宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

上原隆(1949ー)「リクルートスーツの孤独」「デート」『雨にぬれても』(2005)所収:①就活がうまくいかない、②50歳代一人暮らし同士のデートがうまくいく

2019-03-08 08:34:10 | Weblog
(1)「リクルートスーツの孤独」
大学3年生の11月頃から会社の説明会が始まる。ピークは2月。4ー5月、普通、内定をもらう。大学4年生の片岡睦子は、6月15日、まだ内定をもらえない。彼女はすでに、25社を受けて落ちた。3月の終わり、ストレスによる急性胃炎になり点滴を受けた。5月には、鬱的になった。
《感想1》選考に落ちても、大学の就職部の説明通り、確かに「社会に必要とされていない」わけでなく、たまたま会社とマッチングしなかっただけだ。
《感想1ー2》しかし、やはり自信は失う。だからストレス性胃炎にも、鬱的にもなる。このあと彼女は仕事が見つかったろうか?あるいは非正規雇用で就職したのか?
《感想2》世の中、学歴がいる、資格もいる。「芸は身を助ける」。学歴や資格も「芸」だ。彼女は「芸」に不足があったのだろうか?
《感想3》就職先の会社をよく調べなければならない。ブラック企業がある。将来、発展するか衰退かも見通す必要がある。
《感想4》だが「糊口の道」は得なければならない。ともかく食べていかねばならない。「銭取り病(ヤマイ)死に病(ヤマイ)」だ。(金を稼ぐのは死ぬほど大変だ。)

(2)「デート」
(a)橋本一樹(56)は1年前、火事ですべてを失った。(ただし火災保険金で、さしあたりの生活は何とかなる。)その直後、会社をリストラされた。ダブルパンチだ。今は、退職金を取り崩しながら、コンビニでバイトし、アパートで暮らす。「もう自分の人生は終わった」と彼は思う。すでに20年前、彼は妻と離婚した。
(b)彼の妹から、友人の高田康子(55)という人と会ってほしいと電話がかかってきた。「お節介だ!」と思ったが、彼は会うことにした。
(c)高田康子は、夫を胃ガンでなくした後、二人の娘を育て、二人とも結婚した。彼女は今、「むなしい」と感じている。
(d)橋本と高田は、初めてのデートなのに、話が合った。二人は団塊世代で1949ー50頃生まれだ。同世代なので、1960年代の話に盛りあがった。
(e)別れ際に、「また会ってもらえますか?」と彼がたずねた。「もちろん!」と彼女が言った。
(e)-2 彼は、生きる意欲が湧いてくるのを、感じた。
《感想》二人は、うまくいくだろう。まだ50代だし、二人は男女の仲になるだろう。彼は、子供も妻もいない一人暮らし。彼女も夫が亡くなり、娘二人も嫁(トツ)ぎ一人暮らしだ。同世代で話が合う。最良の条件だ。
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