Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

危機に瀕するサンフランシスコのワカサギ

2008-06-02 | Weblog
ここサンフランシスコにはアメリカ大陸で唯一ワカサギ(hypomesus transpacificus)が生息している。英名はデルタスメルト(delta smelt)といい,日本のワカサギと同様に産卵行動は淡水域で行い,普段は汽水域を好んで生活する。ちょうど今産卵の真っ最中である。閉伊川と同様に,現在産卵場のモニタリング調査が行われている。カルフォルニア州魚類野生生物局が毎年実施している。
しかし,年々数が減少し絶滅の危機に瀕している。その最大の理由は,シェラネバダ山脈からサンフランシスコ湾に流れ出る淡水の量が減少しているからではないかといわれている。シェラネバダ山脈系の淡水は乾燥地帯のカルフォルニア州沿岸の貴重な財産であり,農業に使われる他,ロサンゼルス方面にも飲料水として供給されている。サンフランシスコワカサギの減少は人間生活に大きな原因があるという。http://www.delta.dfg.ca.gov/baydelta/monitoring/delta.asp 汽水域を好み人間と密接な関わりをしているという点では,日本のワカサギによく似ている。
それにしても,日本固有種のワカサギとよく似た魚がどうしてサンフランシスコに生息しているのかが不思議である。