『晴れた日には・・・』

日々の雑感を綴ります。

夢とうつつ(現実)と・・・・<母の退院、その後1>

2014年05月13日 | 介護
「ねえ、ちょっとちょっと・・・・
 ちょっと来てごらん。
 きれいな月だよ。
 まあるいお月様がお山のてっぺんから出ているよ。」

母があんまり呼ぶものだから、
忙しく夕飯の支度をしていたけれど、
母のイスの側まで行って
母の目線になって、外を眺めてみると、
高烏谷山の頂上にまあるい月が、
ちょこんと乗っかっている。

「ああれえ・・・、本当だ!
 きれいだねえ・・・」
と、大げさに一緒に見ながら褒めてあげると
母はうれしそうに
「ねえ、きれいだねえ。」と言う。

私がキッチンに戻ると
今度は主人を呼ぶ。
「おとうさん、おとうさん、
 ちょっと来て見てみ。
 きれいな月だこと。」

私は主人に目配せして、
(大げさに、褒めてあげてね!)
と、合図を送る。

主人は照れくさそうに、
「ほんとうだ。
 今日は満月なんだっけ?」
と、返事する。

まるで、子どもに戻ったような、可愛い母。
コメント (4)
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