缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

沖縄の缶詰事情

2010-07-29 13:04:40 | 缶詰旅行

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 こちらは那覇の食品店であります。
 国際通りから市場中央通りというアーケード街を入ったところにあって、公設市場(第一牧志公設市場)にもほど近い場所だ。
 缶詰の種類が多かったので、立ち寄ってみた。
 このアーケード街には、服飾店、乾物店、食器を売るとこ、漢方薬を売るとこ、お茶を売るとこ、鮮魚が並ぶとこ、とにかくいろんな業態の店が並んでいる。
 面白いのは、業態にカンケーなく、店先にSPAMやTULIP、わしたポークといったポークランチョンミート缶を置いてること。
 新鮮そうな魚類が並ぶ冷蔵ケースの上に、ちょこんとSPAMが置いてあったりするのだ。




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(沖縄ではどんな缶詰が売られているのだろう?)
 それが知りたくて、まずは国際通りを中心とした商店街を見て回ったのだった。
 あとは名護市にあったイオン系列のスーパーも見てみた。
 どこも、ポークランチョンミート、コンビーフなどの輸入缶詰が多かった。
 一番多く目に付いたのはSPAM缶。それも非常に安い。
 現在、関東を中心に340g缶が500円くらいで売られている。しかし市場中央通り付近では、250円程度から売っているのだ。
(ただし、那覇空港に近づくほど値段は高くなっていき、空港内では関東と同じくらいの値段になっていた)
 このお店でも250円で売っていた。
 TULIP(デンマーク)も、ダッチコロニー(元はオランダ)も250円だ。
 250円にこだわりを持ったお店なのだ。

 缶詰研究家である旨を伝え、写真を撮ってもいいかと尋ねると、お店のおばちゃんは
「何だか不思議な人が来た...」
 こういった顔付きをしたのだが、とても優しかった。
 話を聞くと、特に缶詰にこだわりがあるわけではなく、昔から加工食品を扱っているらしい。
 途中でジャスミン茶のような缶入り飲料をくれた。
 それからお隣の服飾店のおばちゃんが、ちんすこうをくれた。
 おばちゃん2人と僕と家人は、しばし暑さを忘れ、ゆるやかに歓談したのだった。




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 最後に沖縄らしい写真を1枚。
 人々が優しい沖縄に、また来るぞまた来るぞ。




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購入したご当地缶はいずれご紹介!







缶詰のある風景『フィッシュ・オン』

2010-07-25 14:13:02 | 連載もの 缶詰のある風景

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 銀山平は一年のうちでほぼ半分近くが雪で蔽われる。電気も、ガスも、水道もない。年賀状が五月に配達される(中略)。
 話を聞いているうちに私は六月、七月、八月と一夏をここにこもって暮らしてみようと思いたった(中略)。
 私は小説を書きたかったのである。
 開高健『フィッシュ・オン』

 純文学を書き、そのかたわらで世界中を釣りしてまわった開高健氏。彼はしばしば
「日本のヘミングウェイだ」
 なぞと言われる。
 しかしその文体は、ヘミングウェイとはまったく違う。ヘミングウェイが情景描写の簡潔なセンテンスで進めていくのに対し、開高健は修辞に徹した濃密、重層的な文体なのだ。
 冒頭で紹介したのは、釣りの紀行文の一部。新潟と福島の県境にある銀山湖という、釣り人には憧れの場所で大岩魚を狙いつつ、氏は小説を書こうとする。
 大岩魚と聞いて眉がピクリとしたあなた。あなたこそ、街に生きても心に常に荒野を持っている御仁でありましょうな。




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 これは日本初の岩魚を使ったリエットだ。
 しかも1kgを超える大岩魚を使っているという。
「そんなバカな!?」
 そう思われる太公望諸賢も多いと思う。
 使われる岩魚は「柿島の大岩魚」と呼ばれる養殖魚。伊豆天城山から流れる清流・地蔵堂川で、こだわりの餌で育てられているらしい。
 そして、リエットとは何ぞや。
 リエットはフランスの料理法のひとつで、肉などをペースト状にした保存食のこと。元来はラードでじっくりと煮込むらしいが、今ではパテとほぼ同じものと考えていいと思う。




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 かくのごとし。
 バタール(フランスパン)にたっぷりと大岩魚のリエットを塗りつけ、ありあわせの野菜を少々、添えた(ピーマンとドライトマト)。
 では失敬して、ひと口...。
 やっ、何と濃厚なコクと旨味。
 まずバターの芳醇な香りがあって、同時に鮭のような風味が立ち昇ってくる。
 さもありなん。イワナはサケ目サケ科なのだ。
 とはいえ、岩魚には野趣溢れる独特の香りがある。筆者が釣り上げた岩魚を塩焼きで食べたときは、魚というより小動物の肉を食べているようだったのを憶えている。
 ともかく濃厚、芳醇。まるで開高健の小説である。
 間もなく発売開始というまったく新しいこの瓶詰。静岡の柿島養鱒から販売される予定だ。

 折しも今年は、開高健の生誕80周年。
 もし彼が存命ならば、こんな瓶詰を見て
「オーパ!」(驚きを表すスペイン語)
 と叫ぶに違いないだろうなァ。




 内容量:130g
 原材料名:イワナ、生クリーム、牛乳、バター、食塩、コーンスターチ、グラニュー糖、香辛料、にんにく
 原産国:日本(販売:静岡・柿島養鱒
 予定価格:2100円




イベント『サバ缶7!』でありました

2010-07-20 11:17:22 | イベント・講座

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7/14さばの湯にて

 先週の14、15日に開催された『サバ缶7!』
 7社のサバ缶を試食するという、日本初のサバ缶特化型イベントでありました。




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7/15スロコメにて
両会場ともほぼ満員、ありがとうです!




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前代未聞のサバ缶落語も登場!
サバ缶にまつわる人情話だった




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「このサバ缶、脂が乗ってるわ」
「こらオレのサバを取るな」
わいわいガヤガヤまさにサバ缶祭り




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お土産もどどーんと大サービス
協賛企業には感謝多謝です!




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 新現象「サバ缶迷い箸」も出現した今回のイベント、僕もすごく楽しめたのだ。
 読者諸賢よ、また次回会いましょうゾ!!




缶つま倶楽部がオープンしたゾ!

2010-07-20 10:50:03 | メディア

 酒の肴をトコトン追求して出来た、国分の缶つまシリーズをご存じだろうか。
 例えば[広島かき 燻製油漬け][霧島黒豚 角煮][熊本 ぶりあら炊き]などなど、名前を聞くだけで
「そいつで一杯、飲ってみたい...」
 と思わせる缶詰が揃っているのだ。
 酒飲みの心情を理解した、誠に魅力的なシリーズである。
「どんどんお酒を飲みましょうネ」という、ある意味“イケナイ”お誘いでもある。
 この缶つまに関連して、先日『缶つま倶楽部』というサイトもオープンした。
 缶詰を使った酒の肴レシピなど、これまた酒飲みを魅惑するコンテンツが載せられている。
 サイトオープンの目玉は間口一就氏のレシピ。
 あの“日本一ウマいハイボール”で知られる、銀座コリドー街の『ロックフィッシュ』のオーナー・バーテンダーだ。
 巨匠のレシピ第一弾は、牛大和煮缶を使った[大和煮ですき焼き風]。
 とにかく、簡単。手早い。
 こういうレシピを、これからどんどん紹介してくれるようだゾ。
 缶界はますます、賑やかになってきましたな!



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 追:缶つまシリーズも食べ放題のイベント『日本酒に合う缶詰バイキング!』は8月7日(土)開催っ!




缶詰ワールド杯番外編 アイスランド対オーストラリア

2010-07-17 16:55:40 | 缶詰ワールド杯

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上・バロークスの新ブランド『カンガワイン
下・K.T.ブランド『子持ちししゃもオイル煮』

 缶詰ワールド杯の第4戦は番外カードをお届けしたい。
 火と氷の国アイスランドvsカンガルーの国オーストラリアである。
 しかしvsといっても、このカード。
 対戦というよりコラボレーション、あるいは
「まあさ、闘いなんかやめて仲良くいこうよ」
 という親睦ムードが濃厚のようだ。




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 豪州代表はバロークス缶ワインの新シリーズ、カンガワイン
 カンガとはカンガルーのことだと思う。この商品、今月16日から出荷予定という、まさにニューフェイスなのだ。
 バロークスが市価400円前後だが、それより割安感のある値段だという(東京酒粋の記事を参照)。
 現在は赤、白2種のラインナップだ。




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 アイスランド代表はK.T.ブランド(川口貿易)の子持ちししゃものオイル煮。
 何となくオイルサーディンのようなお姿を想像していたが、開缶するとこの通り、焦げ茶色である。




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「軽くバターで炒めて」と箱に書いてあった
深く燻製されたししゃもがバターをまとっていく




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バタールにトマト、お新香でオープンサンド作成
唐突だが、ここで会場を移動させていただきたい




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第2会場はお台場の浜辺なのであった



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 かくのごとし。
 梅雨も明けたことだし、まずはカキっと冷やした白のカンガワインをいただく。
 ふーむむ。バロークスより軽やか。しかしアルコール度数12%と、さすが本格ワインである。
 赤のほうを飲むと、やっ。渋み、コクがしっかりある。バロークス赤ワインとあまり変わらないのではないか。これはむしろ、秋冬に嬉しいワインである。
 そしていよいよ、アイスランド産子持ちししゃも(燻製オイル漬け)のサンドイッチをひと口...。
 ああ、燻蒸香が強めで実にウマい。バターで炒めたから、その分マイルドにはなっているのだが。
 付け合わせのお新香もよかったが、酸っぱいピクルスだともっといいだろなァ。
 こいつをムシャムシャ咀嚼して、脂っこくなった口内へ冷えたカンガワインをぐびびっと注ぎ込む。
「これが幸福でなくて、何が幸福か」
 反語法で幸せを表現しつつ、番外の対戦は果てしなく続くのであった。

 缶詰W杯 第4戦ドロー




 アイスランド:子持ちししゃものオイル煮
 内容総量:115g
 固形量:92g(7匹)
 原材料名:ししゃも、植物油、塩
 原産国:アイスランド(輸入販売:東京都江戸川区・川口貿易



 オーストラリア:カンガワイン
 内容量:250ml
 赤:サンジョベーゼ、シラーズ、カベルネなど
 白:シャルドネ、シュナン・ブラン、リースリングなど
 原産国:オーストラリア(バロークス




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