気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

遅ればせながら炉ふさぎと二文字押切の灰形を

2015-06-10 00:32:30 | しつらえ
風炉の炭 見ることはなし 見ぬとても 
     見ぬこそ猶も 見る心なれ

              (『利休百首』より)

茶事も終わり、一息つき、落ち着いたところで、気持ちを静め、
二文字押切(にもんじおしきり)の灰形と
炉ふさぎをしておりました。
(四月下旬からですよ)言い訳はしません。
まずは6畳の炉ふさぎから
マスクをして
 
4畳半はコツがつかめ、手早くなったかな。
来年は名残で、七事式の廻り炭之式を・・・

ここからが、本番です。
利休居士の心を感じて灰形を
 


なんとか、出来上がりました。
お炭もきれいにして
風炉釜で、お稽古。

は風によって風炉の中に起こり、
は釜の中にあり、
釜はで、
風炉の中には仕切りがで作ってあり、
は木灰
風呂釜も五行を表しているのですね。

主菓子は未央柳 でいいですか

2015-06-09 00:39:31 | 主菓子とお干菓子
    
今朝のお稽古の主菓子は、皐月の茶事に飾った
未央柳 (びょうやなぎ)をイメージして作りましたが・・・


6月に咲き、中国原産でオトギリソウ科、中国では金糸桃と呼ばれているが、
「美女柳(びじょやなぎ)」「美容柳(びようやなぎ)」「金線海棠(きんせんかいどう)」とも

ビヨウヤナギに未央柳を当てるのは日本の通称名。
由来は、白居易の「長恨歌」に
 『太液の芙蓉未央の柳此に対ひて如何にしてか涙垂れざらむ』

玄宗皇帝が楊貴妃と過ごした地を訪れて、太液の池の蓮花を楊貴妃の顔に、
未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に喩えて 未央柳の情景を詠んだ一節があり、
美しい花と柳に似た葉を持つ木を、この故事になぞらえて未央柳と。

今朝のお稽古は御一人、しつらえを紹介します。
  


蜑小舟(あまのおぶね)香合で水無月のしつらえを

2015-06-08 00:16:11 | しつらえ

水無月(みなづき)のしつらえです。
深山松風幽


黒花ろうばい、ヤマアジサイとミズヒキ

蜑小舟香合(あまのおぶねこうごう)で玄々斎五器の写しです。
蓋に 雪能花月裳清見屋田子之浦
   (雪の花月も清見や田子の浦)と書かれています。

調べてみました。
玄々斎五器とは裏千家十一代玄々斎の好みになる五種の茶道具。
昇龍茶杓、羽衣棗、蜑小舟香合、苫屋船香炉、六花香炉の羽衣の五器です。

八代中村宗哲の時に、富士山中の一本の松の木が持ち込まれ、
これで何か作ってくれという注文がありました。
これを羽衣伝説で仕立てることになり、
一番先の細い部分で茶杓:
   羽衣を返さなかった伯竜にちなんで昇り龍の蒔絵、
その次の部分で香合:
   蜑の小舟に見立てて、舟の形の香合に千鳥の蒔絵、
もう少し大きい部分で茶器(棗):
   羽衣の高蒔絵、
そして太い部分で香炉を二つ、羽衣の謡を基にして
  雪輪の形に雪花の透かし火舎の香炉と、
  浜辺の家の形の香炉で、

いずれも松の皮目を残し、あとは溜塗にしています。

第23回日本陶芸展の心斎橋へ

2015-06-07 00:34:41 | 美術館・博物館
 
大丸心斎橋店で第23回日本陶芸展へ出かけました。
『伝統と新しさ 競う美』 土と炎の芸術
実力日本一の作家を選ぶ公募展は隔年開催で、
第一部「伝統」第二部「自由造形」第三部「実用」の3部門。

大賞の「碧彩鉢」井上英基(第一部)茨城
ヨーロッパの海の色で透明な波打ち際、白い砂浜が描かれているそうです。


優秀作品賞 「淡青釉鉢」岡田泰さん(第一部)萩生まれ、
萩の海の色「白より青い。青より白い。」
大賞作のヨーロッパと違ってこちらは日本海
日本人の感性はどちらも素晴らしい。!


優秀作品賞「白釉練込楕円小鉢」七尾佳洋さん(第三部)北海道
練り込め」に20年追及し続けた成果が、
民芸そのものに表現され、庶民の実用の美ですね。!!

招待部門14点の中で
やはり一番若い人間国宝の今泉今右衛門(十四代)さん。!!!

なお会場は元そごう百貨店ですね。15代楽吉左衛門さん展以来で、
照明をもう少し考えていただけたら、なお良かったのに。
入場料は800円ですが、格安チケット売り場で買われるのがいいですよ。
心斎橋には外国からの観光客が多く、TAX FREEの文字が。

食事は、うどんの「つるとんたん」しかしそこまで歩くのは・・・
すき焼きで有名なはり重カレーショップへ、
柔らかいお肉の味が、昔懐かしい味でした。


東洋陶磁美術館の茶道具展へ

2015-06-06 01:41:14 | 美術館・博物館

黄金時代の茶道具-17世紀の唐物展が開かれている大阪市東洋陶磁美術館
 
降り出した雨の中、受付で”200円割引できますのでカードはお持ちじゃないですか”
受付を済まし2階へ、まずはビデオ室で特別展のさわりを
そして常設展(安宅コレクション中国陶磁・韓国陶磁など)の素晴らしさも味わいながら
黄金の茶室のパネルが掲示されている特別展入口へ
青磁鳳凰耳花生 銘萬聲(ばんせい)南宋

室町時代の足利氏が集めた唐物が、多くは散逸しており、
一部は戦国から江戸期の武将達等へ、歴史に翻弄されつづけ、
明治大正昭和へと受け継がれ、箱書きの妙も興味をそそります。
この唐物が、煌びやかな天目茶碗を代表とする中国陶磁から
(残念ながら曜変は展示替え、油滴で辛抱、3台の天目台が素晴らしい)
千利休居士以降の茶人達が、侘び茶を大成させ、
井戸茶碗等の韓国陶磁も珍重されており、
特に織田有楽が最初に茶室に入り、次に奥座敷に通るという
数寄屋御成」を考案し、建仁寺の如庵へ結びつくのですね。


青井戸茶碗”柴田”根津美術館で拝見して以来です。 
  
 木葉天目(南宋) 白天目(室町)  井戸香炉(銘此の世 朝鮮時代)

布袋図(南宋)踊っているように 

すばらしい時間をありがとうございました。
昼下がりの大川はけむり、冷たい雨に。   

さつま揚げをいただきました。

2015-06-05 07:01:48 | グルメ

韮、木耳牛蒡人参か
徳永屋の薩摩揚げをいただきました。
珍しい韮入りがありました。
なお島津揚げは、薩摩揚げに十字の模様が表面に。

練り物って本当においしいです。
宇和のじゃこ天とはまた違い、
本場の薩摩揚げは・・・御馳走様です。

さつま揚げの由来を知っていますか。
江戸時代後期に、琉球を薩摩藩が支配したことで、
油で揚げた料理が中国の福建省からもたらせており、
特に魚のすり身を揚げたのが琉球語で”チキアーギ”
           薩摩に伝わり”つけあげ”と転化し
              さらに”さつまあげ”と
食文化も、歴史に深く関連しているのですね。

狭井神社に皇后陛下の歌碑が

2015-06-04 07:01:37 | 散策




狭井神社の参道に、皇后陛下の御歌(昭和50年の歌会始)の歌碑が
 「三輪の里 狭井のわたりに 今日もかも
            花鎮めすと 祭りてあらむ

昭和45年に3月15日に大神神社に御親拝になられたおり
毎年4月18日に執り行われる鎮花祭(はなしずめのまつり)のことを詠まれているそうです。
鎮花祭とは
春の花びらが散る時に、疫神が分散して流行病を起すのをちんあつするためだそうで、
701年の『大宝律令』には、国家の祭祀として大神神社と狭井神社で祭りを行うとされています。
神饌には、薬草の忍冬(すいかずら)と百合根が供えられております。

茶花にも使われる『すいかずら』の開花時期は、 5月中旬から6月中旬で、
近所を探しましたが、見つかりません。残念。

「水を吸う葛」の意から「吸葛」となり、 
 昔は、花の奥の方にある蜜(みつ)を
 子どもが吸って遊んだことから「吸葛」となったとの説もあります。

この花の色は、白から黄に変化し、このことから中国では「金銀花」と呼ばれます。



御神水をいただきに狭井神社、そして三輪山登拝を

2015-06-03 07:05:08 | 散策
 
去年の夏、名水点てとして使わしてもらったお神水を頂きに
朝から三輪明神・大神神社(おおみわじんじゃ)の摂社である狭井神社(さいじんじゃ)へ
参道は”久すり道”と呼ばれ、有名製薬会社の灯明や薬効のある植物が配置されています。


この3月、新しく檜皮が葺き替えられた拝殿に参拝し、
左手を進むと薬水と呼ばれる狭井の井戸が

5つの水栓があり、ボタンを押すと出るようになっており、
流れ出すお水は、三輪のお山から湧き出す御神水です。
一口コップでいただくと、和らかな口当たりで、ありがたい。

9時半にはお参りもすみ、標高80mの狭井神社右手から、
467mの三輪山登拝もさせていただきました。
用紙に住所・氏名・携帯番号を記入し、一人300円を納めます。
お山の地図とおタスキを手渡され、御神体への登拝の注意事項を説明していただきました。
(*飲食・撮影厳禁ですが、水分補給用の水は許されております)


 
白装束の代わりになる、鈴のついたおタスキを首から掛け、

登り口で、自分でお祓いをして、登らせていただきます。
林の中、なかなかの急登が続きます。
お山には9か所の標柱が設置され、地図と見比べながら進みます。
③三光の瀧には行場があり、水行ができるようベンチと更衣室も完備され、
一息。
さらに進むと、ところどころのお岩にしめ縄が・・・磐座・・・神聖な気持ちに
小一時間ほどの登りでしたが、⑧高宮神社そして
⑨頂上の奥津磐座(おくついわくら)には御岩が積み重なり
奥のほうのやや大きな御岩にしめ縄が、
感謝の気持ちを込め、お参りさせていただきました。

下り、登拝される方々の多いこと、
裸足で来られるかたもおられ、
驚き
昨今のパワースポットブームを垣間見た気がしました。 







お干菓子は柳に燕、ふのやき

2015-06-02 06:58:49 | 主菓子とお干菓子

今日のお稽古の干菓子は柳に燕:梅光堂、
           ふのやき(今日庵好:末富
今は亡き千登三子様が、昔の茶会記によくしるされてある“ふのやき”を想い
今の薄茶席にふさわしい干菓子をと考えられたもので、
四季を通じて家元の露地、宗旦いちょうを懐かしんで頂けたらという
願いがこもっているそうです。
今回は青葉の風情を



涼菓、豆々(まめまめ):豆政


先日の茶事にて濃茶点をされており、その時のお話が・・・
茶道の奥深さを感じておられました。

ふのやきの今日庵好とはどういうことなのでしょうか?調べてみますと・・・
 ”巻いた形が巻物経典を彷彿とさせることから、仏事用の菓子として使われたそうで、
  お好み焼きの起源と言われております。
  なんと千利休居士が考えられたそうです。
  茶会記『利休百会記』にもたびたびその名が登場し、
  秋の膳の和菓子に用いられます。”

簾戸(すど)に

2015-06-01 07:12:02 | しつらえ
先日29日の稽古にお伺いすると、もうすでに簾戸(すど)になっていました。
もう6月だ、
茶事後の疲れか、大慌て。

今日の稽古に合わせ、簾戸に
部屋の感じが・・・


ヤマアジサイで飾ってみました。
 
主菓子:ずんだもち、干菓子:花氷(紅梅屋:伊賀上野)

ひと時の涼を。
お稽古で楽しんでいただきました。

追記
*簀戸と最初表記しておりましたが、正式には簾戸(すど)です。
なお通常使われるのは、ヨシだそうで、中が空洞になっているおり、
中がつまっているものは、アシといい、虫がつきやすく、アシ(悪し)と言われます。

ちなみに、ヨシという字、「葦」・「葭」 とあり、
葦障子、葭戸と呼ぶものは、中のスダレにヨシがはいっているものです。
御簾戸と呼ぶものは、御簾に使う細い竹ヒゴをスダレにつかっているものです。

日本の文化は、知恵に満ちており、知れば知るほど奥深いですね。