缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

新食感登場! のりジャム

2010-09-23 11:57:12 | スプレッド

20100710img_7555

 読者諸賢よ!
 この瓶詰をよーく見ていただきたい。
 見た目は海苔の佃煮そのものだが、ラベルに“海苔屋の夢”と書いてある。
 夢というのは、一体、どんな夢だろうか。
 それに、“のりジャム”とは一体何だろう。
「海苔の佃煮なら知ってるけどな。ありゃ、あれだ。飯のお供だろ」
「そうそう、あのしょっぱい味付けが白飯に合うな」
「酒の肴にもその、ちょいといいやね」
 これが世間一般の、海苔の瓶詰へのイメージだ。
 しかし、これはジャムだという。
 ジャムというからには甘いのだろうか。
 その甘い海苔を、食パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜ込んだりするのだろうか。
 どうも想像し難い。
 これは千葉在住のニシカタ氏が送ってくれたもの。缶謝多謝です。




20100710img_7556
開瓶! 見た目は海苔の佃煮そのものだ
磯の香りも海苔そのもの。ホントにジャムなのか?




20100710img_7558

 かくのごとし。
 海苔をヨーグルトに乗せるのは、生まれて初めてである。
 まったく味の予想が出来ないまま、失敬してひと口...。
 ふふふ。
 あっははは。ナンだ、これ。
 味はリンゴジャムそのもの。甘酸っぱいです。
 しかし、鼻から抜けるかほりは、あの香ばしい海苔のかほりなのであります。
 未体験すぎる味に笑ってしまう。あっははは。
 そして、その不可思議な味を確認したくて、また食べる。
 するとまた、笑ってしまう。
 そうかそうか、海苔屋の夢とは、人類を笑わせ幸せにすることだったのであります。
 わっはははは。




 内容量:100g
 原材料名:リンゴ、砂糖(甜菜糖)、ブドウ糖果糖液糖、のり、レモン果汁
 原産国:日本(販売・千葉県富津市 まごころ一級屋








ウィルキン&ソンズのレモンマーマレードで缶詰の歴史を知る

2010-08-29 14:10:22 | スプレッド

20100810img_8003
英国王室御用達のレモンマーマレード
ちょいとブルジョアな雰囲気だ

 そもそも、缶詰のはじまりは1804年。
 フランスの料理研究家、ニコラ・アペールという人が、料理を瓶詰にしたのが最初であります。

 折しもフランスは激動の時代。
 1789年に勃発したフランス革命にも参加していた彼は
「密閉・加熱すれば食品は腐らないはず」
 と、調理済みの食品を入れた瓶を密閉し、瓶ごと煮沸するという実験を行っていたのだ。
「戦地の兵士たちが、栄養豊富で安全なものが食べられるように...」
 という熱い思いがあったのだと、筆者は推測するのである。それが1794年頃のこと。
 そして、翌年1795年。
 フランス政府が、陸軍の糧食に必要な食品保存技術を募集し始めた。
 ニコラ・アペールはこれまでの研究を元に、1804年にパリ郊外マシーに保存食品製造所を造る。ここで製法を確立した瓶詰で、前述の募集に応募、12,000フランの賞金をもらったということであります。
 つまり、缶詰の原型は瓶詰だったのでありますなァ。




20100810img_8004
開缶ならぬ開瓶! 中身が見えてるから感動は少ない

 さて、缶詰の父ともいえるニコラ・アペールは、どんな瓶詰料理を作っていたのか。
 (社)日本缶詰協会では、2004年(缶詰生誕200周年)に、当時のレシピを再現している。
 それにはポトフ、コンソメ、ジュリエンヌ(野菜スープ)、イチゴピューレなどがあるが、イチゴピューレというのはジャムと同じ製法だ。
 何となれば、今日我々が目にする瓶詰ジャムというのは、缶詰の元祖でもあるのだ。




20100810img_8005

 かくのごとし。
 爽やかなレモンの酸味が、食欲をそそる。
 そして、舌に残るほのかな皮の苦み。
 その切ない苦みからは、あの激動のフランス革命や、その後のナポレオンの隆盛なぞが想起されてくる。
(ナポレオンはコルシカ島の出身だったのだよな。それがオーストリアやイギリスとの闘いで頭角を現し、ついにフランス皇帝にまで成り上がったんだな)
 筆者は、朝から想像をたくましくする。
 このウィルキン&ソンズはイギリスの商品なのに、フランスの歴史に思いを馳せることも可能なのだ。
 甘さも控えめで、ちょいと美味いもんですぞ。




 内容量:340g
 原材料名:砂糖、レモン、酸味料、ゲル化剤(ペクチン)
 原産国:英国




京都の金時人参ジャム

2010-06-12 09:44:06 | スプレッド

20100605img_7174

 こちらは、京都の美味しいものを知り尽くすにしかはさんが送ってくれた、ニンジンジャム。
 京野菜の金時人参を使っているのだ。
 京都というところは、他の地域にはないパワーがある。
「これはね、丹波口通大宮西入にある老舗のお漬け物で...」
 とか、
「西京区の大枝塚原いうとこで朝堀りしたタケノコですわ」
 とか言われちゃうと、もう自動的に美味しそうだと思えてしまう。

 


20100605img_7175

 パキッと開瓶。
 見た目は極めて鮮やかな離乳食、という印象。
 予想以上に人参の香りが濃厚であります。




20100605img_7177

 かくのごとし。
 大手メーカーのバターロールに塗りつけて、本日の朝食とした。
 ひと口頬張ってみると...。
 やつ、何と濃厚なお味でせう。そして、胸がキユンとなるやうな甘酸つぱさ。
 美味しさのあまり、旧仮名遣いになってしまった。
 これ、確かに人参の味であります。そこにレモンが加わって、野菜のような果実のような爽やかな風味なのであります。




20100606img_7183

 最後にリリーのパインアップル缶でヨーグルトを食べて、本日は缶詰・瓶詰を活用した朝食となった。
 野菜(ジャム)に乳製品に果物、炭水化物(パン)だから、栄養のバランスもいいんでない。




 内容量:150g
 原材料名:金時人参、砂糖、水あめ、レモン果汁
 原産国:日本(京都市、京野菜工房 文蛾
※原産国とは、製造会社あるいは販売会社の本社所在国のことです。




デュワッ!

2005-08-02 16:28:14 | スプレッド
cansultraman1

 八月を迎えた。
 梅雨らしい雨もないのに、気の早い台風が上陸したり、首都圏に大きな地震があったりと、先月からは何だか精神的に慌ただしい心持ちが続いていた。
 このような天候不順災害ユウウツには、なんと言ってもウルトラマンの助けが必要だ。もう、誰に訊いても
「そうだ、ウルトラマンは一体どこだ!?」
と高圧鉄塔の上方あたりをお探しになるはずである。絶対そのはずである。
 え~、だからして、dii-chaiさんのお土産の中から、まずはウルトラマンの商品を開けますよ...。

cansultraman2

 このオマケ付き食品パックの中身は、クラッカーと缶詰さんであった。きちんと缶詰商品を選んでいるあたり、さすがdii-chaiさんである。
 缶詰さんはツナとコーンを中心としたスプレッドで、これを「クラッカーにつけて食べたまへ」ということらしい。こんな米国風の食べ方が子供向け商品になっているあたり、タイ国は、やはり我が国の食文化とだいぶ違うようである。
 クラッカーはどこから見てもナビ○コさんに思えるのだが、いいのかなぁ。いいのだろうなぁ。

cansultraman3

 オマケはウルトラセブンであった。デュワッ! セブンはウルトラ兄弟の中でも一番好きである。実にツイている。
 大きさが程良いように思われるので、これは今後チェスを打つ折にポーンにでもなっていただこうかと思っている。ポーンとは言え、最強ポーンになるやも知れぬ。チェスを通じて我が部屋の平和を守ってもらうのだ。
 何ともスケールの小さな話しではあるが。


内容量:印字が小さいしタイ語ゆえ不明
原材料名:同理由にて不明
原産国:タイ

追:この記事は『チャイディーな世界』“ヨーヨー”に食玩的トラックバック。


Eger オリーブオイル・スプレッド

2005-05-12 15:22:58 | スプレッド

 この記事は『がんばらないで、やせよぉ』“テラス オン・ザ・ベイ”、『熱中生活を、勝手に応援させてもらうよ』にトラックバック。

canseger1250

 その日、私たちは仏料理屋へ上がった。店は東京湾に面したホテルに入っており、居心地の良い、こぢんまりとしたスペースを持っていた。窓外には暮れゆく湾内の風景と、対岸の日本電気や東芝のビルが良く見えた。
 暖めたパンが配膳されたとき、ウエイターが皿に盛った薄緑色のペーストを持ってきた。
「こちらはオリーブオイルです。乳化剤を用いてバタのようにして御座います」
「やあ、珍しいな」
「本当ね、あたしこんなの初めて見てよ」
「美味いな。味はやはりオリーブオイルみたようだ」
「大変ありがとう御座います」
 本格的なフランス料理を食べるのは、初めてのことだった。しかもメニューは男女別に二冊あり、男用のものにだけ値段が書かれているような店だ。私はなるたけ安い料理を選んで注文しておき、あとはテエブルマナーをへましないようにと思っていた。

canseger2400

 しかし店員たちは意外にも人なつこかった。ボルドォの酔いも手伝って、私のこわばった舌もゆるんできた。一番陽気なウエイターと冗談を交わすようにもなった。彼はこれからソムリエの試験を受けるんだと言って張り切っており、最後にチーズを試しているとき、これにはこのワインなぞと言って何種類か試飲させてくれた。どれも美味いワインで、私たちは充分に酔い、かつ交流を楽しんだ。

canseger3400

 さて、会計の際にはホテル用クーポン券を使用した。連れが持っていたもので、そんなものがなければ私はフランス料理なぞ喰いに来なかったであろう。合計金額は目玉の飛び出るようなものであった。
「おや、お客様。このチケットでは少々多すぎます。しかしお釣りは出せませんし、さてどうしたものだらう」
「満腹で、もう何も入らない」
「追加いただくほどの金額では御座いません。あっそうだ、あのスプレッドはお気に召しましたか」
「なかなか美味かったよ」
「ああ良かった。少々のお待ちを」
 暫くして彼が持ってきたものが、この瓶詰めさん『Egerオリーブオイル・スプレッド』だったのだ。
「これは、ささやかながら私からの贈り物です」
 贈り物というのは、つまり余った金額以上のものをくれたわけだ。先ほどのプレーンのオリーブオイル・スプレッドと、それにガーリックを加えた別バージョンのものと、二つ。どうやらここで販売しているらしい
 私たちが店を辞去してからも、彼はずっと見送ってくれた。狭い廊下で、最後には大きく手を振った。私たちは腹も心も満たされて、モノレールに乗って台場をあとにした。

内容量:160g
原材料名:オリーブオイル、乳化剤
原産国:ギリシア
追:乳化剤は脂肪酸などだそうです