大型のオーバル缶使用。和風の愛らしいデザインだ
今年の夏、銚子港には素晴らしい大羽イワシが揚がったという。
身に脂が乗り、はちきれんばかりに太っているこの真イワシを
「使わぬ手はない」
と、高木商店さんは思ったのである。
そうして完成したのが、このいわし梅酢煮なのであります。
今では珍しいキコキコ式開缶。
それというのも、使っているイワシが大きいため、既存のイージーオープン缶では収まらなかったからだ。
本日も開缶!
イワシがものすごく太い。太っている。
それが缶も狭しとぎゅうぎゅうに詰められている。
早く解放してやらねば。
かくのごとし。
梅酢の甘酸っぱい匂いがしている。それに玉ねぎの甘い香りも混ざっている。
それでは失敬して、ひと口...。
おっ、意外としっかりした味付けがされている。梅酢というよりも醤油味を感じる。
何でも隠し味に魚醤を使っているらしい。
そして何より、イワシが美味い。青魚特有のあっさりした脂が口中でふわっと広がり、そのあと身のうま味が追っかけてくる。
開缶する前に軽く湯煎しておくといいと思う。脂がほどけ、香りも際立つからだ。
ややっ
そういえば高木商店さん。昨年は『12月水揚さば水煮』という限定商品も出していた。
あれもやはり
「いいサバが揚がったから作ってみた」
と、レギュラーではない商品を作り出したのだ。
こうなると、缶詰とはいったい何かという疑問が生じてくる。
ただの保存食と思ってはいけないのだ。旬の新鮮な素材で作られる、日常食の一種なのだ。
内容量:200g
原材料名:いわし(国内産)、玉ねぎ、還元水飴、醤油、梅酢、砂糖、魚醤、生姜、食塩
原産国:日本(茨城県・高木商店)
参考価格:320円
空缶の内側から(缶の底部に)釘で無数の穴をあけ、それにより生じた缶底部のギザギザで魚のウロコの上をこするだけ。
モノクロ印刷の写真を見ると、「あけぼの印いわし味付」の空缶(オーバル)であります。
著者によると、アマゾンに行った際、原住民が行っていたとのこと。
缶のギザギザで怪我をしないようにとは、良く聞くフレーズですが、あえてギザギザを作り、調理器具に変じるとは…
素晴らしい工夫ではありませんか!
アマゾンというのがまた、ワイルドでいいなァ。