ひらけいメモBlog@goo

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2005年の地図サービスを振り返る

2005-12-31 23:22:51 | GPS
 2006年の地図サービス関連を振り返ってみたい。

<Google Maps はじめ Ajax な地図サービス続々登場>

 2005年2月、Google が地図サービス「Google Maps」を開始した。ブラウザでスクロール地図を実現するというもので、どういう仕組みなのか当時わたしには理解できず、とても驚いたものだ。
 その後、それが Ajax と呼ばれる技術であることを知った。当時は Ajax という用語は一般的ではなく技術説明にも使用されていなかったが、最近は普通に記事に出てくるようになった。
 スクロール地図自身は特に Google が最初という訳ではなく、例えば日本であれば マピオンラボの方が早いはずだ。ただ Google という有名検索サイトが地図サービスを、それもブラウザでスクロール可能な地図を提供した、ということで話題になっていった。

 その後、日本でもポータルサイトの地図サービスがこれを追って、スクロール地図を導入していった。しかし Google は更なる機能追加「衛星画像の閲覧」を図ってきた。2005年4月にアメリカ限定、そして2005年6月には東京の衛星画像も閲覧できるようになった。
 同時期の2005年6月、Google は Google Earth も公開した。こちらは専用アプリケーションをインストールする、衛星画像の閲覧サーヒスだ。まるで精細な写真を貼り付けた地球儀を扱えるようなこのサービスは瞬く間に広まっていった。その画像の精細さは、テロの懸念まで抱かせるほどだった。

 次いで2005年7月、Google Maps はついに詳細な日本地図も扱えるようになった。地図の提供元はゼンリンデータコム。建物の一軒一軒の形までが分かるという詳細さに定評があるゼンリンデータコムの地図と Google の技術とが結びつき、こちらもユーザの支持を得た。
 今後 Google の地図がどうなっていくのか、わたしにはとても予想はできない。少なくともローカル検索と広告とを強く結びつけていくことは分かるが、どのような新しいサービスを提供してくれるのかはさっぱり分からない。

 日本の有力ポータルサイトが、これを黙って見ているはずはない。

 2005年4月には goo がスクロール地図を導入。さらに2005年10月には地図と衛星画像と重ね合わせることのできるサービスを公開した。

 2005年10月には Yahoo! Japan はローカル検索サービスでスクロール地図を使用開始し、2005年11月には Ajax のスクロール地図に航空写真を公開した。2004年12月に継承したアルプス社の技術を十二分に活用したものだ。航空写真のインパクトは大変なもので、15日の公開直後はアクセスが集中し、一時サービスを停止したほどだった。位置情報に関しては多量の情報を持っているYahoo! Japanだけあって、今後の展開は期待できる。

 2005年、一気に進展した地図閲覧サービス。業界を引っ張っている感のある Google、米とは異なり日本独自のサービスを展開する Yahoo! Japan、そしてより日本に特化したサービスを展開しようとしている goo。2006年も引き続きサービスを競い合い、そしてどうなっていくのか。全く予想ができない。


<ローカル検索>

 Google がローカル検索に進出したのは 2004年3月。2005年7月には日本でも Google Local が開始となった。
 対するgooは、2005年7月にgoo地域を強化。スクロール可能な地図であるgoo地図と連動した。
 Yahoo! Japanは 2005年10月に エリア検索でローカル検索サービスに参入した。

 これらローカル検索サービスのキーワードは「広告」だ。検索連動型広告の中でも伸びている分野として注目されている。


<地図 API の公開>

 Google Maps が注目されている点は Google の素晴らしい無料サービスだから、というだけではない。Google Maps の API を公開している点だ。公開は2005年6月30日だった。
 実際は Google Maps をハッキングして使用しているサービスの方が先にあったのだが、この公開によりハッキングの必要がなくなり、開発者が自由に使用できるようになった。
 この影響は大きく、日本でも Google Maps API を用いた複数のサービスが開始された。
 例えば はてなマップはこパンダ☆地図日記などだ。
 その他、個人ページでも Google Maps API を用いてテレビの撮影地紹介を行っているものや、Google Maps API を簡単に用いるためのアプリケーションを提供しているページもある。

 なお、ここに挙げたサービスの特徴はブログとの連携だ。今後の希望的観測としては、GPS ケータイの発展とそれによっての位置情報つきモブログが広がり、そしてこれと Google Maps によるブログの地図上での閲覧だ。
 仮にこのような方式が広がるとすれば、地図上にたくさんのブログが登録されて見づらくなると考えられる。しかしそれは、検索サービスが補ってくれる。ということで、今後は地図に対応したブログに対する検索サービスが発展していくのではないだろうか。

・・・新年まで時間がないので、とりあえずはここまで・・・
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2005年のGPSを振り返る

2005-12-31 19:20:54 | GPS
 2005年のGPS関連ニュースを振り返ってみたい。

 まずは、ケータイGPSとセキュリティから。

<DoCoMoとVodafoneからGPSケータイが発売>

 2005年は、DoCoMoとauから相次いでGPSつきケータイが発売・発表された。
DoCoMo SA700iS(2005年10月1日発売)
DoCoMo SA800i(2005年11月24日発表、発売は来春)
Vodafone 903T(2005年10月15日発売)

 SA700iSはFOMA初のGPSケータイ、SA800iはキッズケータイ、903Tは海外でもGPSが使えるケータイとして特徴を持つ。
 2006年は各社ともにGPSケータイのラインナップを増やしてくると思われる。理由は2007年の法制化だ。2005年はその準備段階だろう。

 そして、増えるGPSつきケータイを見越したコンテンツも増えていくと思われる。徒歩ナビ、そしてカーナビの補完もしくは置き換えサービスの発表があった。
Vodafone live! 向けゼンリンいつもナビ (2005年10月15日サービス開始)
au の助手席ナビ (2005年9月8日)
インクリメントPが「ドライブナビゲーター(仮称)」を2006年にサービス開始 (2005年12月7日)
 さて、地図サービス以外に何かおもしろいサービスは開始されないだろうか?


<GPS ケータイ向けLSI>

 これから拡大するであろうGPSケータイ。SA700iS や 903T、そして au のように Qualcomm 製チップを搭載しているのであればGPS機能は比較的容易に実現できる。しかしそうでない機種の場合は、新規に GPS を調達しなければならない。
 ただ Qualcomm 製チップを搭載したのでは au ケータイの GPS 性能に負ける(基地局測位の性能で劣る)ので、このあたりは逆に各メーカの頑張りどころでもある。

 それを見越してか、2005 年には FOMA 向けアプリケーションチップを供給している TI 社から発表があった。また SiRF からも、1chipのSiRFstarIIIチップセットの発表があった。

日本TI、 携帯向け1チップ GPSソリューションを発表 (2005年11月24日)
SiRF starIII のワンチップ版 (2005年2月7日発表)

 2004年には、SiRF の SiRF starIIIEPSONGlobal LOCATE などからも高性能GPSの発表があった。来年発売される GPS ケータイはどのように GPS 機能を実現しているのか、興味のあるところだ。


<悲惨な事件が相次ぎ、子どもに持たせるセキュリティシステムの発表相次ぐ>

 2005年11月22日、12月2日と相次いで女児誘拐殺人事件が発生し、子どもに持たせることのできるセキュリティシステムへの関心が高まっている。
 それを受けて、新たなサービスが複数発表された。

DoCoMo キッズケータイ SA800i(2005年11月24日発表、発売は来春)
DoCoMo イマドコサーチ(2005年11月24日発表、開始は来春)
au 安心ナビ(2005年6月)
ネットジーン 通学ケータイ (2005年11月12日発売)
アイティーフォー 見マモル君 (2005年12月12日発売)
みっけ!GPS (2005年12月発表、開始は来春)
・YOZAN パーソナルセキュリティシステム (2005年12月22日発表、開始は2006年7月)

 また、総務省も「ユビキタスネット技術を用いた子どもの安全確保システムの事例に関する情報の収集」でどうすれば子どもを守れるのかの検討を始めている。

 このような技術で完璧に子どもを守れることはないにしても、一定の効果はあるだろう。いろいろな手法を合わせることにより、少しでも犯罪が減ればいいのだが・・・

 2006年は複数のサービスが開始され、また発表されるだろう。また警備会社も新たなサービスを発表してくるかもしれない。
 DoCoMo キッズケータイの発表を受けて、au でも何か対抗策を講じるかもしれない。
 また、ケータイを学校に持ち込めない子どもたちのために、使いやすい専用端末も増えていきそうだ。


 続いて、ハンディGPSの話題。

<SiRF GPS の拡大、GARMIN にも採用>

 SiRF の GPS は、民生用では最大のシェアを取っていると思う。2005 年は複数の主に台湾メーカから、Bluetooth で接続するタイプの小型 GPS が発売された。
 SiRF の GPS は高性能で、多くのメーカがそれを採用していく。その流れを受けてか、GAMIN も次のような発表をした。

GARMIN が SiRF のデバイスを使用すると発表 (2005年8月30日)

 そして実際に複数の製品が発売された。やはり GARMIN と言えばハンディGPS。そういう意味で、Edge205, Edge305 は1つ象徴的な製品だろうか。

Edge205/305 のプレスリリース (2005年8月31日, 発売は2005年12月)

 これで GPSMAP などに採用されてくればおもしろい。60csx などの噂はあるが、真偽のほどはよく分からない。


<GARMIN のカラー GPS 発売>

 2004年12月に発売された GPSMAP 60CS に続き、2005 年には eTrex Legend-C, eTrex Vista-C の日本語版が発売された。GPSMAP 60CS よりは安いので、日本地図の使える GARMIN ハンディ GPS、それもカラー版が欲しいという方には朗報だったと思う。
 今年は、上にも書いた SiRF チップ搭載のハンディ GPS が発売されるだろうか。


<GPS つき PDA>

 2005年3月、GPS つき PDA である Mio168RS が発売された。2004年に発売された Mio168 のアップデート版で、最大の特徴はナビゲーションソフトの MioMap だ。
 次いで 2005年8月に、inView N-911 が発売された。MioMap のようなナビゲーションソフトは無いが、内蔵メモリの容量が大きいなど、Mio168RS と比較するとメリットがある。PDA つき GPS の購入を考えられている方は、なかなか迷うところだろう。

 これらの GPS つき PDA は、OS も Windows Mobile 2003 SE for Pocket PC と古く、使用しているチップセットも SiRF starII と古い。2006年はバージョンアップ版が期待できるかもしれない。

 PDA の販売が芳しくない中、GPS つき PDA やスマートフォンはなかなか売れているとのことだ。



 最後に、衛星の話を。

<最初のGalileo衛星打ち上げ成功>

 2005年12月28日、最初のGalileo衛星が打ち上げられた。これは試験衛星で、2006年に1機、2008年にもう2機打ち上げられるようだ。最終的には2010年までに30機が打ち上げられることになる。
 アメリカの軍用システムであるGPSに比較し、Galileoは民生用だ。民生用にGPSを使う場合の精度は数mだが、Galileoは1mだという。
 ただ、現行のGPS受信機はGalileoの信号は受信できない。


<ALOS、打ち上げ準備中>

 陸域観測技術衛星のALOSが打ち上げ準備中だ。延期があり、結局打ち上げは2006年1月19日となった。gooでもキャンペーンを実施している。
 これが打ち上がれば、今までよりも詳細な日本の衛星写真が見られるようになりそうだ。
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