「ねえ、ちょっとちょっと・・・・
ちょっと来てごらん。
きれいな月だよ。
まあるいお月様がお山のてっぺんから出ているよ。」
母があんまり呼ぶものだから、
忙しく夕飯の支度をしていたけれど、
母のイスの側まで行って
母の目線になって、外を眺めてみると、
高烏谷山の頂上にまあるい月が、
ちょこんと乗っかっている。
「ああれえ・・・、本当だ!
きれいだねえ・・・」
と、大げさに一緒に見ながら褒めてあげると
母はうれしそうに
「ねえ、きれいだねえ。」と言う。
私がキッチンに戻ると
今度は主人を呼ぶ。
「おとうさん、おとうさん、
ちょっと来て見てみ。
きれいな月だこと。」
私は主人に目配せして、
(大げさに、褒めてあげてね!)
と、合図を送る。
主人は照れくさそうに、
「ほんとうだ。
今日は満月なんだっけ?」
と、返事する。
まるで、子どもに戻ったような、可愛い母。
ちょっと来てごらん。
きれいな月だよ。
まあるいお月様がお山のてっぺんから出ているよ。」
母があんまり呼ぶものだから、
忙しく夕飯の支度をしていたけれど、
母のイスの側まで行って
母の目線になって、外を眺めてみると、
高烏谷山の頂上にまあるい月が、
ちょこんと乗っかっている。
「ああれえ・・・、本当だ!
きれいだねえ・・・」
と、大げさに一緒に見ながら褒めてあげると
母はうれしそうに
「ねえ、きれいだねえ。」と言う。
私がキッチンに戻ると
今度は主人を呼ぶ。
「おとうさん、おとうさん、
ちょっと来て見てみ。
きれいな月だこと。」
私は主人に目配せして、
(大げさに、褒めてあげてね!)
と、合図を送る。
主人は照れくさそうに、
「ほんとうだ。
今日は満月なんだっけ?」
と、返事する。
まるで、子どもに戻ったような、可愛い母。