気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

大炉から釣り釜に代われば「啓蟄」

2022-03-07 23:06:06 | 神社・仏閣
24節気の土の中から虫も這い出す「啓蟄」に入り、
72候では『蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)』
蟻さんもそろそろ見かける季節ですが・・・

今日はぽっかり空いた一日なのに
寒の戻りで9.2℃迄しか上がらず寒い一日
東大寺二月堂へ出かけました
奈良に春を呼ぶ「修二会(お水取り)」も本行に入り7日目
   二月堂より奈良市内

いつもの駐車場は平日だというのに満車
ちょっと遠い駐車場に止めたお蔭で
五劫院から知足院へ階段を上るも閉門
 

正倉院の見学もでき

東大寺講堂跡から

聞き覚えのある表札の塔頭を横切り
 

宝厳院の紅梅とロウバイ越しに二月堂が見える
この西側は第二拝観所で、少し遠いがお松明が

二月堂裏参道から二月堂へ

丁度、練行衆の皆様の一日一食の食事時間
暫くするとオラトリオのような声が聞こえ
扉が開いて練行衆が一人づつ小さな紙包みを
閼伽井の屋根に向かって投げられた
   

これが鳥や獣に施す『生飯(さば)投げ
一日一度の食事であっても分け与える心を教えてくださっている
その後、すぐに二月堂に籠り、時の勤行が始まり
内陣で履かれる差懸(さしかけ) と呼ぶ沓の音が響く

世界平和、天下安泰、五穀豊穣・・・・
私達に変わって行を勤めてくださってる練行衆に感謝です

1685年の修二会で「芭蕉」も私達と同じように聞き
水取や籠りの僧の沓の音』と詠み
この芭蕉の句碑が二月堂脇にひっそりと
由来は蝶夢編「芭蕉翁発句集」(安永三年刊)からと
   

だが野ざらし紀行、別名「甲子吟行」では
水取りや氷の僧の沓の音』と

「こおり」と「こもり」、どちらが本当?
芭蕉独特のダジャレとする意見もあるようだ

薬師寺・天武忌の奉仕で食堂の拝観を

2017-10-09 15:15:10 | 神社・仏閣
なぜなのでしょうか、今年の『薬師寺天武忌』も暑い日に。
朝の9時前に集合して西回廊にて呈茶席の準備に、
 
呈茶席には、薬師寺管主 村上太胤さんの手で短冊に歌が。
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
       三笠の山に 出でし月かも

          安倍仲麿(7番)古今和歌集406

先日平城宮跡で思った歌と・・・

東回廊から薬師寺講堂を眺めるも椅子がなく、がらーんと
今年は劇がないのだそうです。


講堂の後ろ北側に今年5月に落慶なった『食堂(じきどう)』
今年の万燈会ではこの食堂前に献燈がお供えされるようで、
荘厳な雰囲気で白鳳伽藍全体が包まれたことでしょう。
 
実は食堂の屋根瓦一枚、寄進させていただいており、
5月にもお招きがあつたのですが、行けなくこの機会になり
自由時間に拝観をさせていただけました。
創建時の食堂は730年頃で973年位消失し、1002年に再建も
年代不明にて消失して以来の再建になり、僧侶が斎食をする
ための建物で僧侶約300人が一堂に会する規模であった。
外観は奈良時代の凝らした作り、内部は現代技術により広い
空間が確保され、多目的に利用されるそうで、食堂内には
食堂配置図 
田渕俊夫画伯より奉納されたご本尊「阿弥陀三尊浄土図」を

中心に約50mにわたる壁画「仏教伝来の道と薬師寺」で
中国から日本、明日香から平城京薬師寺までを、
①旅立ち、②遣唐使船、③大和へ、④瀬戸内
旅立ち
⑤帰帆、⑥御津の浜松、⑦大和川、⑧飛鳥川
帰帆
⑨うねび、⑩みみなし、⑪天のかぐやま、⑫飛鳥寺院幻想
うねび
⑬藤原京、⑭平城京
平城京

①の旅立ち、左側の長安大雁塔で、玄奘三蔵伽藍内の
中国とインドを結ぶ玄奘三蔵取経の旅が描かれた
平山郁夫画伯筆の『大唐西域壁画』と結ばれていました。

今年も暑く疲れからか、見たかった夕方からの万燈会、
残念ですが、片付けを終えると、早々に家路にと。

春日大社から夏越に「茅萱」を授かりました

2017-06-30 16:23:50 | 神社・仏閣
夏越の朝を迎え梅雨模様のなか、用事もあり奈良へ出たおり、
春日大社、夏越大祓式の茅の輪を潜らせて頂こうと思い立ち
午後11時過ぎに近鉄奈良駅を降り立ちました。
行基さんが東大寺の方を向かれており、
東向い通りは、七夕の飾りが・・・
 
猿沢の池から望む、雨の興福寺の五重塔です。

一の鳥居を通り

飛火野の手前の交差点には、じっと鹿せんべいを
買う観光客を待っております。
 
飛火野では傘をさし鹿を見つめる観光客

二の鳥居のすぐ横に、手水舎で手と口を漱ぎ、

直ぐの祓戸神社前の参道に、茅の輪が作られておりました。
ところが、その前に軽トラックが置かれています。

本殿方から見ますと
 
軽トラに乗られている方に茅の輪くぐりはと伺うと、
午後3時からで、『夏越大祓式(なごしのおおはらえしき)』は、
知らず知らずのうちに身についた罪や穢れを祓い去り、無事に
夏を乗り切れるようにとの願いをこめて行われる神事で、
この式後、皆様は茅の輪をくぐることが出来るそうです。
春日大社HPより
残念ですが参道を進み御本殿に参拝し『茅萱』を頂きに伺うと
丸められて輪を作られるか、そのまま飾られても良いそうです。

でも人形(ヒトガタ)のことをすっかり忘れ、雨の中
手に『茅萱』を抱き、素早く用事を済ませ帰りの途に。

帰宅すると、『茅萱』をそのまま玄関に飾らせて頂きました。

昔は陰暦六月晦日にされたそうで、今年は八月二十一日に。
いつまで飾れるかは判りませんが、明日からのお稽古に
お出での方々には、身についた穢れを祓い、無病息災を。

万葉歌碑より人顔似の石に(石上神宮)

2016-07-14 11:27:18 | 神社・仏閣
何時降るかわからない変な天気、
湿度もたっぷりでムシムシと、
今日の午後からは、祇園祭の菊水鉾のお茶券があり、
昨年に続き
訪れる予定です。
なお菊水鉾の名は室町時代末の町内にあった千利休の師、
武野紹鴎の邸内の菊水井に由来しております。
雨に合わなければよいのですが・・・・・
この祇園祭のはじまりは、平安時代869(貞観11)年に行われた
御霊会で、1100余年も連綿と続いておりますね。
続くといえば、歌も続いており、
平安時代の中期に忽然と現れた万葉集、7世紀後半から
8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集で、
多数の歌碑があります。その一つ、
石上神宮大鳥居の左前に建つ万葉歌碑を訪れました。
  
『万葉集』の巻4(501番)柿本朝臣人麻呂の歌
「未通女等之 袖振山乃 水垣之 久時従 憶寸吾者」
と書かれており
「未通女らが 袖振山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひき吾は」
”乙女が袖を振る、そのふると名も同じ布留山(ふるやま)の
古くより神様をまつる瑞垣(みずがき)のように、
長い間あの人のことを思ってきた、わたしは”という歌意に


駐車場側の入口にこんな風景が、
 
苔で覆われ、人面石にみえませんか?
微笑みが自然と
しばし、自然のいたずらの招きに、
柿本人麻呂さんのように見えてまいります。
万葉歌碑を現代まで、時間を延長すると・・・
1200年も続けて愛している意味になり、フフフ
大変情熱的な歌になります。
この柿本人麻呂が亡くなったのは720年とされており、
ということは2020年は没後1300年ですね。

その他にも境内のワタカの住む鏡池の前に二つ歌碑が
 
もう一つは
 

武力の神様と恋の歌取り合わせが意味深ですね。
 
長生殿の屋根にこんな鬼瓦も
神社にあるのは珍しく、山陰の石見地方に見られ、
神話の時代、国生みの出雲に通じませんか。

あれれ、平安時代の話が、奈良飛鳥さらに国生みまで
昼からは、京都を十分味わってまいります。

ツユクサを探して

2016-07-06 15:31:39 | 神社・仏閣
今日も午後2時、奈良市では33.4℃と暑い日が続いています。
東北の日本海側で、豪雨とのこと。
降ってほしいところに、雨をお願いしたいものです。
晴天が続き、朝庭に水やりをしていると、
松の木から『蝉』が飛び出し、
南天に引っかかって?、留まり、慌ててカメラを取に行き、
一枚、そして近づいて撮ろうとすると、どこかへ残念!
 2015.8.22
アブラゼミです。
夏になったんですね。
もう少し、梅雨が続くのかと思っていたので、
玄関の花は、まだ「紫陽花」と「ツユクサ」なんです。
 オオムラサキツユクサ
でも我が家の庭のツユクサは、まだ咲いておらず、
この「ツユクサ」は『オオムラサキツユクサ
外来種で近年、道端の花壇などでよく見かけますね。
わが庭では、5月の初めごろから咲きだし、もう最後。
 
 
六月の下旬に、散歩の途中、平城京の下つ道北側に、
木津川水系と大和川水系の分水嶺にある神社を訪れました。
祭神はその水分の神でもあり、境の神を祀る神社で、
  
『添御県坐神社』(奈良県奈良市歌姫町999)
境内には、歌碑がふたつ
本殿に向って右側(手水舎傍)に
万葉集巻三・三〇〇、長屋王寧樂山に馬を止めての歌
佐保過ぎて 奈良の手向けに 置く幣は 
       妹を目離れず 相見しめとぞ

 
左側には
菅原道真公が宇多天皇の吉野行幸に従った際の歌
このたびは 幣もとりあへず 手向山 
         もみじの錦 神のまにまに



その境内の道沿いに「ツユクサ(鴨跖草)」の群落が見られ、
花は少なく、これからなんですね。
俳句では、露草、月草、蛍草などの名で、秋の季語になります。

由来は、朝露のように、朝咲いた花が昼しぼむことから「露草」
英名の Dayflower も「その日のうちにしぼむ花」の意味ですね。
花言葉は「変わらぬ思い」「尊敬」で、
ひまわり、朝顔とともに、7月6日の今日の誕生花になります。

萬福寺方生池の牛蛙で仲夏の使い方を

2016-07-05 12:05:58 | 神社・仏閣
仲夏」の候、最近暑くなってきましたが、
 お体に変わりはないでしょうか?」
時候の挨拶は使う時期がとっても大事ですね。
この「仲夏」を使えるのは、芒種(6月6日頃)から
7月7日の小暑までの時期になり、主に6月中です。
ということは、今後手紙を出すには、「盛夏」にしなくては。

仲夏を思い出したのは、先日萬福寺へ伺ったおり、
「ウシガエル・牛蛙」を見かけ、外来種だから季語は?
「蛙」は春ですが、「牛蛙」は多くは夏で「仲夏」に。
禅寺や真昼の池に牛蛙 』   橋本公枝
詠んでみました。
『蓮の葉にかくれんぼする牛蛙』 愚句
『蓮の陰つんとしている牛蛙』 愚句

萬福寺の梅雨の晴れ間のなか、
総門前にある駒蹄影園碑(明恵上人歌碑)で宇治茶発祥の話と
駒蹄影園碑(明恵上人歌碑)
萬福寺を龍にたとえ、隠元禅師が掘った井戸と言われる
『龍目井』は龍目で左右一対あり、参道の踏み石は
龍の背ですから、端を歩いてくださいとお願いをし、
  
総門前で、屋根の上の摩伽羅の話と扁額の「第一義」は
禅の本髄を現す言葉とされ、書は第五代・高泉の手との話も

真昼間ですから、まだ蓮の華が咲いているかな
と思い、総門を入ると放生池へ足を向けました。
数本の華が見えるだけで、残念です。
 
放生池の端に、大きな蛙を見つけました。
オスの『牛蛙』(うしかわず)食用ガエルとも呼ばれ、

大正時代に、輸出用として北アメリカから輸入されて
今や特定外来種として全世界的に悪者に。
中学時代に、カエルの解剖でも使っておりました。

余り咲いておりませんでしたが、蓮の花を供覧します。
毎葉蓮  曙蓮
最後に
「仲夏の候、これからもっと暑くなりますが、
         お元気でお過ごしください。」