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映画感想ブログです。3周年を迎えました♪
相変わらず、日本映画と香港映画が好きです。

楽園の瑕

2005-07-04 15:21:06 | 映画(ら行)
レスリー・チャン、レオン・カーフェイ、ブリジット・リン、トニー・レオン、マギー・チャン出演。ウォン・カーウァイ監督作品。94年。

砂漠の宿屋で“西毒”こと陽峰は、殺し屋の元締めを営んでいる。彼が剣のために捨てた女は、兄の妻となっていた。そして、親友の“東邪”薬師がやって来る。薬師はそのあと桃花林へ向かい、親友の妻、桃花に出会う。その親友は薬師によって妻との仲を裂かれ、行方不明になっていた……。「恋する惑星」「天使の涙」で若者に熱狂的な支持を受けたウォン・カーウァイが、剣士たちの生き様を描いた作品。(ヤフーレビューより)

ヤフーレビューを読むと、このレビューの通りに話が進むと思われますが、違います(笑)。
難解な作品として、賛否両論(ウォン監督作品はいつも賛否両論のような気がするけど)だったそうです。
確かに人物関係がやや複雑。でもそれが面白いと思うんですけど・・・
「恋する惑星」と同時期に撮ったけれど、後発した「恋する惑星」の方が先に編集も出来上がったらしいですね。そりゃ「恋する惑星」の方がストーリーが単純。
私は「恋する惑星」の後にこの作品を観ましたが、どっちが好きかと言われると、答えに窮するくらい、この映画が好きです。

私は確かにトニーのファンですが、トニーのかっこよさ云々よりも、それぞれの登場人物が皆、とても魅力的でした。
そして何より映像が美しい・・・広大な砂漠、アクションシーン、男女の絡みのシーン。

西毒と呼ばれるオウ(レスリー)は、砂漠で殺しの仲介屋をしています。
西毒の友人で東邪と呼ばれる剣士ウォー(レオン・カーフェイ)、殺しの依頼をするインとウォーを愛するエン(ブリジット・リン)の兄妹、ラバと卵を持ち、弟の仇討ちの為に殺しを依頼する女(チャーリー・ヤン)、故郷の桃の花を見たいと願う盲目の剣士(トニ-・レオン)、自信家の若い剣士ホンツァイ(ジャッキー・チュン)、オウが愛しているオウの兄嫁(マギー・チャン)、盲目の剣士の故郷にいる剣士の妻(カリーナ・ラウ)。
これらの登場人物が複雑に絡み合います。

それぞれが愛に生き、翻弄される様が描かれ、そのせつなさが胸を打ちます。
ブリジット・リンの演技が素晴らしかった。妖艶でいて、切なく、特に鳥かごのシーンでは、光と影の中に映し出されるレスリーとブリジットが美しいです。

トニーは盲目の剣士で、妻を愛していますが、妻は親友を愛してしまう。妻の元を去るものの、完全に失明してしまう前に故郷の桃の花を見たいと願い、失明寸前の状態で馬賊(それも凄い人数)と闘います。
素晴らしいアクションでした。相変わらず目にも力がこもっていたし、闘うシーンの気迫に圧倒されました。

飲むと過去の記憶を忘れるという酒の小道具がまた効いていました。
ウォン監督は、記憶というものにこだわりがあるようですね。
「2046」でも記憶はキーワードになっていたと思います。
この映画もモノローグが多いですが、印象的だったのは、やはり記憶に関するものですね。
『何かを忘れようとすればするほど、心に残るものだ。何かを捨てなければならない時は、心に刻みつけよ』(こんな感じだったと思う)
そして、音楽も素晴らしかった。映画を盛り上げていました。サントラって今でもあるかな・・・

この映画のレビューはmicchiiさんの「愛すべき映画たち」でも紹介されています。
私の書いてるような自己陶酔系のレビュー(笑)よりも、分かりやすく書かれています。
きっとこの映画が観たくなります。
micchiiさんのブログは私のお薦めのブログの一つです。
他にも映画への愛に溢れたレビューがたくさんありますので、見てみて下さい。
micchiiさんのレビュー「HERO」でジーンときて、「ザ・ミッション」でうるうるし、「インファナル・アフェア」では涙が出ました(苦笑)。
観た映画を思い出させ、登場人物の熱い想いを蘇らせ、再び感動させてくれる、そんなレビューです。