気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

弥生最後のお稽古は『菜種きんとん』

2019-03-31 20:33:14 | 主菓子とお干菓子
『千利休居士』は天正19年(1591)2月28日自刃。表千家では毎年3月27日、
裏千家では3月28日に、茶家最大の行事・利休忌が開催され「菜の花忌」とも。
謂れは居士が生涯菜の花を好んだからとか、最後の茶室に活けられていたのが
菜の花だったからなど諸説あるそうです。
でも利休忌が終わるまで、茶席には菜の花を活けないほうがよいとの教えも。

3月最後のお稽古に『菜種きんとん』作り、
利休居士の遺徳を偲ばせて頂きました。
 

床には、「頭上漫々」

花は「貝母・バイモ」別名編笠百合・アミガサユリと
紅錦魚葉椿」、この椿は去年に引き続き咲いてくれたが、
下枝に隠れて気が付かず、咲き過ぎ、
でも小さな斑が入っていたことに気づかせてくれました。
 

お稽古の主菓子は『柳緑花紅きんとん』

2019-03-28 19:09:32 | お稽古
一昨日のお稽古、釣り釜・・・久しぶりに略盆点前も、
 

床の軸は『頭上漫々』、

充実茶掛けの禅語辞典(淡交社)によれば
”碧巌録からで、ほとんど「頭上漫漫脚下漫漫」として用いられ、
 「漫漫」は、はるかんひろがっているさま。また一面を覆っているさま。
 頭上を見上げれば、広々とした限りない空間があり、
 その中には仏法が、さまざまな形で現れていることを表す。”と


花は「貝母」「こぶし」「源氏車椿」

準備完了、色紙釜のお湯も良く煮えだすとお出でに。


久しぶりの略盆点前といいますのも、
抹茶チョコ、抹茶パフェ・・・抹茶が大好きなお嬢さん
茶道に興味があり、稽古にいらっしゃっているお母さまと
一緒に初めて来ていただいたのが一年前、
就職したての新米CAさんでなかなかお稽古に来る事ができなく、
せっかく始められたのに残念に思っていましたが・・・
久しぶりに来てくださり、嬉しい略盆点前でした。

若いっていいですね。手も綺麗で、ス-ッと立てる姿も美しい
”私達にもこんな頃がありましたよね”と
熟年者同士無駄口を・・・

主菓子は、『柳緑花紅きんとん』もちろん自家製
去年末富さんで体験きんとん作りで習ってきたので少しはうまくできたかな
 

桜始開(さくらはじめてひらく)頃、自宅稽古で初『且座之式』

2019-03-26 22:32:15 | お稽古
「桜始開(さくらはじめてひらく)」先日の日曜日、初めて且座之式を。
稽古中に、近くの子供園の桜の木一輪だけ花が咲いていたと聞き及び、
夕方に見にゆくと、本当に染井吉野桜に一輪だけ!。


お稽古場ですが、八畳、六畳と続き間なのですが、床は六畳にあります。
炉はというと、六畳本勝手として切ってありますので
 

花月を行う際には襖を外して茣蓙を引いて、八畳本勝手に作り替えます。


且座は、次客が花を入れ、三客が炭を置き、正客が香を焚き、
東が皆様に濃茶を練り、半東が濃茶をいただいていない東に薄茶を点てる・・・
となるので準備が大変です。

朝から掃除、花を摘み、花台、炭、香盆を用意しながら
天気も良いしワクワクする気持ちを抑えて準備に支障はないかしらと
お茶、お菓子は、お彼岸最後の日でしたので『牡丹餅』に

火を熾し湯を沸かし、釜をかけて着物を着だすとピンポン!いらっしゃいました。
いらっしゃった人から準備をして四人集まったところで札を引いておきましょうと・・
そこへ五人目が丁度いいいいらいところにいらっしゃって始まりました。
メンバ-五人は初めての且座。
10時過ぎから始まり終わってみるとお昼前でした。

それぞれ自分の役目を終える事ができ、爽やかな達成感???
感じていただけましたでしょうか?
楽しかった、花月より好きと言う方もいらっしゃって
今度は、風炉でしましょうね。

そうそう、奈良の二番桜ともいわれる「三春の瀧桜」のある大和文華館
26日の今朝は3分咲きということでお邪魔しました。
お昼を過ぎ、春爛漫の一歩手前、4分咲きで、見頃はこの週末になりそう。




お出かけ頂ければ、特別企画展「富岡鉄斎―文人として生きる」が開催中
吉野の桜が描かれている「華之世界図」 大正3年(1914)も・・・
そして、花の吉野は来月10日頃から中の千本が見頃に?。

菜虫化蝶(なむしちょうとなる)頃、釣り釜で

2019-03-23 17:37:47 | お稽古

菜虫化蝶(なむしちょうとなる)』頃といえば
青虫が紋白蝶になる頃、奈良では菜の花がもうすでに咲いており、
蝶々の気配はありません。
お水取りも終わったというのに寒い日、暖かい日
天気がころころ変わり落ち着きませんね。

先日の17日、やっと五徳を上げて釣り釜でのお稽古を
  

静かに揺れる釜が何とも言えない春の風情を醸し出します。


釜は、細くて長めのものということで雲龍釜を使っていたのですが、
ゆらゆら揺れる上に掻立釻の扱いが大変と・・・不評!

去年から色紙釜(筒釜)を使い、
炉の真上に打たれた蛭釘を使って鎖で釜を釣ります。

この蛭釘は裏千家では鉤先を下座の方に向かって打つのですが、
流派によって異なるそうです。

今日のお菓子は、恒例の『椿餅』、
糯米2に対し黒米1の割合、多いかなって思ったのですが・・・
良い色に仕上がり、ことのほか好評で、嬉しくなりました。


「釣釜」は、炭手前だけがちょっと変わり、
大鐶を釜にかけ、弦にかけて下げるので、
炭斗に鐶は組み入れる必要はありません。

手前は通常の炭手前と同様ですが、
鎖が邪魔にならないように小上げ、大上げがあり
そして戻すために大下げ、小下げが。

又、弦と鐶は、離れているので右手で右の弦と鐶を一緒に持ち
左手の方は、弦の上の方を持ち、揺れる鎖の鉤から静かにはずす時、
緊張の一瞬になりますね。

「四ヶ伝」のお稽古は「台天目」に

2019-03-16 17:11:57 | お稽古
15日の朝、東大寺二月堂「修二会」お水取りも終わり
奈良にも暖かな春風が吹くはずが・・・寒の戻りか寒気の南下で
吹く風も冷たく、時雨模様の一日になりました。
玄関の糊こぼしも片付けなくっては・・・
もう少しだけお雛様と一緒に
  

先日自宅稽古のおり「釣り釜」をしようと鎖を懸けたのですが、
すっかり五徳を外すのを失念し、笑うしかなく、失礼しました。
弥生初め大炉を仕舞って、安心してしまい・・・・・、
今朝から久しぶりに何もない一日、五徳を片付け、灰をきれいにして釣り釜を・・・


さて、三月「四ヶ伝」のお稽古は、『台天目』でした。
 

これは、台付天目茶碗(唐物)のお点前になります。
『唐物』、『盆点』は茶入れが唐物のお点前でしたが、
今回は、茶入れは和物でお茶碗が唐物になります
新しい所作は、天目茶碗、台の扱い、清め方などですが、
唐物、盆点とお稽古してきたからでしょうか、
お二人共お点前は、意外にスム-ズに進みましたね。
段々と身についてきているという事なのですね。

付記)新版・茶道大辞典(淡交社)では歴史的背景が・・・
”台にのせた天目茶碗。主としてその点前をいう。
 もともと、禅院茶礼や貴人喫茶は台天目で行われた。
 初期の茶湯でもよく使われたが、珠光以来の茶碗の使用が
 主流となって茶湯が発達した。江戸時代初期、書院台子茶湯が
 流行し、そのため台天目の茶法が『草人木』などに詳しく
 説かれている。三千家などでは相伝科目の一つとなっている、”と

『草人木(そうじんぼく)』新版・茶道大辞典(淡交社)
”茶技茶法書。三巻。寛永三年(1626)刊。茶道の最初の刊行であり、
 茶湯入門独習のためのものである。上巻と中巻は古田織部の茶法書と
 いうに近く、下巻は種々の台子飾りを載せる。・・・中略・・・
 書名の草人木は茶の文字を分解したものである。・・・後略

『且座之式』をしますよ

2019-03-10 20:06:39 | お稽古
今朝は―0.3℃と冷え込むも、春の陽の光の強さで暖かくなり16℃まで上昇、
この暖かさにつられて、久しぶりにやって来た末孫?を連れてお散歩。
保育園の「カンザキアヤメ」等の樹木の下でうごめくモノが。
 

見つけたのは3歳の孫、『カナヘビ』で、お互いにらめっこ状態で微笑ましい。
写真を撮ろうとすると・・・危険を感じたのかどこかへ。
 大人は参加できない。子供の心が必要なのですね。


今日9日までは初候 蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)
カナヘビさんに出会い、間に合いました。
そして近所の桃の木もつぼみが膨らみもう咲きそうで・・・
明日10日からの次候 桃始笑(ももはじめてわらう)に。

さて72候の2週間先、春分、初候『雀始巣(すずめはじめてすくう)』3月24日からに
この日は、自宅のお稽古場で『且座之式』をします。
そこで、皆さんにも少々知識を持っていただきたいと思います。
2016年にも「且座(しゃざ)之式」に付け加える形で書いてみました。

且座之式』とは簡単に言いますと
 八畳で行い、正客、次客、三客、東、半東の五人を決めます。
 次客が花を入れ、三客が炭を置き、正客が香を焚き、
 東が4人に濃茶を、半東が東に薄茶を点てます。

且座之式「且座」は、臨済禄の「且座喫茶」からとられたもので
七事式中で唯一、式の名称に禅語が引用されています。
無学宗衍和尚がこの式に『是法住法位(これほうは ほういにじゅうす)』
と偈頌をつけられているように主客それぞれ役割を決め替わる事はありません。
各々が定められた本分を果たすことで、他人の領域に立ち入らず、
自分のおかれた役職を天職と心得て全うせよという示唆が含まれております。

大和文華館「富岡鉄斎―文人として生きる」展を

2019-03-04 16:12:47 | 大和文華館
弥生を迎え雨が良く降りますが、東大寺二月堂修二会(お水取り)も本行に
入り、練行衆の足元を照らすためのお松明がお堂に上っていますね。
TVより

日々忙しく過ごしている中、暖冬で梅も盛りを過ぎた雨の「大和文華館」へ伺うと、


特別企画展「富岡鉄斎―文人として生きる」4月7日まで開催中


富岡鉄斎(1836〜1924)は、京都に生まれた日本画家、本人は儒教学者と。
「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した
作品は、壮大なスケールと存在感を放ち、
国学・儒学を修め、幕末には勤王家としても国事に奔走した。(コトバンクより)

愛媛・三津浜の近藤家旧蔵品140点等の大和文華館蔵、清荒神清澄寺鉄斎美術館蔵、
奈良市資料保存館蔵や個人蔵等を含む49点で三部構成になります。

本館を入ると、正面に三点が
左:36閻魔図、1907年 72歳 紙本墨図
  田能村直入へのブラックジョークで描かれている。

中:35富士山山頂図、1920年 85歳 紙本墨図
  京都の虎屋さんに書かれたもので、不二の金明水で墨をすり描かれた

右:46鮮魚図、1915年・80歳 紙本墨図淡彩

第1章 文人として生きる
1-1.古人を懐う
1「蘇東坡像」 1918年 83歳 清荒神清澄寺鉄斎美術館蔵 前期のみ
  別名は蘇軾(そしょく)で誕生日が同じ、偉大な人間として尊敬する先人


3「神武天皇像」制作年不詳、奈良には石上神宮の神官をされていた
  青い勾玉を胸に、尊敬されていた

1-2.万巻の書を読む 、
 京都の自宅の扁額に「不読五千巻書者。無得入此室
 ”五千巻の書を読まずして、この室に入るべからず”と

12「大雅筆山水図屏風縮図」 江戸時代 大和文華館蔵

1-3.万里の路を行く(小特集:鉄斎と奈良)


13攀嶽(はんがく)全景図 1889年 大和文華館蔵  

16「月ヶ瀬図巻」 明治時代 50歳代か 奈良市史料保存館蔵
一部


                 2018.3.15月ヶ瀬にて

17「名士観梅図」1916年 81歳 奈良市史料保存館蔵【前期のみ】
文人の宴、酒が足りずに持ってくる人も
名士観梅図

19華之世界図 1914年 79歳 清荒神清澄寺 鉄斎美術館蔵
 お寺等が多く描かれており、南朝に対する哀惜か

第2章 山水を描く
寒月照梅華図・梅華満開夜図 1911年 76歳 大和文華館蔵
一対として描かれており、月の寒々とした冷たさと春になり梅の花の暖かさが
寒月照梅華図 梅華満開夜図

29「山荘風雨図」1920年 85歳 大和文華館蔵
  外は嵐なのに、気にせず堂々としている文人が

第3章 朋友と集う
32「扇面新居雅会図」 1919年84歳 個人蔵 初公開だとか
  鼻と目の位置が、ユーモラス
扇面新居雅会図

34「無量寿仏堂印譜」1926年 個人蔵
37「車海老図」1885年 50歳 
車海老図

45「寿老図」1914年79歳 大和文華館蔵
 墨の濃淡や線の太さで描かれており、鬚の描き方がすばらしい
寿老図

3月下旬頃には、枝垂桜の瀧桜が満開になる頃に、無料観覧日があります。