うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

視点の角度....(10262)

2010年11月11日 22時11分32秒 | うべプラネタリアン
地球の歴史の中で、人類の発達してきた200万年はたぐいまれな穏やかな期間だ。
これが当たり前だと思わない方がいい。人類が、生き残る英知を持っているなら、
やがて来る熱風期もあるいは氷河期にも耐える力を持つだろう。

日本は、戦後60年たぐいまれな平和の期間にいる。
キリストが生まれて以来2千年、世界のどこにも戦火のなかった年はたった2年しかないと
フランスの歴史学者は言う。
戦争が常態であって、戦争と戦争の合間の一瞬のブレスが平和なのだとするならば、
日本の平和は奇跡的に長い。こんな平和は当たり前だと思わない方がいい。

国際宇宙ステーションは、地上から、たかだか400㎞程度しか離れていない。
400㎞離れただけで地球は丸みを帯び、人の作った国境線などみえはしない。
が、メキシコ湾の油流出や、戦火や、森林火災の煙は見えるという。
人の創ったまがまがしいものは見えるのだ。人類は地球に傷をつけるくらいの力を持った。
エコだとか、環境破壊とか、体のいいことを言っているが、今更人類が地球を守るなんざ
おこがましいにも程がある。傷つけられた地球は腹を立てて、生んだ鬼っ子を滅ぼすぞ。
人類は自分のことしか考えないから、滅ぼし方は簡単だ。お互いを争わせればいい。
あげく勝手にお互いを焼きつくすだろう。そうやって、地球は自らの平穏を保つだろう。
地球が文句を言うわけがないと、思わない方がいい。
人類がもう少し穏やかでいたいならば、自己中の視点を変えなきゃならんと、
昨今のいやなニュースを見つつ老人は渋い顔をしているのだ。