気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

簀戸に入れ替えを

2021-06-02 15:39:50 | しつらえ
六月・水無月には、やることというと
「障子」から「簀戸(すど)」への入れ替え
前日の稽古が終わり、夕方慌てて二階から簀戸を運び込み
障子と入れ替え、障子は二階へ納めていた

梅雨の中休みですが、稽古場は一気に薄暗くなる
   

昨日6月朔日の奈良は、午後3時半頃30.5℃まで上昇し
シーズン最初の真夏日となった
開け放たれた窓からの風、まだ慣れない熱気を運ぶ
簀戸を通れば、幾分か和らいだように

花は山紫陽花3種、ホタルブクロと縞葦
   

梅雨本番になれば、もっと暗くなるでしょうが・・・ 
9月末までの4か月間、夏の間の風情を楽しんでください

18’長月中旬から今日までの玄関のしつらえ

2018-10-08 19:26:09 | しつらえ
今日から二十四節気の第17「寒露」、晩夏から初秋にかけて
野草に宿る冷たい露のことでなのですが、朝から良いお天気、
祝日の「体育の日」を迎えました。

でも朝から薬師寺で天武忌のご奉仕に伺っておりました。

帰ってTVから今春訪れた「名古屋ボストン美術館」が今日8日で
閉館となるため、朝から大勢の方々が訪れられている映像が。
場所的には良いのに、残念なこと。

長月中旬からの玄関のしつらえも、今日までになりました。
この春に名古屋の美術館巡りをしたことが思いだされます。
10/6  
       平安時代12世紀 徳川美術館

色紙は徳川美術館で求めており、
源氏物語絵巻四十三の内「宿木三絵」部分になります。

秋の夕暮れ、久方ぶりに身重の中君のもとを訪れた匂君は、
中君の心を粉らわせようと端近に座し琵琶を弾き聞かせます。
『秋果つる野辺の毛色も篠薄 ほのめく風はつけてこそみれ』
            続きがあり『わが身一つの』
訳「秋の終わりは 野辺の景色の篠薄に吹く 仄かな風によって
        知られます。自分一人の秋ではありませんが」
中君が離れていく二人の心を歌に詠む場面ですね。


    三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺より

なお今年も虫籠には、孫の作の蟷螂
有馬籠」さんの竹細工の鈴虫が仲良く、鳴くのかも。

玄関はもう秋の装いに

2018-08-29 19:46:48 | しつらえ
昨日、まだまだ残暑が厳しい昼過ぎからの自宅稽古は葉月最後、
玄関のしつらえを、足元まで来ている秋に先んじて・・・。
実は秋を運ぶ秋雨前線がこの週末南下してくれそうで、少しは。

3年ぶりに色紙は飯田蛇笏の句
高波に かくるる秋の つばめかな
            深田 妙書


ツバメは4月下旬頃から日本に飛来、二回子育てをして、
ご近所宅5/15 6/19

イメージとしては10月頃の秋になれば越冬のために南へ戻ると。
でも最近あまり飛ぶ姿を見なくなりましたね。
実は、7月後半から10月にかけて親鳥から先に南へ帰るらしい。

花は木槿に、「」を


一番暑い時間帯、玄関も暑いですが秋の気配を感じて頂けたかな。

簀戸の季節到来

2018-06-02 15:11:50 | しつらえ
今朝も朝から晴れ渡り、気分よく自宅稽古の準備に。

外回りからそして風炉の準備、掃除機をかけ終わると
 

庭から三種類の山紫陽花と縞葦を活け、

確認のため遠目から眺めて、ふと思い出したことは、今年も
障子から『簀戸(すど)・葭戸(よしど)』に入れ替えることで、
慌てて障子を外し、相方の手も借りて一枚づつ二階へ持って上り、
代わりに簀戸を一枚づつ降ろして、嵌(は)めれば出来上がり。
年々中仕事から大仕事になってきたよう、よいしょと。
古びたる葭戸取り出し嵌めにけり
            日野草城
古い簀戸ですので、葭を押さえていた糸が一部で外れており、
直さなくてはなりません。
漏れる光量が少なくなりますが、九月まで楽しみましょう。
簀戸はめて柱も細き思ひかな
          高浜虚子


更好棚も、もってこなくては。
 

月末には稽古茶事の予定ですから、熱を帯びたお稽古、
簀戸での稽古はかなり暗いですが、簀戸を通す空気の流れを
感じれますか?。
外は25℃と蒸し暑い空気が・・・清々しい風へと
この先人の知恵に感心します。
真夏になればより効果的ですね。

床に「清座一味友」で

2018-05-29 17:28:50 | しつらえ
今日も曇り空で、憂鬱ですが、五時前のNHKラジオから流れた
誕生日の花はラン科の『セッコク・石斛』、
花言葉は、「あなたは私を元気づける
日本に自生し、薬用にされ少彦薬根(すくなひこなのくすね)と
いう古名は記紀神話の医療神「少彦名命」に因むとされる。

今年は四鉢に花を頂き、お稽古場から窓越しでみられ、
元気を頂いてください。

昨日も元気を頂いたことは、
代稽古は大先生、それも割り稽古、初心に還れました。
世阿弥さんが50歳半ばに書かれた「花鏡」からの言葉
初心忘るべからず』の大事さを思いおこされ、
その余韻に浸りながら帰宅し、午後二時からの自宅稽古は、
社中ではじめて、四ケ伝(唐物)をお稽古、
嬉しさいっぱいで、準備に取り掛かり、

掛けた軸は大きく横書き「清坐」と横に「一味友」

清坐一味友』せいざいちみのとも 出典不詳
”小さな茶室に数人の親しい仲間が集まり、一つの釜の茶を
 点じて、ともに味わう時の心も一つになった清々しさをいう”
          有馬頼底監修 茶席の禅語大辞典より

花はホタルブクロ、縞葦にヤマアジサイを
  

季節無しの禅語のもと、初めての四ケ伝は、
やはり時間がかかりましたが・・・、  
慌てず、地道に一緒に精進しましょう。

カシワデアジサイと秀忠の和歌色紙を玄関に

2018-05-28 17:18:08 | しつらえ
九州北部、四国地方も梅雨入り、曇った近畿地方は雨雲でなく
まだ、平年の梅雨入りは6月3日、雨が降れば関東まで一気に。

奈良の空も一面雲に覆われたなか、お稽古に伺いますと、
 
急用のため大先生が代稽古をしてくださることに。
それも割り稽古、歩き方から帛紗さばきなど、有難いこと
初心に還れ、そして炭付花月が終わると、お昼の休憩に・・・
もっと教えて頂きたかったのですが昼過ぎから自宅稽古のため
そっと座を外させて頂きました。

もう梅雨入り前ですので、昨日の自宅稽古を終えると、床から
応神天皇さんの皐月人形、玄関の兜などを”ご苦労様、来年も”
と問いかけながら丁寧に仕舞いました。

玄関の水無月のしつらえは、
 

色紙は「和歌色紙」徳川家康・秀忠・家光筆 徳川美術館蔵
から秀忠(1578-1632年)色紙、江戸時代17世紀
人間味のある個性的な心情にあふれた書で、
秀忠色紙
「新古今和歌集」巻十九・神紙に所収する藤原俊成の一首で
金銀泥で雲霞と草花を描いた緑具引紙の色紙に散らし書きを
神風や ③たち 
   いすゝの はし
いく 河の め
  千世 宮 けん
   すめ はし
    と   ら
 
「台徳院殿御実紀」に「今も御文庫に伝えし王義之が聖教序は、
常に御臨本なされし御品なり」と平素から習字に勤しんでおられ
熟達した筆蹟には洗練された感性がうかがわれます。

花は満開のホタルブクロ以外に頂いた『カシワデアジサイ』を
  
『カシワバアジサイ』の特徴は名前の如くカシワに似た形の
5~7つに深く裂けた葉と円錐形の花房で、北アメリカ東部原産、 
日当たりが良すぎると葉焼けを起こすそうで、一部が褐色に。
でも秋になると紅葉し二度楽しめると。

床の唐招提寺の宝扇も玄関に飾らせていただきました。


玄関は華やかな樫葉紫陽花に、緑具引紙の和歌がお待ちかね。

うちわまきの唐招提寺宝扇を掛けて

2018-05-20 17:50:01 | しつらえ
五月(ごがつ)晴れの清々しい朝、庭に出て咲いている花々、
カラー、アルストロメリア、萩、長生蘭、ムラサキツユクサ
大山蓮華、黒蠟梅、ドクダミ、雪ノ下、ヤマアジサイ2種から
選んだのは・・・
玄関の母の日の花が弱り、土の鉢には光をあてに外へと、
もう一鉢、弱った花を除きアルストロメリアを庭からと交換し、
新たに山紫陽花等を追加しました。
⇒⇒ 

床の花は、朝咲きだした三輪目の大山蓮華と
袋を開いた初めてのホタルブクロ、あっという間に大きく開き、
お稽古場に香りに包まれました。本当は蕾が良いのですが・・・
 
 ⇓   ⇓   ⇓  
 

軸の代わりは、昨日奈良『唐招提寺』の「うちわまき」の行事、
国宝の「鼓楼」に僧侶があがり、鐘の音を合図に1500本の
『唐招提寺宝扇』うち500本が撒かれ、残りは安全のため
整理券が配られ、お坊様から手渡しに。
NHKより
そのうちの一本『唐招提寺宝扇』を有難いことに頂けました。
この「うちは」は、竹の柄にハート形の和紙がついたもの。
皆様にも魔除け等のご利益がありますようにと、掛け釘に。


「うちはまき」の行事の謂れは、鎌倉時代の唐招提寺中興の祖・
大悲菩薩覚盛(かくじょう)上人が修業中、蚊に刺され、叩こうと
した弟子に「自分の血を与えるのも菩薩行である」さらに続けて
「うちわで追い払うよう」と戒められた故事から、その清廉な
徳をたたえ「せめて団扇で蚊を払って差し上げよう」と、上人が
亡くなられた時に法華寺の尼僧がハート型うちわを供えたこと
からで、毎年5月19日の命日に中興忌梵網会の後に行われます。
                        
今日の自宅稽古、朝は略盆、昼からは風炉、初炭からに・・・
朝⇒昼 

これからうちわの『唐招提寺宝扇』が皆様を・・・。

大山蓮華の蕾で

2018-05-12 13:07:38 | しつらえ
五月晴れの気持ちの良い朝を迎えました。

「五月(さつき)晴れ」とは、気象庁の予報用語では、”5月の晴天。
 備考として、本来は旧暦の5月(さつき)からきたことばで、
 梅雨の合間の晴れのことを指していた。”と
ところが「五月雨(さみだれ)」は”梅雨期の雨のこと”や
「五月闇(さつきやみ)」”梅雨のころの夜の暗さなどを表す”
 通俗的な用語のため予報、解説には用いない。”と
このあたりは、官僚的、お上様ですが、五月晴れは世間に抵抗
できなかったよう、広辞苑7版の改訂作業のありようを聞き
及びますと、言葉はこのように変化するのでしょうね。

今日は自宅稽古で、嬉しいことに『大山蓮華(オオヤマレンゲ)』を
今年も活けることが出来ました。
昨年相方が買った大山蓮華、狭い庭に植えたものですから、
定着してくれるか心配でしたが、冬を耐え新芽が出たかと思うと
蕾を数個付けてくれました。でも昨年に比し少し小さい目の蕾、
根の張りが悪いのでしょうか?
4/30 5/8

今朝、つぼみで稽古場にデビューした『オオヤマレンゲ』
縞葦と真っ白な蕾の大山蓮華、いかがでしょう。
「尼頭巾被るが如き山蓮華」 愚句
  
この蕾、月・火曜日と自宅稽古があり、
先の火曜日まで持ってくれれば有難いのですが・・・。
『明日ひらく大山蓮華のけはひかな』
             林裕子

朝から稽古に見えられたのは、始められて3か月目、
この蕾をみられて”咲くとどのような花になるのですか”と
「ブログに出ている花ですよ」
写真を撮った相方によると
”6月下旬ごろから7月中になると大峰山系弥山と八経ヶ岳の
鞍部、1800mの自生地に咲きだすよ“
YouTubeで日に一回はイメージトレーニングをされているそうです。
毎日お茶の事を考えてくださって嬉しい事です。

午後は、風炉の初炭から始める予定で、準備は完了。

皐月の玄関、色紙は憔悴した徳川家康様を

2018-05-01 14:50:02 | しつらえ
今日から皐月、玄関のしつらえを変えました。

今年も奈良一刀彫・荒木義人さんの「兜」
先生の作品の中では一番小さな兜ですが、お気に入り。


色紙は・・・
先日訪れた徳川美術館で求めた『徳川家康三方ヶ原戦役画像』
                 桃山時代、16世紀
”家康31歳1572年12月、武田信玄との三方ヶ原での敗戦を
 肝に銘じるため後年憔悴しきった姿を描かせ、慢心の自戒と
 して生涯手離さなかったと伝えられる。”と

五人の男の孫に、話をして皐月の節句を祝ってあげましょう。

もう一つは・・・
徳川美術館のそばの徳川園には「イチハツ」が咲いており、
思い出した可哀相な陶器の菖蒲香合、皐月になると風炉で香合
も木地や塗物等になり焼き物は使えませんので、玄関に。
邪気を祓ってもらいましょう。


イチハツ』は一初・逸初とも書き、中国原産でアヤメ類の中
で一番早く咲き出し、一初草から一初となったらしいですが、
シャガやジャーマンアイリスの方が早いのでは?・・・
”茎先に花径10センチくらいの藤紫色の小振な花をつけ、
 外側の大きい花びら(外花被)には、つけ根の部分から真ん中
 にかけて、鶏の鶏冠のような白い襞が区別するポイントとで
 乾燥に強く、花言葉は「知恵」と”(みんなの花図鑑より)
   

イチハツは和風なら、我が家に咲く「ジャーマンアイリス」は
大振りで彩も西洋的ですね。


「弄花香満衣」の軸を

2018-04-16 16:47:52 | しつらえ
新年度になり息子三家族は何かと忙しく、ゴールデンウィーク
まで我が家に揃うことが出来ず、反対に近くに住む長男家での
長男誕生会に昨晩はお招きをうけ、ケーキの材料を持ち伺うと、
四年生になった孫娘がパパの39歳を祝い、生クリームを泡立て
苺、焼きリンゴを、ところが”何か色気がない”と言いだし、
さては何のこと、彩が足りないらしく、変なボキャブラリーに
大人は大笑い。どこで覚えたのでしょうか?
苺は一部をかわいいハート形に切り、キウイフルーツと
グラノーラも加えてトッピングして完成です。

本当に美味しかったのですが・・・、
造り方を口も出さず、手は少しだけで見守っておりますと
生クリーム、手際よく泡立てており楽しかったのか泡立て過ぎ
堅くなったのを上手く隠すように生クリームを塗るも・・・
パパにも見られてもめげず、続けるようになりました。
また苺を手で細かく千切ったりする大胆さでその手際の早さに、
兄が見てあきれかえるほどで、気を付けないと「zatu」と。
これから成長の階段を一つ一つ登って下さいね。
一つ言うなれば『大胆にして細心であれ

お点前にも通じる言葉になりませんか。

そして昨日の自宅稽古は雨をおしてお出でに、前日同様、
向切での稽古になり、い草の上敷きを一畳分から三畳分に
敷き増しすると縁の分が入りぴったりに
そして三人様で、続き薄茶のお稽古を。

雨で暗くなり、軸は夜桜が描かれた『弄花香満衣』、
        大徳寺派 極楽寺 西垣大道師筆

充実・茶掛けの禅語辞典(淡交社)によれば、*一部抜粋改変
”全唐詩『掬水月在手 弄花香満衣』に拠り、『虚堂録』にも
 唐の詩人干良史(うりょうし)の『春山夜月』の詩より
 春の夜の優雅さを詠まれています。
 「水を掬(きく)すれば月手(つきて)に在り、
       花を弄(ろう)すれば香衣(かえ)に満つ」
 (水を両手ですくえばその手の中に月が入り
      野の花を手にとればその香りが衣服全体に移る)
 対立の観念を捨て去ったところに生まれる、
 主客一体、自他不二、物我一如の境地を表す。”と

弄(もてあそ)んでいる自分と花とが一つになって体いっぱいに
芳香を放つということから、真理が満ちているという意味になり
それから悪所に入れば悪に染まるが、善き師や善き友と交われば
善い影響を受けるという意味にも解され、さらには 
精進努力を積み重ねれば、自ずからその妙を会得する

良い言葉で、日々精進あるのみですね。