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●実証の桎梏

2011-03-28 | 認知心理学

●実証の桎梏
 やや余談じみた話になるが、心理学が是としている実証は、心の研究にとって時にはさまざまな桎梏(あしかせ)となってしまうことがある。
 最も厳しいケースは、かつて行動主義が隆盛を誇っていた頃を思い出せばよい。自然科学と同じレベルの実証性を心理学に求めたために、心を研究対象から排除して、観察できる行動だけに限定せざるをえなかった。
 前述したように、近年の心理学における実証の概念は、かなり幅広くとらえられるようになってきて、心理学固有の実証の概念が研究者の間で受け入れられるようになってきた。それに伴って、「実証の桎梏」ゆえに心理学の研究対象から排除されていた心の諸問題が、自由に取り上げられるようになってきた。
 一方では、実証の概念を広く取りすぎると、本来の「実証」の枠を超えてしまう危険性があるが、とりあえずは、心の研究領域が広がったことのメリットのほうを評価しておきたい。


不信(distrust)の形成

2011-03-28 | 安全、安心、
不信(distrust)の形成

組織や人に対する信頼の形成には膨大な時間と努力がかかるが、不信のほうはごく短期間で形成されてしまう怖さがある。
不信の形成と増幅にかかわるのは、事故や違反行為などのネガティブ事象の報道が主であるが、マスコミ対応のまずさも不信を増幅する。たとえば、不充分な情報公開、情報の小出し、改ざん記録の開示、言い逃れ、嘘の発覚など。