お昼前、久しぶりに最寄りのスーパーに行った時の出来事。
ふと、通り過ぎようとした通路の真ん中あたりを見ると、老夫婦が通路に座り込んだお年寄りを抱きかかえようとする光景が目に入った。
その老夫婦が自分をみつけて手招きしたので、押していたカートをその場に置いたまま現場に走った。みると、ご老人がカートではなく自分の手押し車に手をかけたまま座り込んでいた。
老夫婦が言った。「知らない人なんやけど、倒れていたんで起こそうとしたが重くてどうにもならなくて・・・」
座り込んでいたご老人をのぞき込むと、体調が悪くて倒れた様子ではなかった。歳は80歳以上で体格もよく体重はどうみても70kg以上はありそうだった。身なりも立派で品格を感じさせる方だった。
ご老人が自分に言った。「立たしてさえもらえれば、大丈夫なんやけど」と。両脇を抱えて起こしてあげた。
自分には丁寧にお礼を言ってくれたのに、助けようとしていた老夫婦には見向きもしなかったのが不思議だった。
手押し車を押して歩きだしたので、「大丈夫ですか」と声をかけた。「おおきに。大丈夫。倒れたんではなく、体を当てられてこけたんや」と。
人と人の衝突事故だった。合点した。でもケガがなくて何よりだった。
・・・・・・・
いろんなことが脳裏をよぎった。
手押し車につかまらないと歩けない人が、どうやって店にまで来たんだろうか・・・
帰りは無事なんだろうか・・・
電動の車椅子だったら転ぶこともないのに。買物しにくいんだろうか・・・
買物してくれるご家族はいないんだろうか・・・
日常生活が大変だろうなあ・・・
介護度が高くなければ介護施設には入れないとしても、介護サービスは受けられるはずだし買い物も頼めるはずだが・・・
もし自分がそういう状況になったら、ご老人のように頑張って自分で買物に行こうとするのだろうか・・・
社会のために家族のために頑張ってきたであろうご老人よ。 頑張れ!