缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

いなか風ボルシチ さよなら東急プラザ

2015-05-23 11:22:39 | 汁物
フルーツ缶と同じ4号缶仕様

 物事の終わりは哀しい。

 寝台列車が廃止されたとか、ジャンボジェット機が運航終了とか、そんなニュースを耳にするたび

「ああ、ついになくなってしまうのか...」

 嘆息してしまう。

 僕は寝台列車に乗ったことはないが、それでも、きれいに飾られた最終列車がホームを去っていく姿など見ると

「ああ、何とか存続はできなかったのか」

 と切なくなる。

 鉄道ファンが、涙を浮かべながら手を振って見送る姿を見て、思わずもらい泣きしたりする。

 と、ここで話しは缶詰に移る。

 画像は、東急プラザ渋谷にあったロシア料理店・渋谷ロゴスキーの缶詰『いなか風ボルシチ』である。

 お店の味が家でも手軽に食べられるという、嬉しい缶詰である。

 しかし、東急プラザ渋谷は3月22日に閉館してしまった。

 物事の終わりは哀しい。実は渋谷ロゴスキーに行ったことはないが、東急プラザ渋谷には想い出がたくさんあるのだ。

 

常温でもいい香りが立ち昇る

 ぱかりと開缶。

 透き通った赤い汁が鮮やかだ。ビーツの色素から出た色でありましょう。

 

弱~中火がよし

 鍋にあけ、缶に半量の水を足して、くつくつと温める。

 

これでだいたい半量くらい。たっぷり2人分が作れる

 生クリームを垂らして、かくのごとし。

 ひと口頬張ると...。むっ、実にウマいです。

 ほどよい酸味があるところに、生クリームがかかったところはミルキーさが加わっている。

 じゃがいもが美味しい。口の中でさらりと溶けていくのは男爵らしい食感だが、それでいて煮溶けていないのは見事であります。切り口の角も立っているし、よほど下拵えが丁寧になされているのが判る。

 にんじんも同様で、汁のうまみをたっぷり吸っているのにちゃんと歯応えもある。牛肉はすね肉あたりだろうか、部位は判らないが歯応えがあって野趣が香る。

 製造を手掛けたのはエム・シーシー食品。新幹線の食堂車にカレーを収めたり、東京オリンピックの選手村で、当時は珍しかったいちごジャムを収めたりした実績がある。日本の洋食界をリードしてきた神戸の素晴らしい企業であります。

 

 東急プラザ渋谷はなくなってしまったが、渋谷ロゴスキーは移転準備中だそうな。

 新店がオープンしたら、今度はお邪魔してみようと思う。

 

内容量:450g

原材料名:

野菜(キャベツ、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、ビーツ)、トマトペースト、牛肉、ブイヨン(牛筋肉、牛骨、鶏がら、牛肉、たまねぎ、にんじん、セロリ、なたね油、香辛料、ガーリック)、食塩、ラード、醸造酢、砂糖、小麦粉、ガーリック、ポークエキス、香辛料、ナチュラルチーズ、たん白加水分解物、酵母エキス、ビーフエキス、でん粉、調味料(アミノ酸等)

原産国:日本

販売価格:885円(税込。公式直販サイトで買えます

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 


フィスクブッラル スウェーデンの愛らしい缶詰

2013-03-15 15:20:31 | 汁物
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日本でツナ1号缶と言われる大型缶だゾ


 最近は暖かい日と寒い日が交互にやってきて、どうにもならぬ。
 まずは体調管理に気を遣わねばならぬ。
 しかし、何を着たらいいかよく考えねばならぬ。
 花粉にも気を遣わねばならぬし、今年はPM2.5などという微粒子にも気を遣わねばならぬ。
 会津人じゃなくたって
「ならぬものはならぬ」
 のであります(意味混迷)。

 暖かいのか寒いのかよく判らないのなら、いっそのこと、うんと寒い国の缶詰を食べてみようではないか。
 その国とはABBAとIKEAとH&Mを生み出した国、スウェーデン。その缶詰の名は、フィスクブッラル。




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 さっ、本日も開缶!
 なにか、すごくぷるぷるしてます。
 気温が低いためかもしれないが、まるでムースのようにぷるぷるしてます。
 そこからタラのような匂いがしております。




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 これを鍋にあけ、温める。
 ぷるぷるの下から、魚のすり身がごろっと出てきた。
 このフィスクブッラルはスウェーデン出身の映画コメンテイター、LiLiCoさんからいただいたものだ。
 いわく、
「鍋底にくっつかないよう中火で温め、マッシュドポテトと一緒に食べてください」
 とのこと。
 そうだ、マッシュドポテトを用意するのを忘れていた。
 忘れていたけど、鍋から離れるわけにはならぬ。焦がさぬよう、かき回さねばならぬ。




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 かくのごとし。
 マッシュドポテトを忘れたままだったが、このまま試食に進むことにする。
 仕上げに黒コショウを挽いて、ひと口...。
 むっ。スープは魚介のダシが利いている。これはロブスターソースだそうで、魚とロブスターが合わさったダシということになる。
 丸っこいのは魚のすり身で、使われている魚は
「うん、多分タラだろうな。あるいはオヒョウガレイかな...」
 と推測できるものであります。
 しっかりと塩味が利いているので、これはマッシュドポテトと一緒に食べたらいいと思う。
 ほくほくと粗く仕上げたマッシュドポテトに、このスープを掛けながら食べたらもっと美味しいと思う。
 やはり、人の言うことは素直に聞かねばならぬ。
 なのでこれからスーパーに行き、お総菜のマッシュドポテトを買ってこようと思う。





 追記:マッシュドポテトと一緒に食してみた。
 こってりとしたロブスターソースは、あっさりしたマッシュドポテトとの相性抜群であります。

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 内容総量:375g(たっぷり!)
 原材料名:スウェーデン語なので不明
 原産国:スウェーデン(Abbaという水産加工メーカーなのだ!)





沖縄ホーメルのビーフシチュー缶

2011-12-24 09:09:04 | 汁物

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沖縄は12月でも上着いらず

 クリスマスであります。
 今年は大変な一年だったけど、この日だけは
「笑顔で過ごしてもいいんじゃない」
 そういう節目であります。
 そこで、クリスマスらしい缶詰を開けようと思い立ち、品定めをした。
 品定めをしたついでに、その製造企業を訪ねようという気が起こった。
 なので早速、羽田からヒコーキに乗って、高度1万2000メートルをすっ飛んでいった。
 その訪問先は沖縄ホーメルであります。




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受付前には巨大スパム®缶があった(実は机)
案内をしてくれたのは上原永司課長




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エメラルドに輝く中城湾のすぐそばという立地
工場内もしっかり見学させていただいたが、
秘密のノウハウぎっしりなので非公開としたい




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応接室に並ぶ商品群




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スパム®は米国ホーメルからの輸入販売だ




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トニー賞受賞のミュージカル「スパマロット」記念缶
日本でも1月9日(月)~1月22日(日)に公開されるゾ




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沖縄ホーメル社長の比嘉昌治氏にもお会いできた




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 ということで、気温も人も暖かかった沖縄を想い出しつつ、開缶するのはビーフシチュー缶。
 言わずもがな、沖縄ホーメルの製造であります。
 彼の地ではポークランチョンミート、ツナ、コンビーフハッシュに続いて人気の高い缶詰らしい。




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上部より底部の径がわずかに狭い
だからこうしてきっちり重ねられる
これが実はすごく助かるんです




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イージーオープンじゃないのでキコキコ開けよう




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開缶! 薬師丸ひろ子さん、お元気ですか




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鍋に移してぐつぐつ温める
冬はスロークッキングが心地よい
(缶詰クッキングだけど)




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 かくのごとしでメリークリスマス!
 具はジャガイモ、人参と牛肉が入っているのだが、その牛肉のボリュームがすごい。掘っても掘っても肉が出てくる。
 そこに彩りとして、蒸したカボチャとブロッコリーを添えた。
 それでは早速、ひと口...。
 やっ、これはトマト味のシチューであります。通常、ビーフシチューというと焦げ茶色のデミグラスソースが使われるが、このホーメルビーフシチューは違う。トマトの柔らかい酸味が利いたさっぱり味であります。
 筆者はキャンプに行くと、よくこういう料理を作る。深鍋で肉・野菜を炒めた後、トマト缶をブチ込んでぐつぐつ煮込むのだ。
 そういう素朴な風味が、このビーフシチュー缶で味わえる。
 なお、缶詰独特の匂いが気になる方には、ナツメグを振りかけるのをオススメしたい。
「ちょっと利かせすぎかな?」
 くらい多めに振りかけるのがコツであります。




 内容量:360g
 原材料名:牛肉、野菜(ジャガイモ、人参)、でん粉、トマトペースト、食塩、香辛料、砂糖
 製造国:日本(沖縄県・沖縄ホーメル
 参考価格:500円程度






ツナとタイカレー缶

2011-12-18 10:56:04 | 汁物

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2011年9月発売。味は本格派

 タイ料理の魅力は、スリランカと並んで世界一と言われる辛さがまずある。
 そこにレモングラスやコブミカンの爽やかさ、さらにココナツミルクの甘い香りが加わるから、その風味はいかにもエキゾチックだ。
 我が国でもすっかりタイ料理が定着した。缶界(缶詰業界)でもトム・カー・スープグリーンカレーなど、本場タイランドからタイ料理缶が輸入されているのだ。
 いや、それにしても...!
 ホントにタイ料理は辛い。今、前出のリンクを貼るために過去記事を眺めたのだが、グリーンカレーなどは思い出すだけで発汗してしまった。
 しかし今回ご紹介するタイカレーの缶詰には、そこまでの激烈な辛さはない。日本企業が手掛けたとても美味しいカレー缶だ。




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ツナ缶大手いなば食品が作るツナとタイカレー
まずは湯煎して熱々にしてやる




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業界で言う箸上げの図。これはレッドカレー




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 かくのごとし。今回はレッドカレーをご紹介しております。
 それでは早速、ひと口...。
 むっ、充分に辛い、しかしレロレロになるような辛さではない。辛さの内部にうま味、コクが含まれていて
「辛いけどやっぱウマいや!」
 快哉を叫びたくなるお味であります。
 手で千切ったというツナ(カツオ)は、噛みしめるたび、じゅわっとカツオのいい味が湧き出してくる。
 これが100円程度で買えるんだから、コストパフォーマンスは素晴らしくいい。
 あとはパッケージデザインがもっとエキゾチックだったら、言うことないなァ。




 内容量:125g
 原材料名:かつお、ココナッツミルク、レッドカレーペースト(にんにく、唐辛子、レモングラス、食塩、ガランガル、こぶみかんの葉、シャロット、ムング豆)、砂糖、大豆油、唐辛子、こぶみかんの葉、増粘剤(加工デンプン)、クエン酸(レッドカレー)
 原産国:タイ(製造・販売いなば食品






早朝、目覚めてスープ缶

2011-09-29 10:11:48 | 汁物

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簡素で力強いデザインが秀逸

 喉の渇きで眼を覚ますと、早朝の4時半であった。
 台所で水を飲み、ついでにトイレを済ませて布団に潜り込む。
 最近は、明け方が寒くなった。布団のぬくもりがありがたい。
 枕の心地よいくぼみに頭を落ち着けたとき、ふと、目覚め前に見ていた夢を思い出した。
 打合せの約束を忘れていて、先方から電話が掛かってきたのだった。僕は謝りつつ、次に会える日を再設定するという内容だ。
 携帯を片手に、手帳の頁を手繰るのだが、いつに予定すればいいのか。
 なぜか、ぜーんぜん分からない。
「えーと、すみません。何の打合せでしたっけ?」
 ひや汗をかいたところで目覚めたのだった。
 実際、ここ2カ月くらい、イベントの企画や雑誌の監修が立て込んでいる。
 そんな現実のスケジュールを思い浮かべていると、とうとう本当に眼が覚めてしまった。
 外も明るくなってきた。しょうがない。熱いスープでも飲もうか。




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外国缶の魅力はこんなところにも
英字表記が何だか楽しいのだ



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すさまじきもの、低温で固まったスープ缶
ちょっと藁っぽい匂いがしている



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 水で薄めて加熱する。さっき感じた藁っぽい匂いは、マッシュルーム独特の匂いだったことが分かる。
 しかし生のマッシュルームとは違って、一寸饐えたような匂いに感じる。
 牛乳を足し、黒コショウを振ると俄然、風味が良くなった。




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 かくのごとし。
 残っていたパンをトーストし、スープに浸して食べることにした。
 では、失敬していただきます。
 むっ。コクがありつつ、適度にさらっとしている。通常ホワイトソースにはバターが使われるけど、そのクドさがないのが好ましい。
 マッシュルームは細切れで柔らかく、歯応えはないが風味が味わえる。1缶で4人分作れるから、やはりスープ缶は便利なものであります。

 外では車のラッシュが始まった。ついさっきまで感じていた、澄明な早朝の雰囲気はすでになくなってしまった。
 せっかくの自分だけの朝だったのに。
 しょうがない。今日も日常に立ち向かいますか。




 内容量:305g
 原材料名:水(アメリカ缶は水も原材料表記するのだ)、マッシュルーム、植物油、加工でん粉、小麦粉、2%以下に牛乳、塩、脱脂粉乳、グルタミン酸Na、大豆タンパク質、酵母エキス、スパイスエキス、乾燥ガーリック
 原産国:アメリカ(ニュージャージー州、キャンベルスープカンパニー