今回の発表では,科学的概念の獲得に関する調査結果。

 昨年実施のプログラムの実践結果では,仮説を立てるなど抽象概念を理解させることが難しいことが明らかになったが,今年度のアクティビティにおいて「仮説を立てる」という抽象的概念について,昨年に比較して満足度や理解度が高い結果となった。屋外での体験を重視したプログラムは抽象的な概念を獲得する上で有効である可能性がある。というものである。
 
 今年作成したプログラムでは,導入として「川流れ・安全教育」を実施した。さらに,探求として「閉伊川にはどんな生き物がすんでいるのだろうか?」「科学者とは?」を実施し,川を中心とした屋外での体験重視のプログラムとした。

 振り返りの感想の中で,「川の流れの体験がはじめてでたのしかった。もういちどやりたい。」「へいがわのさかなをとるのがとてもたのしかった。」「へいがわにはいろんないきものがいてたのしかった。」など,導入や探求で実施した川の流れ体験,生物採集の印象が強い。野外での体験活動は,抽象的な概念を獲得する上で必要な経験であると考えられている。
 
 プログラムを実施したエデュケーター自身の発話から,「昨年に比較して楽しんでやれた。」「子どもたちの喜ぶ姿を見て頑張った甲斐があった。」「ぜひ,年内にもう一度やりましょう。」等前向きな姿勢が伺えた。
 
 以上のことから、河川での体験活動が抽象的な概念の獲得に効果的に働いたではないかと考えるが,今後,科学的思考力育成のための屋外における体験学習の有効性について精査し更なる検証が必要であろう。