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宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

縮小コリメート法(その2)

2013-06-07 23:49:00 | 縮小コリメート法
縮小コリメート撮影を行うにあたり、像面がフラットで
あるに越したことはありません。
いくら合成Fが1.4以下になったとしても、良像範囲が狭すぎては
面白くありません。そのような理由から、既に10cmF6ニュートン
反射で実績を積み上げた自作フラットナー・レデューサを再確認
しておきたいと思います。

フラットナー・レデューサに使用するレンズはケンコーの
ACクローズアップNo,3 ProDigitalシリーズです。
ACはアクロマートの略でコバ黒塗り、デジタル時代の
コーティングを施したとあります。
焦点距離は330mmですが、気を付けないと合成焦点距離が短く
なりすぎてドローチューブを一番縮めても結像しなくなります。

これは25cmF5.6のニュートン反射に適用した例です。


製作記事はこの付近に置いてあります。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/239.html

今回はコレをRFT80屈折望遠鏡に付けてテストしました。
この鏡筒は8cmF5 , 400mmのアクロマートガイド鏡です。
まずは素の状態で撮影。
短焦点アクロマートなので周辺像が非常に甘い画像です。


次にフラットナー・レデューサ + LPS-P2 を入れた状態です。
X0.87倍のレデューサ効果で写野が広がり、四隅までフラット
に改善されたことが分かります。


合成F=4.36になっています。
これであれば、お気楽ノータッチトラッキング撮影で5分ぐらいは
問題なさそうです。ワンショットカラーの場合は青ハロが出ると
思いますが、NarrowBand撮影では関係なさそうです。
果たしてまともな星像の写真が撮れるのでしょうか?
楽しみではあります。
但し、球面収差は取れていません。(きっと星がデカイ)

さて、
縮小光学系の主力は、やはりC8です。
今日気付いたのですが、セレストロン純正の
F6.3 Reducer/Correctorを持っていました。
レデューサとコレクター機能があるのかなコレハ?
これを入れるとF10→F6.3になるのですから結構な物です。
早速入れてみました。C8の場合、F6.3レデューサの直後に
2inch天頂プリズムを配置し、ここに32mmプローセルアイ
ピースを付け、その見口にLX7を撮り付けています。


2インチ天頂プリズムを使ったことで、M48仕様のLPS-P2を
付けることができました。6月4日の撮影時にはこれが無く、
合成Fが明るいだけに光害の影響が顕著でした。

(その1)でも書きましたが、手持ちのアイピースで唯一使えた
SV32mmプローセルですが、C8との組合せではLX7の広角端
以外は使い物になりませんでした。特にシュミカセの結像面
は大きく湾曲しているので尚更です。
最近のEDGEシリーズなどは良いかもしれません。

少しでも像面がフラットになっていれば良像範囲が広がります。
そのような理由から縮小光学系の計算式の前に、
フラットナー・レデューサを取り上げてみました。(つづく)

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縮小コリメート法(その1)

2013-06-06 20:01:00 | 縮小コリメート法
6月3日~4日にかけて奥秩父の栃本に出かけたのは、
実は縮小コリメート法のテスト撮影を行うため
でした。しばらくはコレにハマってみようと思います。

まずはコレを御覧下さい。
20cmF10のセレストロンC8にプローセル32mmを付け、LX7で
縮小光学系を構成し、合成F=1.47として撮影したM51です。


ISO800の60sec露光で、ここまで写っちゃってインカ帝国!
赤道儀はタカハシ90Sで、もちろんノータッチトラッキングですよ。

LX7をちょっとズームし、
6.9mmF1.6にしてISO3200 , 30sec X5 composite してみたら・・・




う~ん、マンダム(俺は50歳になっちまったんだよ! 何か?)
合成F=2.15ですよ。203mm X 2.15 X 4.55 = 1986mm(35)って訳で、
1.7型のLX7で撮ると35mm版換算で1986mmもの長焦点ですが、

1カット30秒なんです!!

ノータッチトラッキングなんです。
素でも”星がスゲー写る”LX7は、超絶高性能な
LEICA DC VARIO-SUMMILUX(10群11枚(非球面9面5枚))
があってこそです。このF1.4レンズで縮小光学系を構成し、
20cmF10の暗いC8でポンポンこんな写真が撮れちゃうんです!

スゴイだろ~

次行くよ。

いつもの10cmF6ニュートン反射で撮ってみたら・・・


まいったなあ~、
これも30秒なんだよ。K-5Ⅱsで10min X 4 = 40min かけた作例と
比べてみて下さい。K-5Ⅱsは正当なるコンポジットと画像処理を
行っています。方やコチラはJPEG撮って出しを4枚コンポしただけ。
(光学系の相性と位置調整がシビアです。中心付近だけ見てね。)

縮小コリメート法は鏡筒、アイピース、コンデジレンズの相性が
あるようです。(当然だよねコレハ)
今回は手持ちの32mmプローセル型アイピースを使いましたが、
実は、30mm、25mm、2インチ30mmも事前に散々テストしてNG.
だったのです。唯一、この32mmだけが我慢できる星像でした。

手持ちの鏡筒とアイピースでまともな星像となるかは・・・
カット&トライしかありませんねえ~(^O^)/

以下にチョット駄目な作例を上げておきます。


撮影条件は同じはずだったのですが、何処かで手が滑ったか?
同じF値でも、チョットズームレバーに触れた程度で倍率が変化
してしまいます。(LX7は基本、コンデジですからね。)
それでこの星像の悪化具合。
この辺りは本当に難しいですね。
しっかりとした撮影データを固めておく必要がありそうです。

それから、
この最後のM8は125秒露光をノータッチトラッキングしています。
光学系の設定相性によって星像はダメですが、トラッキング
は問題が無さそうです。縮小コリメート法では拡大率が高いので、
赤道儀の性能にも左右されます。出来るだけ1分以内で撮影したい
と思いました。もちろん、公共天文台や観測所の据え付け型赤道儀
ならば言うこと無しですが、移動撮影では鏡筒選びも大切ですね。

と言うことで、
縮小コリメート撮影法の第1回試写報告は終わりです。(つづく)

コメント (2)
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LX7で撮る栃本の銀河

2013-06-06 19:45:00 | 天体写真
6月4日の薄明直前です。

Panasonic DMC-LX7
4.7mm(24mm(35)) , F1.4開放 , ISO1600 , 20sec


JPEG撮って出しです。
ほぼ見た通りの感じに写っていましたので置いておきます。
下の光害は塩山・山梨市方面です。
チョイ撮りLX7、いいなあ~


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久し振りの奥秩父から

2013-06-04 20:29:00 | 天体写真(PENTAX K-5Ⅱs)
あれ?ツユハドコヘ・・・
仕事が一段落し、超久し振りに奥秩父は栃本まで行って来ました。
PDCU4現像→JPEG画像4枚をSI7でコンポジット→CS5仕上げ


SI7でRAW処理~コンポジット→CS5仕上げ


やはり、最低限このくらいの空が無いと綺麗に撮れませんね!
今回は”すばる望遠鏡タイプスパイダー”での初遠征。

が~~ピンボケたあ~~

実は欲張った撮影テストを行っていた関係上、
このM8,M20は最後の最後でチョロッっと撮ったモノなのです。
ピント合わせもエイヤっと一発決めだったため、案の定ボケを
かましてしまいました。

Panasonic DMC-LX7で撮った夏の天の川(F1.4開放ですよ~♪)


何気に凄いLX7。

コメント (4)
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