缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

KRAKUS® ピクルス

2004-10-28 13:43:42 | インポート
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「お久しぶ~りぃねっ♪」と口ずさみながら久々の瓶詰めさんご登場である。ポーランドからいらっしゃったピクルスだ。
 洋物瓶詰めと言えばこのきゅうりのピクルスが真っ先に思い浮かぶ方も多いと思う。pickleというのが“漬ける”という動詞で、きゅうりに限らず甘酢漬けのものを全てピクルスと言うそうである。知らなかった。
 きゅうりのピクルスはドイツ産のものが本場っぽいと思うのだが、これはたまたま安く売っていたから試しに購入してみた。30オンスだから、ええ、おおむね、840gだ。それで400円ちょっとという値段だった。一昔前では考えられない安さである。日本円は大変堅調なのである。

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 かくのごとし。安価だったわりには味は悪くない。皮がぱりっとして、甘酸っぱくて、正統派のピクルスさんであった。これにパンを合わせてあっさりとした昼食とする。夜には酒の肴として活躍していただくことになろう。
 ちなみにピクルスが出来上がったあとの“ピクルス液”は、素材の水分が浸出しているからだいぶ薄まっているものだ。なんとなればそこに新たにきゅうりなどの素材を追加してもなかなか浸からないのである。新鮮なピクルス液を新たに作る必要がある。

内容量:887ml
原材料名:きゅうり、水、酢、砂糖、塩、にんにく、スパイス各種
原産国:ポーランド

追:『**国境を越えて**』「ピクルス Farman's」にトラックバック


缶詰のある風景『二つのこころのある川』

2004-10-14 17:53:36 | 連載もの 缶詰のある風景
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 ニックは空腹だった。こんなに空腹になったのは今まで経験したことがなかったほどだ。彼はポークアンドビーンズとスパゲッティの缶詰を開け、中身をすっかりフライパンに投入した。「誰に頼まれたわけでもなく運んできたんだから、僕にはこいつらを食べる資格があるんだ」ニックは独り言を言った。その声は暗くしずもっていく木々のあいだで奇妙に聞こえた。彼は再び口を開くことはなかった。
~中略~ニックは火の上に掛けたグリルにフライパンを乗せた。彼はますます空腹だった。豆とスパゲッティが温まった。ニックはそれらをかき回し、よく混ぜた。小さな泡つぶが表面に浮かんできた。そこからたまらない匂いがした。ニックはケチャップの瓶を取り出しておいて、パンを4枚切った。小さな泡つぶは今やどんどん沸き上がってきていた。ニックは火の脇に座り、グリルからフライパンを下ろした。
 アーネスト・ヘミングウェイ『二つのこころのある川』訳/ハヤト

 我が缶詰さんたちは様々な作品に登場している。そして実に良い脇役をこなしているのだ。このニック・アダムズシリーズにもいくつかいいシーンがある。
 この缶詰さんは赤羽橋近くのスーパーマーケットで発見したもの。FRANCO-AMERICAN®とあるがこれはあの缶詰大手企業キャンベルスープカンパニーのもの。さすがはキャンベルさん、探せばまだまだ面白いものが出てきそうである。
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 かくのごとし。ただし原文にあるポークアンドビーンズの方は割愛させていただいた。
 これは缶詰であるから加熱調理の必要はない。少しでも美味く食するために熱するのである。そいつをアルミの皿にあけ(原文は錫だが)、スプーンで苦労しながらすくって食べる。う~むむ、味は予想通りのシロモノ。とにかく甘い。これまで経験した通り、米国産の缶詰さんは糖分が多すぎるようだ。
 しかし今回は味がどうこう言うのはよそう。あくまでも現在の私はニック・アダムズであり、それは多くの批評家が指摘しているように、少年時代のヘミングウェイ自身なのである。だから突然独り言を言って、少し意味不明に落ち込んで、それから“なんてこった、これは美味いぞ!”と叫ばねばならぬ。ケチャップを振りかけてスライスしたパンとともにがっついて平らげるのだ。イマジンイマジン!

内容量:418g
原材料名:トマトピューレ、スパゲッティ(小麦粉、卵白)、異性化液糖、チーズ、食塩、ぶどう糖、香辛料、バター、脱脂乳、クエン酸
原産国:米国


缶詰さん、外へ

2004-10-09 00:42:08 | 缶詰考察
 その昔、缶詰はキャンピングには必須アイテムであった。小さな缶切り一つあれば、調理の必要も後片付けの必要もない便利至極な食材だからだ。隆盛を誇っていた頃は五目飯や赤飯、スパゲッティなどもあったのだ。オレンジ色の木綿テントの中でわしわしと摂取したのは遙かな遠い日の記憶である。
 それが昨今はすっかり変わった。一部の心ない登山者によって放置された空き缶によって、缶詰は自然を汚す食べ物とまで言われたのである。ああ、罪を憎んで缶詰を憎むべからず。まあ登山やバックパッキングとなれば重量制限もあるわけだが。
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チリビーンズの缶詰を熱する 湯気の向こうにいっときの幸せ


 単独トレールにおいては、食品は殆どフリーズドライ製品となる。味よりも軽さ、調理時間の節約を優先するのだ。なんとなれば何日か食べ続けていくうちにどうしても飽きてしまうものだ。
 そんなときにご登場いただくのが我が缶詰さんなのである。他の持ち物を減らしても、その分お気に入りの缶詰を一つ持っていこうではないか。そうして「もうインスタントはこりごりだあっ!」と絶叫してテントを飛び出す前にひっそりと開けるのである。コンビーフ丸かじりでもいいし、トロピカルフルーツあたりにいってもいい。これは堪えられないよ。うん。

 こいつは『**国境を越えて**』「Barbecue Beans」~にトラックバック。


ローザ ツナグリーンカリー

2004-10-08 15:49:33 | 汁物

 ひと雨ごとに気温がぐっと下がってきた今日この頃、皆様はいかがお過ごしだろうか。
 私はこの夏、ヒグラシの声をついに聞くことがなかった。過ぎ去りし夏を求めて海に行かばひっそり閑としている。山はどうだと行ってみれば線路の脇にはコスモスが咲き誇っていた。失われたものはもう決して手に入れることは出来ない。

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 あっどうも秋風に吹かれてしまったようだ。いかんいかん。うそ寒いこんな日は、ホットなアイツにご登場いただくのが宜しかろう。即ち敬愛すべきブログ粋人dii-chaiさんからいただいたタイ産カレー缶の残り、ツナグリーンカリーだ。
 前回のスパイシーツナクリアカリーには完敗を喫した私だが、今回は違う。何と言ってもグリーンカリーだ。甘く優しいはずなのだ。しかしナベに投入してみると憶えのある強烈な匂いが立ちのぼった。お、おのれ負けるか勝負だあ。

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 勝負勝負と叫びながら、その実トマト2ケとカシューナッツを投入してしまった。即ち逃げである。だいぶ香りが柔らかくなり、色合いも生粋ジャポネが見ても逃げ腰になることのないところまできた。撮影を終えてから恐る恐る一口...。
 うんまい! こいつはイケる。赤唐辛子の香りが強いのはあのスパイシーツナクリアカリーと同じだが、グリーンピースや菜っぱが入っている分マイルドなのである。細切れトマト投入作戦も成功したようだ。どうやら今回の勝負は完全勝利である。タイ&ジャポネのタッグパワーで秋に望むことが出来そうだ。

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内容量:155g
原材料名:タイ語ゆえやはり判読不能 
原産国:タイ