缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

それ行けっ! イベント『缶詰ナイト』

2008-06-19 08:20:59 | イベント・講座

 いよいよ、本州では梅雨本番。
 こうも湿度が高いと、気持ちまでよれよれとしてくる。
 昨夜アイロンをかけたはずのYシャツも、朝からよれよれとしている。
 しかし梅雨の先には、あの夏が待っているんであります。
 年に1度しかない、あの夏がやってくるんであります(当たり前だけど)。
 そう思うと、心は梅雨を完全にスルーして、早くも夏のイベントに向けられる。
 夏にはイベントがよく似合う。



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 さ、そのイベントのことであります。
 以前お知らせした、東京カルチャーカルチャーでの缶詰イベントがいよいよ開催されることになったのだ。
 その名もずばり
『缶詰ナイト! ~世界中の缶詰を一挙大公開~』
 このイベントに、筆者も出演することになった。
 壇上からお話をすることになった。
 筆者のほかにも、缶界に所属する人々がお話するのだ。
(缶界とは、政界や芸能界などと同じく缶詰界のこと。G3さんが命名した言葉)
 この東京カルチャーカルチャーというところ、筆者は1度観に行ったことがある。
 そのときはダムマニアの集まる会であった。
 それがもう、すごい熱気だった。
 ダムについての専門的なジョークが飛び交い、そのたびに会場は笑い声で沸いていた。
 筆者には笑うポイントがまったく分からなかったが、酒も入った来場者たちは爆笑しているのだった。
 ダムって最近、人気があるらしいですね。
 我が缶詰たちのイベントは、今回が初めてだということ。お暇のある方はぜひぜひ来てくだされっ。

『缶詰ナイト! ~世界中の缶詰を一挙大公開~』
 7月12日(土)Open 17:00 Start 18:00 End 20:30 (予定)

 前売り券1500円 当日1600円(飲食代別)

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サバ缶対決!サバカレーvs昔なつかしいさば味付

2008-06-05 15:00:43 | 魚介

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 梅雨である。
 道端のアジサイはこの上なく可憐に咲いているが、身体と心は湿気でフヌケになるこの時期。
 ここ缶詰blogでは、サバ缶同士の対決が行われようとしているのであります。
 それも、缶詰マニアのあいだでは話題の2品が激突するんであります。
 1品は大御所ニッスイさんから出ている昔なつかしい缶詰シリーズから、さば味付(醤油味)缶。
 もう1品は、近年たびたび話題となっている信田缶詰さんのサバカレー。
 信田缶詰さんは千葉県の銚子市にある企業なのだが、銚子近辺というのは缶詰加工会社が集中している地域でもある。ちょうしたブランドの田原缶詰さん、フジテレビ系列のドラマ『コーチ』の撮影現場となった川岸屋水産さんなどがあり、利根川を挟んだ向かい側(茨城県)には高木商店さんもあるのだ。
 缶詰好きの憧れの地なんであります。




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 ニッスイさんのほうはこのラベルがイカしている。
 この昔なつかしいシリーズは、当ブログでも過去に真いか味付さんま蒲焼をご紹介している。




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 ダブルで開缶。
 さば味付は調味液に浸かっているし、サバカレーは薄茶色のゲル状カレーにまみれている。
 どちらも開缶時は魅力を感じにくいかも知れない。




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 サバ缶といえば白飯が必需品。
 サバを一口頬張り、口中がしょっぱくなったところで白飯を追加投入するという段取りであります。
 そうして飯をわっしわっし(シーナマコト調)と食っていくのが醍醐味なのであります。
 まっ、この食べ方は何もサバに限ったことではないけど。
 こうして炊きたての飯(宮城県産ひとめぼれを使用)も用意した。果たして軍配はどちらに上がるのか...!




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 ニッスイさん、かくのごとし。
 この昔なつかしいシリーズは、昭和30年代の味付けを再現しているという。
 しかし意外にも甘さは控えめ。このさば味付もしょうゆの味と香りがきりっとたっている。
 昔なつかしいというよりも、非常にモダーンな味付けなのではないですか。
 従来の甘辛~いだけの缶詰とは一線を画した、新しい指向に基づいた商品なのではないですか。
 どーですかどーですか。




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 信田缶詰さん、かくのごとし。
 サバの身がカレー汁にまみれ、あろうことかニンジンやじゃがいもがまとわりついている。
 何となくサバが哀れに思えてくる。
 サバが凌辱を受けているようにも思えてくる。
 ともあれ、まずはカレーを一口...。
 ふむ。外見から充分に想像できるお味であります。コショウの辛さと強めの塩が前面に押し出してくる、ボンカレー味であります。
 ボンカレーはわりと好きだけど、あれはいわゆるインドカレーなどの本格的なカレーとはまた違う味ですね。
 そこでサバを一口..。
 むっ、何だろ。サバの香りがまったくしない。皆無です。
(そんなバカな...)ともう一口。
 サバ特有の繊維を噛み切る歯ごたえはあるものの、やはりサバの香りは皆無。
 そして、それが美味しい。
 サバを食べてる感じがまったくないのが、美味しい。
 これは、あれですね。サバ缶ではなくてカレー缶なのだ。そう思って、あらためて皿にご飯を盛りつけて食べた。
 飯があっという間に“はかいって”しまった。
 結論。この対決は対戦カードに不備が認められたのでドロー。




 さば味付
 固形量:135g
 内容総量:180g
 原材料名:さば、しょうゆ、砂糖、寒天(原材料の一部に小麦を含む)
 原産国:日本(製造は岩手缶詰

 サバカレー
 内容量:190g
 原材料名:馬鈴薯、玉葱、人参、生姜、にんにく、さば、カレー粉、でん粉、バター、植物油、砂糖、動物油、香辛料、小麦粉、ウスターソース、ビーフブイヨン、食塩、唐辛子抽出物、調味料(アミノ酸等)、(原材料の一部に卵を含む)





缶詰blog5年目突入! 缶詰のある風景『白い国籍のスパイ』

2008-06-03 14:41:42 | 連載もの 缶詰のある風景

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 トーマスは中庭へ出ていき、自動車のトランクを開けた。そして、バターを半ポンド、罐入りのクリームチーズと肉エキスとコーンビーフをひと罐ずつ持って戻ってきた。
「ひとつ、私にやらせてください、フラウ・ヘルプリヒト」と言って、さっそく調理台の脇に立って仕事にかかった。(中略)
「おお」と言うなり、ヘルプリヒトの細君は泣き出した。
「コーンビーフ! 夢にまで見たものです。でもまだいちども、本物を見たことがないんです!」
J・M・ジンメル『白い国籍のスパイ』訳/中西和雄

 これは「トイレに行く間も惜しいほど面白い」と開高健氏が絶賛した、ドイツのスパイ小説である。
 ユーモアがたっぷりと詰まっていて、それでいて息もつかせぬ冒険が続く。さらには人間賛歌が高らかに謳われ、読後の心に暖かい潮が満ちてくるような小説なのだ。私は実際、トイレに行く際にも持ち込んで読み続けたものだ。
 さて、当ブログのことである。
 この6月で、ついに5年目突入と相成った。
 よくここまで続いたなァと、自分でも感心する。
(ネタが切れなくてヨカッター!)
 と、幸運を噛みしめる。
 これも読者諸賢のみなさんが応援してくださったおかげなのである。感謝多謝であります。
 さ、その記念すべき本記事は、前述した小説に出てくるコンビーフ料理を作ってみたいと思う。
 その名も『魔法のコーンビーフ』であります。




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紙で巻いてあるだけのパッケージ
分別がラクでリサイクルしやすい
缶詰業界も低炭素時代に突入である








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やっ、巻取部分が千切れてしまった
これは初めての経験である
しかし、我恐れるまじ








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 道具さえあれば、こういった事態は解決するんであります。
 もはや何者も開缶作業を妨げることは不可能であろう。
 しかし金属片が混入しないように、細心の注意を払って開缶したのであった。




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タマネギの輪切りはなぜか楽しい
包丁はようっく研いでおきましょう








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じゃがいも3個分の皮を剥いて...








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なるべく細く千切りにする
スライサーみたいのがあるとラク








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 タマネギはバターでじっくりと炒める。
 今年の3月から、バターは非常に入手困難であります。生乳生産量の調整失敗と、穀物飼料の高騰が原因なんであります。
 そんな折りもおり、こうしてバターを使った料理はいかがなものか。
 しかも分量大さじ2くらいの量を使用するのは、いかがなものか。
 しかし、本日は記念すべき5年目突入の日なのだ。普段はそんなにバターを使わないんだし、よしとする。




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透き通ったタマネギにコンビーフを投入
タマネギが茶色に染まっていく
昔の曲で「あなた色に染められ...」ってのがあったっけ







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別のフライパンでオリーブオイルを熱し、
じゃがいも半量を入れて広げる








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その上にタマネギ&コンビーフを投入
この辺、小説のレシピとは異なる
ガレットという料理をミックスしたのだ







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 残りのじゃがいもを上に広げて、程よく焦げ目がつくまで焼いてからひっくり返す。
 フライパンを2つ重ね合わせて、うまいこと返そうとしたのだけれど...。




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 失敗して、中身をこぼしてしまった。
 心うきうきと作業していたのが一転、暗澹たる気持ちがこみあげてきた。
 いつしか涙もボーダと流れる。
 折しも、外では沛然たる雨が降り出した。
 なんとかせねばなるまい。40歳過ぎた大人が「料理がこぼれたので泣きました」ではイケナイ(当たり前だけど)。




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 かくのごとし。
 最後はオーブンで焼いて事なきを得た。
 ところで小説のオリジナルレシピだと、じゃがいもはピュレーにして使うことになっている。
 しかし筆者は細切りのじゃがいもが好きなんであります。だからその部分だけ、変更させていただきました。
 では、失敬して一口...。
 おう、思いのほか甘い。ゆっくりとバターで炒めたたまねぎの甘さが、相当に利いている。
 その甘みをまとったコンビーフ&じゃがいものゴールデンコンビ。不味かろうはずがない。
 味付けはコショウとローズマリーのみ。コンビーフがかなり塩辛いので塩は不要でありました。

 というわけで、読者諸賢よ。これからも缶詰blogをヨロシクヨロシクなのだ!




 内容量:340g
 原材料名:牛肉、食塩、砂糖、発色剤(亜硫酸Na)
 原産国:ブラジル
(経営再建中のハナマサの缶詰を使用しました。ハナマサ本部よ、がんばれよー!)