缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

『缶詰の現場から』トーアス本社工場

2015-12-19 16:19:16 | 取材もの 缶詰の現場から


2015年2月1日発売の「どこでもスイーツ缶・チーズケーキ」

 

読者諸賢よ!

今年最後の記事は取材もので締めくくりたい。愛知県豊川市にあるトーアスにお邪魔してきたのだ。

ここで作られているチーズケーキの缶詰が、すごいのである。

缶の中に、チーズケーキの生地を入れてフタを締め、密封してから缶ごと加熱して、焼き上げるのだそうな。

つまりはベイクドチーズケーキということになる。

恐らく世界初となるこの製造方法は、一体どんなものか。

見たい。見たいが、もし秘密の工程ばかりだと、きっと見せてくれないだろう。

恐る恐る取材をお願いすると

「いいですよ。どうぞどうぞ」

あっさり許可が出た。予想外の対応である。

(しめしめ。相手の気が変わらぬうちに...)

と、早朝の新幹線ひかりに飛び乗ったのだった。

トーアス本社と、本社工場

 

ここがチーズケーキ缶の製造現場だ!

 

原料のチーズや小麦粉、鶏卵などを配合してるところ

 

上記をミキサーで混ぜ合わせる

 

少量ずつ混ぜ合わせるので、途中で何度か材料を追加する

 

やがて、とろとろの生地が出来上がる

 

それを頭上にある箱へ入れて(手作業であった)

 

缶へ注入! ホントに生地から作ってたのだなァ

 

フタをはめ、中の空気を抜きつつ、巻締めて密封

このあたり一帯は洋菓子店のような甘い匂いがしているのだった

 

密封された缶は一度、熱湯できれいに洗う

 

かごに並べ入れて...

 

レトルト殺菌釜へ投入。120℃近い温度で加熱する

 

であるからして、フタの裏側には香ばしい焦げ目が...

 

こうして出来上がるのが、世界初のチーズケーキの缶詰であります。

お味はこってり濃厚で、かつ、レモン果汁の爽やかな風味もあり、実にウマい。

それにしても、なぜこんな凝ったものを作ろうと思ったのか。

販売会社であるトーヨーフーズのS川氏にお聞きすると、

「災害時にスイーツがあれば、きっと心が潤うはず」

との一心で開発したそうだ。

災害時に役立てるのであれば、パッケージは丈夫で長持ちする缶詰でなければならぬ。

長期保存しても、食感は滑らかなまま保たれなければならぬ。

味は、万人に好まれるよう甘さと酸味のバランスがとれたものがいい。

そんな目標を立てて開発に臨んだが、当初は焼け具合にムラが生じるなど、かなり苦心されたそうだ。

このチーズケーキは「どこでもスイーツ缶」というシリーズで売り出されている。

チーズケーキのほか「西尾抹茶のチーズケーキ」と「ガトーショコラ」もある(トーヨーフーズの直販サイトで購入可)。

 

同社はこれまで、生協や大手メーカーのOEM製造を担ってきたが、この「どこでもスイーツ缶」は初の自社ブランド缶詰になる。

S川氏によれば、

「これからも唯一無二の缶詰を作っていきたい」

とのことである。今後も楽しみではないか。