気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

昭和美術館の庭は

2018-04-30 17:48:41 | 美術館・博物館
卯月晦日の朝は二つの炉を閉じ、風炉の季節へと炉替えに。


名古屋の美術館巡りの続編・昭和美術館、広大な庭園内には、
池を中心に自然林をいかした侘びさびの風情ある茶庭で、
茶室などを移設・設置されております。
配置図

本館を抜けると右手に「有合庵」への案内、その後ろに池が、

池から木々に隠れて、蓬莱亭や南山寿荘が・・・


右手を行くと「有合庵」への門、中に入ると広ーい縁側?、
 
左手から廻り込むと躙り口が・・・内部は通常は非公開。

『有合庵』は現弥富市の素封家‣佐野家の茶席と座敷を昭和30年
に移築、江戸時代後期の表千家流久田家八代久田耕甫の好みと
伝わっており、小間の茶席は貴人口を設ける開放的な構成で、
鉄粉の錆を浮き上がらせた土壁が風合いに。(名古屋市HPより)
 平面図

時計と反対周りに進むと、『外腰掛待合』で昭和13年に建築。
桂離宮の庭園内にある御腰掛を写したもので、京都の数寄屋大工
によって当地に建てられたものである。軸部に皮付き丸太を用い
床部分は様々な形の踏み石を配して意匠の見どころとなっている。
東角には雪隠が設けられている。(名古屋市HPより) 
 
「鶴の舎」は木々でよく見えません・・・
「蓬莱亭」だと思われる建物???


廻り込むと捻駕籠(ねじかご)の席は『南山寿荘』という建物
の一階にある茶室で、二階に対し少し角度を振って接続し、
駕籠を少し捻っておいた恰好に似ていることから呼んだとも
茶室内部に待合・露地・躙り口を取り込んだ珍しい構成で、
四畳中板入り出炉の席となる。
HPより 

斜面を登り、南山寿荘玄関に到着。
『南山寿荘』は裏千家11代玄々斎の実兄で尾張藩家老、
渡辺規綱の又日庵(ゆうじつあん)の別邸(江戸時代末期、
天保三年築)を昭和10年に移築されており、二階広間の
欄間に玄々斎好みの扇面散らしの意匠がみられることで
玄々斎の協力があったと考えられるそうです。


追記)「捻駕籠の席」は指定日に見学日を設けておられ、
事前予約が必要で、HPよりお進みください。
なお「南山寿荘」「捻駕籠の席」を含む全体が毎年11月3日に
予約不要で内部見学可になるそうです。
忘れるところ、雑誌「淡交」に「昭和美術館・初秋の茶会」
9月28・29日、各4席の案内が・・・。

名古屋・昭和美術館へ

2018-04-29 18:20:48 | 美術館・博物館
昨日午後10時過ぎに初夏の陽気の名古屋での親戚の結婚式から
戻り、ゴールデンウィーク前半の連休二日目は朝からお稽古に
伺いますと、道際の躑躅は盛りを過ぎ、ニセアカシア(針槐)が
白い房花を垂らし、早い季節の移り変わりが感じれました。
奈良市内に入り東大寺大仏殿の鴟尾を目にすると背筋が伸び・・
 
真の行台子、大円の真と大円の草を・・・。

さて名古屋へ行くからには、美術館巡りをしなくてはと・・・
雑誌「淡交5月号」に茶会案内のあった昭和美術館の開館40周年
記念展示、徳川美術館と閉館が決まった名古屋ボストン美術館に
も訪れる算段にて、27日の早朝から出かけました。
近鉄アーバンライナー・プラスに乗り木曽川を渡れば愛知県に
そして名古屋には午前9時過ぎに到着。
 
まず美術館の割引も付く地下鉄一日乗車券740円を購入し宿泊ホテル
に荷物を預け、茶の美術館とも称される『昭和美術館』へ
杁中(いりなか)駅で地上へ、八事釜を横抜け
 
住宅街に静かに佇む昭和美術館、ヤマボウシが迎えてくれました。
 
展示室では「コレクション茶道具優品展」で46作品が、
 

5. 赤絵金襴手汲み出し 青木木米 江戸時代末期
11.焼貫灰器 楽了入 江戸時代後期
13.彩漆荒磯文宝珠形香合 中国明時代
18.芦屋梅桜地文真形釜 室町~桃山時代


19.朝鮮唐津一重口水指 九鬼家伝来 江戸時代初期
藁灰による白濁釉と黒釉がかけ分けられており、口縁部から
釉の流れが印象的


21.古瀬戸尻膨茶入 『伊予簾(すだれ)』小堀遠州銘
  室町時代(16世紀)中興名物
銘は「詩花集」の恵慶法師の歌から
「あふことは まはらにあめる 伊よすたれ
          いよいよ我を わひさするかな』

この伊予簾には4点の仕覆
伊予簾緞子、紺地橘文金襴、白地竜詰金襴、萌黄地造土金襴
なお小堀遠州筆「いよすだれの歌」色紙、小堀蓬雪筆(三男)    
           「伊よすたれの記」が添う


27.丸釜 與次郎 江戸時代後期

35.瀬戸黒茶碗 銘 垣根 美濃 桃山時代
              内箱書 小堀遠州


31.阿蘭陀捻花入 オランダ16―17世紀
32.刷毛目編笠茶碗 朝鮮16世紀
33.茶杓 銘がありませんが、千利休昨 随龍斎筒
36.鬼熊川(こもがい)茶碗 銘 薄柿 朝鮮16世紀
     箱書の文字「薄柿」は小堀遠州の筆


39.呉州赤絵小丸香合 明時代後期~清時代初期
45.斗々屋茶碗 銘「嵐山」朝鮮17世紀

誰もいない、来ない中でゆっくりと鑑賞できました。
収集された茶道具の多くは初代理事長・後藤幸三さんの妻が
選ばれたと書かれていたように記憶しますが・・・
繊細で優雅なお道具に、言葉がありません。

お稽古に飛び入りはだれ

2018-04-28 17:25:17 | お稽古
23日の月曜日も自宅稽古で四日続き、それも立礼ですから、
茶事の寄り付きでしつらえた点茶盤を、広間へと移動させますが
釣り釜用の釣り鎖が・・・
よく考えたら今月の自宅稽古は今日でお終いのはず、
来月は風炉ですから、仕舞うことに

花は、藪椿とテッセンと宝鐸草を
 
お二人がまず、お見えになられ稽古を始めましたが・・・、
PTAの会合が長引いて、遅れますとの連絡が、その代わりに
昼から久しぶりの予定の方が、仕事の関係でおいでに。
でももう直ぐ二才のお子様を連れられての稽古になりました。
 
初めて登場したのは2016年8月1日、まだ2か月ぐらい?
2016.8.1
今日も始めは抱っこ紐で寝ていたのですが、起きるとじっと
こちらを。お出でと言っても、「イヤッ」とかわいいです。
一年前は相方にお守りをしてもらっており、声を聞きつけた
相方がお出でていっても、「イヤッ」と、可哀相!
なんでも「いやいや期」にあたり、男嫌いだそう。
手造りの菓子「桜上庸」をあげますと、美味しそうにペロリと
子供はみんなそうなんですが、これ一個で10分は大丈夫?
つぎは、干菓子もペロリと5分とも持ちません。
生後二か月から稽古をしているのですから、
きっとどこかで、お茶をならってくれるでしょう。
私だったらなお一層、嬉しいこと。フフフッフフ

自宅稽古は古参と新人、花は「ムベ」で

2018-04-27 15:16:15 | 季節の花々
茶事が全て終った21日夕方、夕陽が・・・この日は夏日。
 21日17時半
外に出ると、近所の方が玄関先の植栽を大胆に切られおり、
花びらが道路に落ちており、声をかけますと「ムベと言い、
どんどん伸び、北向きの玄関がよけいに暗くなるので」と。
自宅の椿ももう終わりで、良い花を捜していたところ、
明日の自宅稽古に、両手で持てるほど分けていただきましたが、
玄関に飾ろうとすると、花が下を向きて蔓を切っても切っても
良い形にならず・・・床に飾ることに。
 

翌日、やや水の吸い上げが悪いようで、写真のアップはムリ
 

この日の自宅稽古はお二人、私が教え始めた頃の方と二か月目の
面白い取り合わせ。先に略盆の点前、代わり続き薄茶の点前で、
初めて「お濃茶」を頂かれたそうで、その美味しさに感動されて
、一段とお茶に魅せられたみたい!、
先輩ぶりましたね。良く練られており、流石ですね。
お稽古を重ねられれば、自然体で身に着くようになります。
口で語るより、口で味わっていただけました。

ムベ』は、NHK趣味の園芸によると
”地方によってはアケビともいい、アケビと異なり常緑性で、
 果実は熟しても割れないのが特徴です。日本では関東地方
 以西の温暖な地域に分布しています。昔は果実をよく食べた
 ものですが、今は観賞の域を出ません。ただ、アケビ同様、
 春の新芽は山菜として利用できます。樹木の利用としては、
 垣根に向き、日よけだと常緑なので冬場の日当たりの問題

やさしい園芸(一部抜粋・加筆)によると
葉は小さな葉が集まって長い柄の付いた形(掌状複葉)をし
 この小葉の数が木が生長していくにつて3→5→7とふえていく
 ので昔から縁起の良い樹とされています。
”花は萼が花弁状の小花を葉の付け根に5輪前後固まって咲かせ
 花の色は白~淡いクリーム色で中心に紅紫色の筋が入ります。
 花後に直径5cmほどの卵形をした果実を付け、秋に紫色に熟す。
 熟した果実の中にはたくさんの黒いタネとやや透き通った白色の
 果肉がつまっており、果肉はほのかに甘くておいしいです。
 果実の大きさにしてはタネが大きく多少食べにくい”と 
でも、産経新聞2015.11.26では、言い伝えによるとから始まり
”天智天皇が老夫婦から献上されたこの果実を食したとき
 「むべなるかな』と言われたことがそのままこの果実の
 名前になり、オオニエ(大贄)→オオムペ→ムベと転訛したと
 ただし語源には諸説あります。”と
 また老夫婦が元気なのはと問われたおり、「この地で採れる
 無病長寿の果物を、毎年秋に食べているからです」から
 不老不死の実ともされたと。
 
 なお近江国から朝廷に、『ムベ』を貢いでいたとされる記録は、
 法令集「延喜式」31巻「宮内省諸国例貢御贄(れいくみにえ)」
 近江国からフナ、マス等と伴に、ムベが献上されていたと、
 記されており、戦後、昭和57年まで続いていたそうです。

*むべなるかな【宜なるかな】:大辞林 第三版の解説
いかにももっともなことであるなあ。うべなるかな。

お濃茶を「むべなるかな」との気持ちになられたのでしょう。

18’茶飯釜の稽古茶事

2018-04-26 11:43:50 | お茶会・お茶事
今日は良いお天気で、雑用がはかどりますね。
茶飯釜の茶事二日目は社中の稽古茶事になり、書き置きます。

穀雨の茶飯釜の茶事、一日目も済みほっとしたのか、ダウン、
一時間ほど休むとメールの着信、嬉しい報せでやる気が・・・
明日の社中の稽古茶事にもうお一人来て下さると。
実は先の先生の都合で日が決まらず、一月程前に急にお知らせ
したものですから三人様だけ、お客様は二人と寂しい茶事にと
思っておりましたが・・・
昨年の茶飯釜の経験者もおられ、私を含め五人になりました。
   
腰掛待合から蹲踞を使われて・・・
 
席入り、その後初炭になります。

茶飯釜で炊く米と火吹き竹

そろそろ炊き上がりそう

・・・・・
中立にて、腰掛待合で過ごされている間に、席改めを
 
後座にうつります。
   
薄茶点前も済み、

終りました。
皆様で片付けまでしてくださり、後ろに・・・
でも24日までにはきれいに片づけ、残るは履物類と
大仕事になる炉塞ぎ、二つ残っています。
まだ楽しみは待っておりました。
ああでもない、こうでもない等と、ガヤガヤとダベリング


昨年は始めての茶飯釜の茶事でしたので、今回との時間経過を
比較すると、閊えることが少なくなり半時間も短くなりました。
こんなうれしい事はありません。
これからも皆様と一緒に一歩一歩、日々精進しなくては。

六月にもお弁当を取り、初めての方も気軽に参加して頂ける
ような茶事を行いたいなーーと、考え始めているワタシ。

18’穀雨茶飯飯の茶事・後座を

2018-04-25 14:14:00 | お茶会・お茶事
朝10時頃までよく降った雨も止み、庭の満開のツツジと
萎んだアマドコロや最後の椿の花も重たげに雨に濡れており、
 
空は厚い雲に覆われますが、山々から水蒸気が昇り、

京都山城の竹林、筍が伸びて黄緑色のグラディエーションの
若葉が目に優しいですね。


18’穀雨茶飯飯の茶事、この山城の筍も使った懐石が終わり、
菓子をお出ししました。心をこめ木の芽をあしらった「上庸
(芳月庵)」で、
 

茶飯釜の茶事が終わったかのように、錯覚してしまいますが
中立の後、これからが後座、メインイベントのお濃茶席に。
慌てて忘れることがないように、掛物を巻き上げ、
床の中釘に花入れをかけました。
 
炉中の火をみて炭を置き、茶飯釜ですので灰がやはり飛んで
おりますから、念を入れて席を浄め、釜の湯は・・・
それからそれから、水指、茶入を荘付けると、

銅鑼を鳴らして、席入りに、
後座拝見の後、定座につかれ、お濃茶に。
先生の前で、久しぶりの点前に緊張気味に釜の湯も沸騰し、
熱いぐらいですが心を籠めて練り上げました。
   
正客様へ「お服加減は」・・・

中終い、お茶銘、お詰め、お菓子の問答。
拝見後、お茶碗が戻り、終い付けです。
気を抜かず、「湯加減もよろしいようでございますので、
本日は後炭省略・・・」さらに「続いて薄茶を差し上げます」
との挨拶でお薄に。
座布団、お干菓子「曲水の宴(奈良・鶴屋徳満)」をお出しし
 

引き続き私が薄茶点前もさせて頂きました。
  

ふんわり仕上がったお薄に大満足とのお声も頂くと
送り礼にて、終わることができました。

今後も一歩も二歩も前に進めるよう精進あるのみですね。

18’穀雨茶飯釜の茶事・献立

2018-04-24 14:37:46 | お茶会・お茶事
茶飯釜の茶事二日の後、自宅稽古も二日続き、なかなか疲れが
取れないのに、未明から17℃だったらしく、蒸し暑くて寝具を
跳ね除けていたようで、だるーい朝に。午後から雨との予報、
もう雨が降り始め、今朝から仕舞うつもりの茶事での漆器等は
そのままで、このままでは黄金週間に。
炉から仕舞うことにして大炉から始めましたが、これだけで
腰も痛くなり、中も乾かさないと思案中・・・
急なメール”午後からお稽古に伺ってもよろしいですか”と
大慌てで、大炉だけ仕舞い、昨日の立礼席も片付け準備を。
昼前、予約していた結婚記念日のランチ、午後3時からお稽古
と今日も忙しい一日・・・日々過ぎていきます。
嬉しいことに、ポストに後礼の葉書、泊まって行かれた先生は
上機嫌で、午前二時過ぎ迄楽しく飲みしゃべられて過ごされて
おられたと書き添えられておりました。

その先日の18’穀雨茶飯釜の懐石、献立を紹介します。
前日に買い出しをし,枕崎産鰹の血合い抜き
本枯れ節、昆布は富山調達の羅臼昆布を用い、心を込めました。

 御 飯 富山・立山米(こしひかり玄米、当日朝自家精米)


 向 付 信州産サーモン昆布締め
     莫大 水前寺海苔 山葵 加減酢
 

 小吸 筍姫皮 若芽茎 木の芽


 八 寸 一寸豆 フグ蒲鉾(富山)

 
 煮物椀 利休卵豆腐 こごみ 山椒の花(庭で当日)

     
    合わせ味噌 蓬生麩 湯葉 ときからし


 炊き合 筍(京都・山城) 若芽 蕗 木の芽(庭で当日) 


 焼 肴 桜鯛(天然愛媛産)
 焼き上がると、簡単に一切れずつ、お取分けしました。 
 

 預 鉢 貝柱 赤貝 ウド 三つ葉の茎(庭で当日)


 香の物 守口大根 春キャベツ 野沢菜 すぐき 
     昆布鰹節(出汁がら)の山椒佃煮(自家製)


なお、一献は、
①無上盃 純米吟醸 豊澤酒造・奈良市
繁 桝 中汲み純米大吟醸 たかはし商店 福岡・八女
③十六種類の雑穀米を使った甘酒(ノンアルコール)
        こだわり紋工房・福岡久留米
① ② 
 
前日の買い出しと下ごしらえと、さらに当日も準備にと、
助っ人の料理教室の先生にはお世話になりました。後席から
入られ、久しぶりの先生とも昔話に花が咲いておりました。
ひょんな一言から、茶飯釜の茶事の機会を持てたことは、
先生を含めこられた皆様のおかげ、感謝の一言につきます。

18’穀雨茶飯釜の茶事・中立まで

2018-04-23 16:19:15 | お茶会・お茶事
茶事明けの一昨日・昨日と自宅稽古、昨日は朝だけでしたので、
午後から茶事の片付けを始めるも中途半端なまま、夕方に
突然呑み出した相方から今日は何の日と・・・
もう茶事で頭がいっぱいでした。ルビー婚だったのですね。
近くの寿司屋さんやフレンチに電話するも満席ですって、
二人で茶事の残り物とワンコインワインで乾杯!!。

先日の卯月穀雨の茶飯釜「寧楽の春」茶事のお話を。
九時前にしっかり水を打ちお客様を迎える準備をしたのですが、
二十日は穀雨なのに夏日となった良いお天気の一日で、30分前
もう一度打ち水を誰か?・・・閑な人は相方だけ。

 
忙しく炉の準備、炭を熾し火入れに入れ、下火と炉に
そして濡れ釜を掛け終わると、程なくお出でになり、
いやがうえにも水屋に緊張感が漂いました。

寄付待合へと案内し、皆様が揃われれば汲み出しを・・・
 

席入りで腰掛待合に腰かけられると、いよいよ迎付けに。

蹲踞を使われ、身も心も浄め席入りをされますと、
挨拶の後、初炭点前に。私も緊張しておりました。
   
初炭が終わり、洗い米を釜に、さらさらさらと心地の良い音が。
緊張感のある静かな部屋に響き渡ります。


火吹竹にて吹き、皆様にもお願いして助けていただきますと
吹く度に火の子が散り、炭が赤く光り楽しい茶飯釜に。
香合の拝見をしていただく間中も・・・炭が勢いよく熾ります。
 

膳を出し、向付にて一献は無上盃(むしょうはい‣奈良豊澤酒造)
ほろ酔い加減で、さらに話に花が・・・


昨年はご飯が炊けるまで俳句等を所望したのですが・・・、
久しぶりに先生を囲んで、お好きな御酒も頂いてくだされば
話に花が咲き、炊きあがるまでの時間も足りないぐらいに?
と考え、本来は後の小吸いを先に、更に二献目と八寸を一緒に
お出しし、小吸いの蓋に八寸を取り置いていただきました。
なお二献目は先の無上盃と甘酒(ノンアルコール)になります。
顔を赤らめられてのお話が続きました。

煮物椀を出すと、そのうち釜から湯気が立ち上り、
ご飯の香りが広間に満ちはじめ、皆様が焦げた香に気付けば、
釜をおろし、汁を掛けました。

  
この炊き立てのご飯を盛り、小さな盆の上に置くと、
良い炊き具合です。

出来上がりのご飯は正客を待つことなく、手送りでお詰め様へ、
直ぐに味わって頂き、美味しいとの声の嬉しいこと!

汁は取り出すと、正客から順に廻し、
さらに炉に炊き合わせの預鉢を掛けました。

直ぐに三献目、繁桝(中汲み純米大吟醸、福岡)


次は焼物は桜鯛で、一尾お見せしすると、たいそうなお喜び
皆様には目の前で取分けさせて頂きました。
 

飯器にご飯を移し、前回は空いた釜を水屋で洗いましたが、
こびりついたご飯が取れにくく苦労しましたため、もう一つ釜を
用意しました。この窯に水を入れた「ヌレ釜」を組釜敷に仮置き
し、炊き合わせの鍋を炉から取り、このヌレ釜を掛けました。
 
和え物をお出し、亭主相伴と。
話が弾んで時間が伸びておりますが・・・仕方ないでしょう。

湯斗と香の物を


膳を引き、最後に菓子をお出しして
  
 
中立になりました。(後座に続く)

茶飯釜「寧楽の春」の茶事一日目、しつらえ

2018-04-22 17:10:00 | お茶会・お茶事
この二日間の茶事、三十数年来教えて頂いた先生が昨春に奈良
を去られ、引き継いだ茶道サークルの秋の文化祭にお出でに。
つもる話の中で、茶飯釜の皐月稽古茶事が出来ましたと報告を
いたしますと、来年暖かくなってから旧社中の方々に声をかけ
茶飯釜の茶事をという話になりました。
一日目は先生をお迎えし、二日目は社中の稽古茶事をと計画し
一番に先生に喜んで頂くことは・・今の私にできる奈良に縁の
あるしつらえ等で『寧楽の春』を愉しんでいただくつもりが、

今年は春が早く訪れ、桜も足早に散り、この晩春に25℃以上の
夏日となりました。炉の炭が熾ると広間の室温は25℃を越え、
「寧楽の春」ならぬ初夏の陽気に・・・

玄関のしつらえは、「奈良」ならぬ「やまと」を描いた、
17世紀の『吉野龍田図』根津美術館蔵の吉野桜の部分の色紙と
・・ほのぼのと花の横雲明け染めて桜に白む見吉野の山・・
現代アート、原田要さんの『やまとのかたち』をジョイント
 

お客様は先生を入れ四名様、この待合いでお待ちに、
待合いは、東大寺別当・上司海雲筆で『
「野に山に春夏秋冬うるわしくせかいをかざる唯心のはな」と
  

時間になり、待合いを出られて腰掛待合い、

迎え付け、そして蹲踞をつかわれて席入りに


広間へとお入りに。
 
軸は、先生のお好きな薬師寺元管長‣橋本凝胤さん筆
敬天愛人
  
今年の大河ドラマの主人公「西郷隆盛」が指針とされた言葉
読みは「天を敬い、人を愛する」、
天を敬うことを目的とすべきである。天は他人も自分も平等に
愛したもうから、自分を愛する心をもって人を愛することが
肝要である」(西郷南洲顕彰会発行『南洲翁遺訓』より抜粋)
 
香合は「編み笠」信楽 
我が庭に先日まで咲いていた「貝母」別名「編笠百合」や
大河ドラマの西郷さんの旅姿から

 
席改め後、お花は庭で咲いている黒ロウバイ、
鉄線と宝鐸草を活けてみました。
 
花入れは、迷った末経筒を用い
主茶碗は黒 銘江月、
・・・
薄器は柳大棗
・・・ 
薄茶碗は、鶴亀、不二、赤膚で・・・
・・・
御茶は 先生のお好きな「雲鶴」と「和光」、丸久小山園
今もずっと愛用しております。
先生は変わらずお元気な様子でまたいらしてください。

改めて、これからも日々精進をしなくては・・・ 

茶飯釜(寧楽の春)二日目の朝

2018-04-21 09:21:03 | お茶会・お茶事
昨日の茶飯釜(寧楽の春)一日目、三十数年来教えて頂いた
先生、昨春に奈良を去られてはや一年、旧社中の方と一緒に
お招きして茶飯釜をさせて頂くことに。
今年の桜の春は例年にないほどの速さ、多くの桜は散るも、
一番遅い奈良の八重桜も咲きだしたそうで、
奈良の春をイメージ、奈良の異表記『寧楽の春』の趣向を。
*奈良(なら)の異表記は那羅・平城・寧楽などがあり、
 古くは大和、平安京に都が遷った後は南都(なんと)と。

玄関は「吉野龍田図屏風」部分(根津美術館蔵版1996)の色紙
全山埋め尽くす吉野の桜、その枝にかかる短冊に、
『ほのぼのと花の横雲あけそめて桜にしらむみ吉野の山』
      西園寺太政大臣(公経)(玉葉194)
 

そして『やまとのかたち』原田要さんをプラスすると

 
入ってこられて、いかがでしたでしょうか。

 ・・・ここまで昨晩書き始めていました・・・

二日目の朝を迎え、昨日は27.4℃、今日も夏日との予想
炭が入り暑くなるでしょう。でもエアコンをするほどには・・
自然の風をいれましょうね。

昨日の台所も人で熱くなりました。というのも
助っ人が来て頂いたので、朝九時から三人、
でも二日目の今朝は、八時から私一人で下ごしらえ・・・、
有難いことに昨日の間にある程度済ませて頂いており、今朝
からのメモを残して下さいました。

九時に来られたお二人、二階で着物を召されたのですが・・・
30分で降りてこられ手伝いに。


茶飯釜、ご飯を炊くのはまだ任せられませんので・・・
慌てて着物を着てこなくてはなりません。
ここまでに・・・