缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

蒲焼三兄弟 めんどうみたヨ

2007-12-13 12:08:05 | 魚介

Kabayaki1400

 さ、さ。こうっと、おいでなさい。
 ずらりと並び出でたる、蒲焼缶詰たち。
 本日はさんま蒲焼2品、あなご蒲焼1品を、一気にご紹介しちゃうんであります。




Kabayaki2400

 まずはちょうした(田原缶詰)さんのさんま蒲焼。
 甘辛い砂糖醤油の匂いと、“煮しめた”ような独自の匂い。これぞ
「ザ・さんま蒲焼缶」
 という商品であります。
 エクステリアの形状や色合いから、どこか郷愁を感じられるところも、ちょうしたさんの大きな魅力であります。
 しかし開缶はモダーンなプルトップ式。




Kabayaki3400

 次にニューフェイスのニッスイさん。『昔なつかしい缶詰』シリーズであります。
 こちらはちょうしたと違って、さんまのワタや血合い、皮の匂いが感じられます。タレは甘さのない、醤油がメインの匂い。
 身を引き上げると、なんとさんまを背開きして、腹の部分がつながった状態でパッキングしております。
 どことなく高級感、おトク感が沸き上がってきますです、はい。




Kabayaki4400_2

 キョクヨーさんからは唯一、あなごの蒲焼をピックアップ。「三陸産洞あなご」と書いてあります。
 さんまと違ってやや動物的な匂い。同時に、香ばしい骨の匂いもしております。
 タレの色は濃いけど、濃度は低め。つまりさらさら。




Kabayaki5400

 かくのごとし。本日のランチは蒲焼三種丼なのであります。
 それでは失敬して、一口...。まずはニッスイさんから(一番左側)。
 つながった腹部分の皮が、箸でさわるととろとろとはがれる。噛むと脂もにじみ出てきて、この腹部分はかなり美味いです。
 タレは思ったより濃くなく、さんまの風味を前面に押し出した様子。背のほうの身もふっくらしていて文句なし。
 さすが後発メーカー、心ニクい演出であります。

 真ん中のキョクヨーさん洞あなごは、蒲焼きとはいえさんまとはまったく違ってあっさりしております。
 箸でさっくりとちぎれる身と、香ばしくほろほろ崩れる骨。両者があなご特有の脂にまみれ、渾然一体となっております。
 タレは見た目と違ってかなり甘辛い。脂っこいあなごの身にタレは染みないので、周囲にまとわらせて食するという手法であります。

 そして大御所、ちょうしたさんのさんま蒲焼。
 ニッスイさんと違って、しっかりみっちりした歯ごたえの身。皮のとろとろは少なし。
 中までしっかりとタレが染み通っていて、
「そうそう、こんな風に味が染みてたなァ」
 と懐かしさがこみあげてくるお味。
 んぐんぐ感(喉につまる悦楽)が強く、
「そうそう、これでご飯食べると、んぐんぐするんだよなァ」
 そういう醍醐味が味わえます。
 こちらは三枚おろしの半身が4枚入っている。量としては2尾分なので、ニッスイさんと同じであります。
 なお、あなごにはしょうが、さんまにはワサビを添えてみました。
 焼いたさんまにワサビなど考えられないけど、蒲焼にはよく合うんですぞ。

「バカバカしいかな...」とも思ったこの企画ですが、ともかく...。
 みんなまとめて、めんどうみたヨ~。




 内容総量(固形料)、原材料名は以下の通り
 ちょうしたさんま蒲焼
 さんま、醤油、砂糖、水飴、みりん、糊料(グァーガム)、調味料(アミノ酸等)
 100g(80g)

 ニッスイさんま蒲焼
 さんま、砂糖、醤油、寒天
 100g(80g)

 キョクヨー洞あなご蒲焼
 ほらあなご、砂糖、醤油、発酵調味料、うなぎエキス、でん粉、酵母エキス、食塩、しょうが、増粘材(グァーガム)、甘味料(甘草)、調味料(アミノ酸等)
 100g(80g)



追:この記事は『OUTDOOR』“燻製 オイル漬けの牡蠣”にトラックバ~ック!




缶詰のある風景『二つのこころのある川』続編

2007-12-03 12:42:51 | 連載もの 缶詰のある風景

Apricots1300

 コーヒーの沸くあいだに、ニックは杏の小さな缶詰を開けた。彼は缶詰を開けるのが好きだった。ブリキのコップに、シロップごと、中身をすべて開けた。火の上のコーヒーを見守りながら、彼は杏のシロップを飲んだ。最初はこぼさぬように注意深くシロップをすすり、そのあとは黙想にふけりながら杏を口に入れたのだ。杏は、生のものよりも味が良かった。
アーネスト・ヘミングウェイ『二つのこころのある川』訳/はやと

 この『缶詰のある風景』シリーズでありますが、どうもこの、ヘミングウェイからの出典が多いようであります。
 それは筆者がヘミングウェイを好きだからでもあるし、またキャンピングで缶詰を開けるシーンがよく登場するからでもあります。
 さて、このシーン。
 我が缶詰さんが、実にいい脇役を演じているとは思いませんか。
 夜のしじまに、焚き火のかたわらで開ける缶詰は、意外にもこんなシラップ漬けのフルーツ缶が合うんです。
 晩秋の書斎で、孤影悄然とサンマ缶をつつくのも捨てがたい魅力だけれど、何といっても缶詰さんの活躍する場所はキャンプなんであります。
 丸太や草の上にポンと置かれたその姿からは、缶詰たちの喜びの声が聞こえてくるようです。




Apricots2400

 なーんて書いておいて、本日も室内なんであります。
 ニックのようにわくわくしながら開けてみると、なんとも愛らしい杏ちゃんがずらりとこっちを見上げております。




Apricots3400

 こやつを、ぽちゃりぽちゃりと牛乳に投入。
 あっ、牛乳があとのほうが良かったですな。





Apricots4400

 ついでにヨーグルトも投入。
 中身が少なくなって、汁が多くなったところを使うとモアベターであります。





Apricots5300

 そしてマシーンで高速かき混ぜの儀。
 最近、我が家にはこのフードプロセッサーみたいのが登場したんであります。
 いろんなことが短時間にできて、ともかく便利。





Aprocots6300

 かくのごとし。
 屋内で杏缶を食べても芸がないので、スムージーというやつを作成したんであります。
 おそらく、ニックの時代にはこんなものはなかったでありましょう。
 では、失敬して一口。
 やっ。意外と甘みが感じられない。
 シラップを追加してから再び高速かき混ぜの儀。今度はうまくいきました。
 杏のかほりと、ヘビーシラップの甘み。そこにヨーグルトの酸味と牛乳のコクが加わって、なかなか美味い飲み物であります。
 あらためて、缶詰から杏を拾い上げて口中へ。
 ニックのいう「生のものよりも味が良かった」という表現は、少し分かるような気もする。
 しかし、やはりこいつはキャンプで食べた方が美味いようであります。次回はぜひとも、風に吹かれながらシラップをすするんであります。




 固形量:240g
 内容総量:420g
 原材料名:あんず、砂糖、塩化カルシウム
 原産国:南アフリカ(S&W)