気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

五人揃い「平花月の式」を

2018-07-30 17:18:10 | お稽古
いつもと違う方角からやって来た台風12号、
いつやってくるのか、何処を通っていくのかと気を揉むと、
未明には奈良直撃コースとなり、少々の傷後を残したよう。
その後台風12号は西進し、瀬戸内沿いから北九州、そして・・・

昨日の奈良は台風一過の晴天とはなりませんでしたが、
春日奥山の上、青空が顔を。


朝からのお稽古には、支障なく皆さん出席して下さいました。
何度か中止となった『花月の式』やっとできたわけです。
実は去年の9月に稽古して以来人数が集まらなく、久方ぶり。

準備は一日前から、真ん中の襖を外し、上敷きを敷き、

菓子は、観世水を用意しておりました。
 

当日、台風通過のため玄関前の掃除、小庭の掃除と
落葉だけでも大変なのに、塵穴まで水が入っており、
びっくり。いつもと違う風向き、東北からの風雨だから?
なんとか、時間までには、しつらえまで終えるとお出でに。
  

お稽古では皆さん”自身がない”といいながらも
1回目、時間はかかりましたが、やってみればできるもの。
2回目は「互換機鋒看仔細」で集中してできたせいか
15分短縮することができて、成長はみられたように。

将来的には、月1回できたらと私は思うのですが・・・、
まずは、2~3ヶ月に1回はできれば、お声掛けしますので
この指とまれ。

暑気払いに長板総荘り

2018-07-28 14:32:05 | お稽古

この火曜日、昼過ぎからのお稽古の予定があるために、
朝一番「大和文華館」に伺っております。
日本漆工展』は、憧れの原羊遊斎の作品の特別展示に、
出会え最高‼

茶入れ『竹製蒔絵椿柳文茶入(酒井抱一下絵)』


炉縁『菊桐文炉縁』


菓子器『螺鈿蒔絵梅文合子(光琳、乾山合作、原羊遊斎模造)』

本当によかったです。

帰宅し、その日のお稽古は、とろける様な暑さに・・・
対抗して長板を出し、総荘りとしました。
蓋置は『火舎』、薄器は『雪月花』。


床には、一段と背筋が伸びるよう、気を入れてできますよう
にとの願いを込めて軸は『竹』としました。


花は、庭から宗旦木槿、花ミョウガ、縞葦と萩を生けての稽古


長板は、いいですね。きりっと集中できて・・・・・・?
とてもよい暑中稽古になりました。

大和文華館の漆工芸・特別出陳:酒井抱一下絵・原羊遊斎作蒔絵作品も

2018-07-26 18:57:37 | 大和文華館
酷暑日が続く毎日、台風12号の動き次第では暑さも和らぐかも。
 
7月6日から8月19日まで、奈良・大和文華館では特別企画展として
大和文華館の日本漆工展、酒井抱一下絵‣原羊遊斎作 蒔絵作品も

HPによると
漆工芸は、漆の樹液を精製して器物に塗り、装飾を施すもの。
漆の樹は主にアジアで育つため漆工芸はアジア独特の工芸として
知られており、日本でも古くから漆工芸が発展し、祭器から日常
品まで多くの作品が生み出されました。

漆は、他の塗料にはない艶やかな輝きが大きな魅力ですが、
貝や金属の薄片を模様の形に切って貼る螺鈿や金貝など、様々な
装飾が工夫されました。特に日本では、漆の上に金や銀の粉を
蒔いて模様をあらわす蒔絵の技法が発展します。

工芸品には作者の署名がないことが多く、漆工芸に携わる人々も
そのほとんどが、歴史に名を残していません。しかし、
経済活動が盛んになる江戸時代に入り、代表的な蒔絵師の名前が
知られるようになります。その一人が江戸時代後期に活躍した
原羊遊斎です。羊遊斎の大きな特色は、伝統的な作品に学ぶと
共に、同時代の人気絵師であった酒井抱一の下絵を積極的に用い
流行に応える繊細華麗な作品の数々を生み出した点にあります。
本展観では、館蔵品より奈良時代から江戸時代にいたるまでの
漆工芸の多彩な展開を紹介するとともに、特別出陳の原羊遊斎
作品よりその洗練された世界をお楽しみいただけ・・・。

出陳品は83件で、重要文化財3件、重要美術品1件を含みます。

左側「79春草蒔絵螺鈿印籠」金地に高蒔絵や螺鈿で菫‣蕨‣土筆を
  四季花鳥図巻等で抱一が好んだ組み合わせ、抱一の名はない
「80.紅葉蒔絵印籠」黒漆地に金銀蒔絵で木枯らしの紅葉を 
   どちらも原羊遊斎作 江戸時代後期 大阪市立美術館蔵
 

中央「78.枕形硯箱」酒井抱一下絵・原羊遊斎作 1820年 個人蔵
表は悪夢を食べる獏(バク)、裏面に難転に通じる「南天」が蒔絵で


右側60「沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒」伝本阿弥光悦作 江戸前期
光悦の指導の斬新な器形、大胆な意匠、多彩な装飾を「光悦蒔絵」と
呼び、木地に金粉を敷き詰め、高蒔絵、青貝、金貝で23頭の鹿を描く


さあはじめから見てみましょう。
【日本漆工の展開】
2.黒漆八足机(重要美術品)
黒漆八足机

8.根来塗天目台
9.根来塗茶入
10.根来塗茶杓
20.秀衡塗片口
21.津軽塗鉢
22.鎌倉彫屈輪香合
24.「鎌倉彫牡丹文大香合」室町時代
鎌倉彫牡丹文大香合

32.堆黒蟹文香合
34.象牙象嵌梅文八角香合
36.「銅板地螺鈿花鳥文説相箱」 平安時代 重要文化財
銅板地螺鈿花鳥文説相箱

41.「青貝蒔絵草花文洋櫃」 桃山時代


45.「金貝蒔絵鳳凰唐草文鏡巣」 鎌倉時代


51.蒔絵歌絵鏡巣 室町時代


54.「蒔絵籬菊文机」 室町時代 重要文化財
 

61.蒔絵うんすんかるた文香合
63.蒔絵枝垂桜文棗 嵯峨棗 江戸時代
73.蒔絵阿亀文枕形根付 松翠作 江戸時代
74.黒漆墨形根付 柴田是真作 江戸時代

【特別出陳:酒井抱一下絵・原羊遊斎作蒔絵作品】
76.竹製蒔絵椿柳文茶入 酒井抱一下絵・原羊遊斎作 江戸時代後期
 

77.「草花蒔絵五つ組杯」酒井抱一下絵・原羊遊斎作 江戸後期
                   大阪市立美術館蔵
 大きい順に、菊、稲、梶、菖蒲と蓬、桃の文様で、陰影や
 グラデーションで抱一の繊細な描写を見事に反映されている。


81.「蒔絵秋草文刀」原羊遊斎作 江戸時代後期 個人蔵
鞘部分は金銀の蒔絵で萩と撫子、柄部に鈴虫と蝶、江戸琳派の好み


82.蒔絵菊桐文炉縁 原羊遊斎作 江戸時代後期 個人蔵
 黒漆地に金蒔絵と絵梨子地で菊と桐文を表した炉縁で
 高台寺蒔絵に多く見ることから意識し、それ以上の繊細さが
 菊の十六枚の花弁も3枚、3枚、2枚の形8枚と規則性をもつ 


83.螺鈿蒔絵梅文合子 尾形光琳・乾山合作 原羊遊斎模造
                江戸時代後期
 黒漆塗の合子に梅を密に配し梅の花や蕾は螺鈿、枝は金平蒔絵


素晴らしさに言葉が出ません。
梅苑に下る谷間には、ヤマユリの香りが満ち癒してくれますよ。
 

観世水は黒豆とラズベリ-の赤

2018-07-24 08:17:30 | 主菓子とお干菓子

今週のお菓子は『錦玉かん』、でも
フランボワーズもしましたし・・・
今回は『丹波黒しぼり豆とラズベリー』を入れて
観世水の型に流して、冷蔵庫で冷やし、ひっくり返すと


食せば、ラズベリ-の酸味と黒豆のコクのある甘さが・・・
つるっとした錦玉かんに包まれて
夏に心地よい観世水になるはず。


干菓子は、うちわの干菓子盆で涼んでいただきましょう。
お稽古にお見えの皆様に喜んでいただけるでしょうか?

大暑は釣瓶の水指(立礼)

2018-07-23 17:05:56 | お稽古

日本列島記録的な猛暑が続いておりますね。
この猛暑の中、元気にお稽古に来て下さる事が
私にとって一番の幸せになります。

   
 
今日は、立礼でのお稽古、
立礼のお点前は、ついついマンネリ化になりがち、
そこで、色々挑戦をしていますが・・・・?さて
  
今日は、釣瓶の水指を置き、
蓋置は、火舎を使ってみました。
前回は、ガラスの水指、
蓋を立てるのに大変苦労されたからでしょうか、
釣瓶の水指の蓋は、スライドさせ、隣の蓋の上に重ねます。
立てる必要がなく、「ストレスがなくっていいですね」
という感想をいただきました。

祇園さん宵山は『行者餅』

2018-07-22 22:16:24 | 主菓子とお干菓子

先日のお稽古で先生が皆さんの無病息災を祈って
『行者餅』を用意してくださいました。
初めての行者餅に感謝です。
京都は、奥が深いですね。知らない事がいっぱいです。
これは、家族にも食べてもらわなくてはと
家に持ち帰り、夫と半分づついただきました。


行者餅は餅を薄く焼いた生地に粉山椒を混ぜた白味噌を包んだ
もので、クレープ様の焼皮にトロッとした白味噌餡と、求肥が
コロッと入っており、ほのかに爽やかな味、山椒味がして夏の
お菓子として食欲を誘います。
なお現在「祇園祭」は前祭りと後祭りに別れて開催されており、
行者餅は、後祭りの役行者山には23日お供えされますが、
以前同様一般に販売されるのは前祭りの宵7月16日1日限定に。

「行者餅」のいわれは、
文化3年(1806年)の夏に京で疫病が流行し大混乱、そのおり、
奈良大峰山で修行中の柏屋4代目利兵衛が夢で『役行者』から
「行者姿に見立てた菓子を祇園祭の山鉾の『役行者山』に
 お供えして配れば疫病から免れる」
とのお告げを受けて造り、お供えされたの後、配られると、
疫病から免がれ、無病息災の霊菓とされた。

釣瓶の水指でお稽古

2018-07-16 14:40:27 | お稽古

週末は、実家の片付けに富山へ、日本海側は不安定な大気が残り
北陸道では少し雨に降られたが、富山に入ると上がりましたが
雲は低く、登ったことのある立山連峰は、顔を見せてくれません。

富山でも一週間前は避難勧告が出たところもあり、
昼過ぎには妹達と埃にまみれながらの家の片付けを。
「被災地の事を思えばたいしたことないよね。」
と話しながら目をつぶってどんどん捨てて・・・・
増えるゴミ袋の数々、ごめんなさい。

埃にまみれながらの三日間、疲れて家に帰り着いたら午後11時
深夜なのに、焼けた屋根からの熱気で室温32℃という暑さに
驚くともに、エアコンをかけるもなかなか室温が下がりません。
持ち帰った箪笥等で、部屋は散らかっており、
明日は朝からお稽古、片付けもしなくてはと、休むことに。

当日の朝の暑いこと、26度と熱帯夜で目が覚め、早々に片付けに
でも片付けも半ば、
急遽お稽古場を広間から4畳半へと換えてのお稽古に。
  

釣瓶の水指を使って濃茶点前をさせていただくと
茶杓の銘は?{あさがお}
朝顔につるべ取られてもらい水
”良いじゃないですか”と

お菓子は源吉兆庵の【金魚
爽やかなミントのゼリ-に
ブラッドオレンジの赤いゼリ-が金魚
お皿に移せばプルプル泳ぎます。
 

包みは広げれば折り紙です。


少しは涼んでいただけたでしょうか。



茶道サ-クルのお菓子は「わらびまんじゅう」

2018-07-12 07:18:47 | 主菓子とお干菓子
長雨が上がった朝、
空がこんなに青かったとは・・・


それだけで幸せな気分に
それもつかの間、気温がどんどん上がり真夏日に
今月の茶道サ-クルは暑~い昼下がりにありました。



お菓子は「わらびまんじゅう」にしました。
わらび餅は、作りおくと堅くなりますので・・・
当日午前中につくりましたよ。

プリンとした弾力のある喉越しがこしあんと
相混ざって美味しくできました。
若い方からお年を召した方まで絶賛でした。

後で、ワラビ粉の裏を見ると、
甘藷澱粉と書かれているではありませんか。
特にスーパーなどに置いてある日持ちする「わらび餅」、
馬鈴薯澱粉の「わらび粉」で作られております。

本ワラビ粉の製造量は非常に少なく、
本物のワラビ粉で作ると日持ちはしないそうです。
鑑別点として、色味が黒味や黄味を帯び、さらにお高い。
でも値段に見合う美味さになりますね。

ただ、馬鈴薯澱粉や甘藷澱粉が使われていても、
ワラビ粉として流通する、
日本の商品名は非常にややこしい限りだと思いませんか。

フランソワーズの観世水を

2018-07-10 21:20:02 | 主菓子とお干菓子
七夕の日、朝から死刑の執行のニュースに続き、大雨いえ豪雨で
夜の愉しみ、七夕の逢瀬は見えませんでしたね。
それにしても平成最大の豪雨災害となり、まだまだ全容が見えず、
ただただ驚くばかり、力は貸せませんが、募金はさせて下さいね。

でもちゃーんと、七夕のお菓子は作りましたよ。
糸巻の金団?それとも・・・
悩んだ結果、『観世水』にすることにしました。


夏は透明な錦玉かん つるんとした喉越しもいいですよね。
五色の糸をイメ-ジしたフランソワ-ズの錦玉を作りました。


寒天にグラニュー糖で錦玉液を作り
黄、緑、青、紫で四色の錦玉液を作り、それにラズベリ-の赤
糸を引くようにして五色の糸を
・・・・そんなに上手くいきませんでしたが、



”とっても綺麗で、ラズベリーの酸味と錦玉かんの甘さが絶妙”
と言っていただき、
「そう、よかったわ」といいながらも、こ踊りしたい私でした。

今回、いただく機会がなかった方も、まだまだチャンスはあります。
新暦に1ヵ月を足した暦である中暦の七夕8月7日と
旧暦の七夕、8月17日です。
特に旧暦の方が天の川が天高くかかり、
織姫と彦星は逢瀬を、十分に愉しめそうですね。

実は、太陽暦になって腑に落ちないと思っている私なのですが、
新暦、中暦、旧暦と何回も行事を楽しめる『日本が好き』。

席中の禁句は?

2018-07-08 17:01:16 | お稽古
先日のお稽古で伺った折に、耳にした歌
我仏、隣の宝、婿舅、天下の戦、人の良し悪し
席中で話題にしてはいけない事でしが・・・。

調べてみますと、「山上宗二記 付 茶話指月集 熊倉功夫校注」
      岩波文庫、青51-1 2006年に載っていました。
     

客人振りの事の段(p94)に 
【大方、一座建立にあり。条々蜜伝来れ多し。・・・
 一期に一度の参会の様に、亭主をしっして威づべきとなり。
 公事の儀、世間の雑談、悉く無用なり。夢庵狂歌にいう
 「我仏・・・・」この歌にて分別すべし。
 茶湯雑談、数寄に入りたる事は話すべし。】と続き・・・。

”茶席では、宗教、財産、家族の愚痴、政治、ゴシップなどを
 話題にしてはならない”という意味になります。

元は、室町時代の連歌師である牡丹花肖柏夢庵が、
連歌の席での訓戒としてつくられたものと考えられ、
山上宗二が茶席での客の心得として引用していたもの。

さて文中に「一期に一度の参会」とありますが、
一期一会」を茶の湯の理念として最初に記した一文になると。

又、「一座建立」という言葉にも、
世阿弥「風姿花伝」に
「この芸とは、衆人愛敬をもて、一座建立の寿福とせり」と

これより山上宗二は茶席も同様であるといっているのでは・・・

また、「衆人愛敬」は、西郷どんの「敬天愛人」につながるかも?

どんな人も先人の教えを学び、自分のものにしていったと考えられ
いくつになっても学ぶ事は大切なことだと改めて思わされた。

今日も「名水点て」のお稽古をいたしました。
去年もお稽古したにも関わらず、新鮮に思えるという感想を頂き、
”人は忘れるから学べる”ということもあるのですからね。