缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

I LIKE SPICY 再び

2015-08-23 13:09:54 | 穀物

 このブログで、同じ缶詰が二度登場することは、滅多にない。

 その、滅多なことが起こってしまった。

 2005年10月に紹介したタイの『I LIKE SPICY』が、再び登場したのであります。

 中身はタイ米を使ったバジルライス。日本では未発売だが、とにかく激ウマの缶詰だ。

 

 常温でも食べられるし、温めるなら熱湯に3分入れればよし。

 電子レンジなら耐熱容器に移し、温度設定は中、それで1~2分加熱せよとある。

 

 僕はだんぜん、湯せん派である。

 この缶詰は内容量300グラムと大きい。ご覧の通り、片手鍋では缶の1/3が湯に浸からない。

 そこで湯せん時間を5分にし、ときどき缶を立てたり寝かせたりした。

 

 これが温まったところ。

 このタイ米は玄米らしいが、表面がつやつやと輝き、いかにも柔らかそうである。

 試しに耐熱容器に移し、電子レンジで加熱してみたら、タイ米独特のぱらりとした食感が失われ、べちゃっとなった。

 

 かくのごとし。

 バジルの芳香の中に、すこし酸味を感じられるのがエキゾチックである。

 ひと口頬張れば...。嗚呼。

 ピリ辛のタイ米はふっくらとしており、何やらタイランドっぽいスパイスが利いている。

 食べ進むうち、いつの間にかじっとり汗をかくほどの辛さだ。

 米の合間に見える肉っぽいのは、原材料によれば植物性タンパク質を加工したもの。

 食感は肉のように弾力があって、食べ応えがある。麺筋というグルテンで作った台湾の食べ物によく似ている。

 

 この缶詰はタイに行かねば買えなかったが、三幸貿易の伊藤さんが輸入できないか工作中である。

 何とか実現して欲しいものであります。

 

 

内容量:300g

原材料:玄米、バジルの葉、炒った唐辛子、植物性タンパク質加工品(本文参照)、大豆ソース、植物油

原産国:タイ(KHUN PERM)

 

 


鯨アヒージョ缶、試作からレポート その1

2015-08-04 08:50:38 | 

読者諸賢よ!

「金華さば味噌煮」で知られる木の屋石巻水産で、新たな缶詰の開発が始まった。

それは鯨のアヒージョ缶であります。

これまで鯨缶といえば、甘辛く煮付けた大和煮がほとんどだった。しかし僕は密かに

(あの脂の乗った鯨肉でアヒージョを作ったら、ものすごくウマいだろうな・・・)

目論んでいたのだ。

その思いを昨年、同社の開発担当S氏に話すと

「やってみましょう!」

と、とりあえず試作をすることになった。

そうして出来上がった試作品がこれ。試作であることを示すため、フタには大きく“バツ”印がつけられている。

 

 

ぱかっと開缶!

フタを開いた刹那、にんにくとオリーブオイルの芳香が一気に拡がった。

モーレツに食欲をそそる匂いであります。

 

 

かくのごとし。

鯨肉の表面が白っぽくなっているのが興味深い。箸で割ると、中の身はもっと濃くで鮮やかな色合いである。

これはオリーブオイルで煮たことによるのだろうか。

こうして皿に盛りつけると、ますます匂いが発散し、もう、我慢がならぬ。

大きな切り身をひと口、ぱくり...。

むっ。これは、ウマい。

にんにく、唐辛子、オリーブオイルというアヒージョ特有の香りが口いっぱいにふくらんで、笑いながら鼻腔から抜けていく。

弾力のある肉を噛んでいると、例のワイルドな鯨の匂いが立ち昇ってくる。

しかし、大和煮よりもずっと穏やかである。

塩味がやや薄い。薄味好きの僕にはちょうどいいが、製品化するにはもう少し塩分を足した方がいいだろう。

なぜなら、加工食品というもの、薄味だと

「味が薄い。パンチがない」

という評価につながることが多いのだ。

逆に、しっかりと濃い味にすると、不評は少なくなるという。

ともあれ、これは試作段階でのレポートである。これからどんどん味がブラッシュアップされていくことであろう。

そんなことを頭の片隅で思いつつ、鯨肉を夢中で噛みしめ、飲みこむ。

突然、脳が指令を出した。

(ビールを摂取せよ!)

その指令に素直に従い、冷蔵庫から冷えすぎビールを取り出して、んぐんぐ...。ぶはーっ。

そこにまたまた鯨肉を追加投入。

まさに至福であります。

 

木の屋石巻水産は、大阪の辻学園 調理・製菓専門学校と、新たな鯨缶を生み出すべく共同開発を行っている。

同校生徒が試作した8品の中にも鯨アヒージョがあり、それは校内コンペで最優秀賞を受賞したのだそうな。

さもあらん。やはり、鯨肉はアヒージョと相性がいいのだ。

同社は現在、辻学園から監修を受けつつ、商品化を目指している。

そこで僕は、さらに別バージョンの試作も提案してみた。

あらかじめ鯨肉を砂糖醤油に漬けこんでから、アヒージョに仕上げるのだ。いわば和テイストのアヒージョである。

これもいずれ試作品が送られてくると思うので、またレポートしたいと思う。

乞うご期待!