だいぶ前に買って
読みかけて放置していた本を
ようやく読了。
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津軽三味線まんだら 津軽から世界へ |
松木宏泰 | |
邦楽ジャーナル |
津軽三味線の始祖とされる仁太坊から始まって
全国各地で大会が乱立する現代まで
さまざまな奏者の足跡を辿っていく一冊。
津軽三味線史で先行文献といえば
大條和雄著『津軽三味線の誕生』があり、
重なる部分も多く出てきますが、
こちらの方が現代の奏者を多く取り上げています。
名前を挙げたすべての奏者に対して
等しく敬意と愛情が感じられる文章が
何よりも印象に残りました。
津軽三味線の歴史に大きな足跡を残した名人も
志半ばで亡くなり今は名を知られることもない人たちも。
芸をめぐって立場を異にする人たちも
さまざまな取り組みの正負の両面も
津軽三味線を愛して己の音を追及した点においては同じ価値がある。
たくさんの人たちが今に伝えてくれた津軽三味線。
大切に演奏したい。