教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

明日は体育大会~互いの頑張りを発見したい

2006年08月20日 | 自主活動
雨による練習の中断、台風による臨時休校。準備の遅れが心配された中で、体育大会はいよいよ明日に迫りました。

互いに競い合う競技の形式をとっているかぎり、体育大会には勝ち負けがあり、優勝をするクラスがあれば最下位のクラスもあります。1位になり、優勝することによって自分たちの頑張りを多くの人に認めてもらいたいと思うのは自然なことです。しかし優勝したクラス、1位になった人たちだけが良かったという体育大会であってはなりません。優勝を目指すことと優勝することは、残念ながら違うのです。あたりまえですが、体育大会では優勝できないクラスの方が多いのです。優勝する1クラスのためにだけ体育大会があるのではありません。この体育大会とそれに続く文化祭を通じて、日常の授業では気づかない仲間の頑張りや素晴らしさを発見してほしいのです。

私たちは力を合わせ同じ仕事をやりきる中で、お互いを仲間と感じられるものだと思います。押し付けあうことなく選手や係を決定できた、応援旗の作成に一緒に残ってくれた、椅子を運び出すときに手伝ってくれた、自分の競技の時にクラスの声援が聞こえた、そんなできごとの一つひとつが何よりも貴重なのです。これが逆になるとたとえ優勝したとしてもクラスの中に溝が生まれます。

昨年の体育大会を前に、体育委員長であった当時の3年生がこんな呼びかけをしてくれたのを覚えているでしょうか。

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3年生にとっては最後の体育大会。だから絶対、なにがあっても体育委員になりたかった。体育大会は大変と聞いていたし、ましてや3年生だからすごく大変なので、やりがいがありそうだった。それに最後の最後で目立ちたかったし、自分がいること、頑張っている姿をみんなに見てほしかった。
体育委員は大変です。みんなが気づかないところで頑張っています。全体練習がある朝は7時50分から集まってラインを引く。どうせ消えるけど引く。みんなが砂ぼこりをたてて歩くとラインは消える。だからちゃんと歩いてほしいと思う。でもやっぱり消える。
みんなが教室にいるとき、私はグランドで「にがり」をまいて、トンボでならして砂まみれで家に帰る。メッチャ大変。競技一つひとつの順位・得点を記録する用紙に、競技名を放課後に残って黙々と書いた。メッチャしんどい。
こんなに努力している体育委員。だから本番の体育大会ではメッチャ感動、メッチャ思い出になるような体育大会にしたいし、みんなに感動してほしい。だから協力しましょう。

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体育委員は体育大会のときにしんどくて大変だと聞き、だから体育委員になろうと決めた人たちもいるのです。そんな人たちを中心に、今年もグランドが整備され、プログラムが印刷されているのです。今年も体育大会を通じ、クラスの仲間の頑張っている姿をひとつでも多く発見してください。(千里馬90号1999年9月30日発行)



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