缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

新たなおつまみ缶 合鴨のアスピック

2014-01-30 09:30:47 | 

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アスピックとはゼリー寄せのこと

 昨年(2013年)11月、マルハニチロ食品から新しいおつまみ缶が登場した。
 シリーズ名は[夜のおつまみ缶・おうちでバル気分]。
 ちょいとその、色気のある名前であります。
「夜の・・・」
 と聞くと
「夜のお菓子うなぎパイ!」
 こう連想される読者諸賢も多いと思うが、あちらは色気とは何の関係もないらしい。
 何でも、発売した昭和36年は高度経済成長期で、女性も外に出て働く時代が到来したということで、夜のひとときくらいは
「一家団欒でお菓子を味わってほしい」
 この願いが込められての命名だったそうな(春華堂H.Pより要約)。
 それでもやはり、商品名に「夜の…」と副題が付くと、気持ちが動くというか、しっとりすることは確かだ。
 このおつまみ缶には「バル気分」という副題もついている。すなわち、これをひと缶開ければ、家でも
「スペインバル風の雰囲気が愉しめるよー」
 ということ。
 国分の[缶つま]シリーズと同様、酒の肴であることを明確に謳っている。そこが、従来の缶詰とまったく違うところなのであります。
[合鴨のアスピック]は、さいの目に切った合鴨肉を、ピーマンとともにゼリー寄せにしたものらしい。
 まるでレストランの一品料理を思わせるではないか。
(一体、どんな味だろ?)
 期待がぐんぐん高まっていく。




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イージーピールという最新のフタ
ヨーグルト容器みたいにはがせるのだゾ




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 かくのごとし。
 合鴨肉と赤ピーマン、黄ピーマンがゼリーで固められている。しかしそのゼリーは柔らかく、フォークでつつくと容易に崩れていく。
 盛りつける前にそのまま味わってみたのだが、合鴨肉はいかにも鴨の親戚らしく、鉄分の豊富な野趣溢れる匂いがする。
 しかしまわりに展開するピーマンは甘く、それらをまとめるチキンブイヨンのゼリーも穏やかな味付け。
 合鴨肉のパンチのある風味に対し、周囲が
「まあまあ、穏やかにいこうよ」
 みんなでなだめているという感じだ。
 ここに筆者はバルサミコ酢を垂らしてみた。
 甘さとコクのあるバルサミコ酢の酸味が加わったことで、合鴨とそれを取り巻く野菜・ゼリー連合との距離が縮まった。
 それを小さめの器に盛りつけて、今回は赤ワインのアテとした。
 ブルゴーニュの軽やかかつ酸味が味わえるワインがよくマッチしたのでありました。




 内容量:70g
 原材料名:合鴨肉、ピーマン、チキンブイヨン、ワイン、食塩、酒、みりん、水あめ、しょうゆ、香味油、ラー油、還元水あめ、酵母エキス、醸造酢、香辛料、しょうが汁、おろしにんにく、トレハロース、ソルビット、ゲル化剤(増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、香辛料抽出物、発色剤(亜硝酸Na)
 原産国:日本(販売・マルハニチロ食品、製造・マルハニチロ北日本)
 参考価格:330円(税込)





缶詰郷土料理その1 丹後「ばら寿司」

2014-01-26 13:47:44 | 缶詰料理レシピ

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サバ缶を使ったばら寿司なのだゾ




 全国には缶詰を使った郷土料理が存在する。
 それを少しずつ、紹介申し上げていこうと思う。
 記念すべき第1回目は、丹後地方のサバ缶を使った「ばら寿司」であります。




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 使用するのはサバ缶の水煮タイプもしくは味付タイプ。
 水煮は塩味、味付は砂糖醤油味だが、各家庭によってこのどちらかを選んで使っている。それぞれにこだわりのレシピがあるのだと推測している。
 それよりも、注目すべきことはサバ缶のサイズ。
 画像左側の、極めて大きいサバ缶を使う。
(缶界でツナ1号缶と呼ぶもの。右側のレギュラーサイズと比較すると大きさがよく分かる)
 このサイズのサバ缶は、丹後地方以外ではこれまで、ほとんど見かけなかった。宝幸で出している「青森の正直・真鯖水煮生原料」など、ごく一部だったのであります。
 それが彼の地では、この大きなサバ缶がスーパーなどで普通に売られているそうだ。羨ましいことではないか。




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 サバ缶を汁ごとフライパンに開け、弱~中火でのんびりと炒める。
 ここでは味付タイプを使っている。あの砂糖醤油がぐっと煮詰まっていき、やがてそぼろ状になるサバの身に凝縮されていく。
 その甘辛い味こそが、丹後ばら寿司のメインキャストなのであります。
 水煮タイプを使う場合は、この作業中に砂糖と醤油を適量、加えることになる。
 ただ、水煮タイプの汁には塩気が含まれるので、汁は加えずに炒めたほうが味を決めやすくていい。
(とっておいた汁は熱湯で倍に薄め、刻んだネギを散らせばかなり美味しいスープが出来るゾ)
 このほか酢飯、錦糸卵、大葉を刻んだものなど、ちらし寿司の材料を用意しておくこと。




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 かくのごとし。
 春慶塗りの弁当箱に入れて、ちょいと行楽に出掛けるときの様子を再現してみた。
 サバのそぼろは、各家庭によって炒め具合が違うらしい。僕はしっとりしたくらいで使っているが、もっと炒めて水分を飛ばしたそぼろにすることも多いそうだ。
 画像では分からぬが、酢飯の中間層にもサバのそぼろが入っている。すなわち飯の上にサバ、その上に飯、そのまた上にサバと4階建て構造になっているのだ。
 さあさあ、何はさておき、ひと口…。
 やっ。サバのそぼろが想像以上に美味。
 甘辛いのだが、佃煮ほどは味が濃くない。そこにサバの出汁が濃縮されており、噛みしめるたびにウマい汁がにじみ出てくる。
 酢飯との相性は抜群であります。

 昨年はサバ缶に豊富に存在するDHAが
「やせる効果のあるGLP-1ホルモンの分泌を促す」
 と話題になった。
 時期を同じくして、マルハニチロ食品でも月花シリーズのツナ1号缶サイズを出したり、またつい先日は某メーカー(まだ内緒)からも
「ツナ1号のサバ缶を出しますよ」
 と連絡があったりして、これから大型サバ缶がぞくぞく店頭に並んでくる可能性があるのだ。
 サバ缶好きにはたまらない時代が到来したのであります。


 




モルディブ取材日記 その4

2014-01-08 14:43:31 | 取材もの 缶詰の現場から
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モルディブの建物はカラフルだ


 フェリバル島の、缶詰工場レポートの続きであります。




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 缶に詰めた身肉は重量をチェックし、すべて同じ内容量になるよう細かく調整する。




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 調味液(塩水や真水、オリーブオイルなど)を入れたらフタをかぶせ、奥にある機械で巻き締める。
 中の空気を抜きながら締めるので『真空巻締機』と呼ばれているのだゾ。




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 密封された缶詰は外側を熱湯できれいに洗う。油などがついているからだ。その後、この巨大なカゴに詰めていく。




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 カゴごと、このレトルト殺菌釜という機械に入れる。
 これは言わば巨大な圧力鍋。熱水を利用し、内圧を上げることで、120℃近くまで温度を上げて缶詰を加熱殺菌できるのであります。




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 ラベルを貼れば缶成! この日はイギリスの高級スーパー『ウエイトローズ』のラベルが貼られていた。
 モルディブのツナ缶は7~8ユーロで売られている高級品なのだ。




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 これは製缶工場、つまり新品の缶を作る工場。
 何とフェリバル島には製缶工場もあるのだ。海外から鉄板を輸入し、ここでカットし、缶の形に成形している。




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取材が終わって遊ぶ二人
船着き場に群がる魚にパンくずを与えている




 他の島にも連れて行ってもらうことになった。ナイファル島というところだ。
 荷物も人も運搬する万能船『ドーニ』に乗り込み、潮風を浴びながら海上を進む。
 日本に単身赴任していたというフセイン氏が隣に座り、あれこれと世話を焼いてくれる。
 フセインは、日本にいたと言うわりには日本語をあまり話さない。英語で話しかけてくる。
「これから行く島は漁民が多いところだ」
「ンーフーン」(僕)
「小さい島だが人口は増えている」
「アーハーン」
「だから土地が足りなくなっており、海を埋め立てて、島を拡張しているのだ」
「オー。イッツ、ベリーイントレスティング」
 こんな幼稚な会話でも、ちゃんと仲良くなっていけるのだ。


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砂の地面。だから未舗装でも清潔感がある




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日本の資金援助で建てられた学校
校長先生にお会いし、中も案内してもらった




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食品店で缶詰チェック! 豆類、トマト、フルーツが多い




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なぜかお見送りしてくれた店員。島民はみんな朗らかだ




 つづく!
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