O社とK社

職員が朝のスピーチで
通勤途中の渋滞について話をしてくれました。

国道とある橋との交差点の信号機が
とっても混む、というのです。

国道を北上しているとき
その信号に近くなるとなかなか進まない、
さあ青だぞ、と思っていても
進むのはわずかの距離・・・・・
何回も停車して、ようやく信号機まで近づいて
その理由がわかった、と。

その信号を左折して20ｍ程の坂を下ると
左手に精密機器製造のＯ社があります。
渋滞は、Ｏ社に出勤する社員の車が
その時間に殺到するからなのですが、
その渋滞に拍車をかけているのが
入口に立っている守衛さんとの挨拶なのではないか、と。

そんなことを言われて気になったので
今朝は自分もその前を通ってみました。

確かに、その信号を抜けるのに、
３～４回は停止をします。
すぐそこまで来ているのに、なかなか
信号を抜けられません。
今朝はまた運悪く、自分も左折しようとしたら
交差点の中で停まってしまい焦ってしまいました。


さて、そのＯ社ですが、
入口まで来ると、社員のみなさんは一旦車を停めます。
そして、守衛さんは社員証のようなものを確認し、
挨拶を交わして、その先の駐車場に案内します。
１台中に入るのに、十数秒かかります。
それを一台一台やっているのですから
渋滞するわけです。


そんなやりとりを眺めながら、
私は食品製造のＫ社のことを思い出しました。

農道沿いにあるそのＫ社は、
農道を北上して出勤する社員たちに、
会社の前で右折することを禁じている、と聞きました。
会社は農道の右手にあるのですが、
会社の前で、右に折れて会社の敷地に入ってきてはいけない、
というのです。

対向車が多ければ、なかなか右折ができません。
右折ができなければ、
自分の後ろにいる車が、前に進めません。
そんな、他人に迷惑をかけるようなことをしてはいけない、
その会社の社長さんが話されていました。

それでは、社員たちはどうしているか、というと
その先の適当な交差点まで走らせて
右折なり左折なりをして、戻ってくるようにしている、
とのことでした。

こんなふうに
ひとりひとりの社員の出勤状況まで掴んでいる社長さんは
なかなかいないでしょうね。
上に立つ人間が、
こんなふうに地域の人達のことを考えていてくれる、
と聞くと、嬉しくなります。

Ｏ社の本社は東京、
Ｋ社は地元企業、の違いでしょうか。