朝日新聞が吉田記事〔吉田証言・吉田調書〕で謝罪したことは
中国共産党同様に、絶対に謝罪しない朝日新聞ですから、大変珍しい
ことでした。
この直後の今、韓国のマスメディアが、日本語版で「朝日の謝罪」を日本にどう伝えているかは大変に興味があることでした。大した期待があるわけではありませんが(笑)。
結論から言えば
- 日本では、朝日バッシングがはげしい
- 「従軍慰安婦の本質はかわらない」と朝日を引用
- 「今後も報道を続ける」と朝日を引用
が目立ちました。
韓国のマスメディアは、朝日新聞が記事の訂正・謝罪をしたことで、日本はもとより世界的にも影響力があったとされる朝日新聞社の信頼性が大きく揺らいでいる、という今の日本社会の混乱を伝えていないことが、わかりました。が、これは想定内。
つまり、やたらと朝日が危ないとか、慰安婦の本質は変わらない、などとするだけです。
とにかく韓国では反日の法秩序にあわせなければならないし、正しく日本を伝えようとするだけで韓国では「売国奴」となる、のでは話にもならず、いくら賢そうなことを言っても、社会全体の信頼性がありません。自分に不都合なことを決して言わないことで従来から不信感がありましたが、もう韓国はだめですね(笑)。
韓国人は、敵か味方か、と2つに分けることしかできないようで、必ずどちらかに全員が走り、やがて反対側に全員が走る、ようです。
まぁ韓国には、まともな法治国家には相応しくないところがありすぎて、何をどうしようともかまわないのですが、「反日」が唯一、国内世論を国内矛盾から目を背けさせる「目標」となっていて、社会全体が「反日」でなければならないという、表向きには矛盾した構造になっていることだけは、指摘しておかねばならないでしょう。
適切なたとえかどうかわかりませんが、次のようなものでしょうか。
- 最近取り締りが強化された九州の某暴力団ですが、縄張り意識という野生動物本能丸出しの本州の某暴力団が「九州の仲間の取り締りは、やり過ぎで、可愛そうだ」、「ヤクザ組織の本質は正しい」と言っているようなもの。
- ある街の商工会が暴力団に対してみかじめ料を支払ってきましたが、この商工会の悪質な脱税が発覚したのをみて暴力団が「商工会は地元に密着したいい商いをしていたのであり、摘発はかわいそうでやり過ぎだ」という心境でみつめるようなもの。
- 長らく日本のプロ野球界を牛耳ってきた某球団のWが、別の某球団の不正経理が発覚し摘発されたのを見て、「一生懸命野球をやってきたのであり、かわいそうだ」と思う心境。
では韓国のマスメディア日本語版で「朝日新聞」をどう扱っているか、その具体的な内容に入っていきましょうか。
朝日新聞がまた誤報波紋…社長が辞任示唆
日本の朝日新聞が相次ぐ誤報波紋で危機を迎えている。
朝日新聞社の木村伊量社長は11日、記者会見を開き、2011年の福島第1原発事故当時の職員の「不適切な行動」を暴露した5月の自社の記事について「誤った記事を掲載した」とし、記事の取り消しを明らかにした。また「経営トップとしての私の責任も逃れられない」とし「抜本改革など再生に向けて道筋を付けた上で、進退を決断する」と述べた。
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しかし日本政府が11日に公開した調書原文によると、吉田所長はこうした陳述のほか、「よく考えれば(放射線量の低い)第2原発に行った方がはるかに正しいと思った」とも話していた。吉田所長は部下が第2原発に行ったのを「命令違反」と考えていなかったということだ。吉田所長は昨年7月に死去した。
これを受け、朝日新聞はこの1カ月間に2件の大型誤報波紋で少なからず打撃を受けることになった。8月5、6日付では、済州道で多くの女性が慰安婦として強制連行されたという故・吉田清治氏の主張を報道した自社の過去の記事が誤報であることを認めて取り消した。
これに対し自民党の政治家や読売など保守新聞が「朝日たたき」に乗り出している。安倍晋三首相は11日、「慰安婦問題の誤報で多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたのは事実と言っていい」と述べた。:2014年09月12日07時43分 [中央日報日本語版]
自分たちが多く引用してきた朝日新聞が「朝日たたき」されているのはおもしろくないらしい。つまり中央日報は、信頼性が揺らいでいる朝日新聞をしばしば引用してきたけれども、上の記事では「朝日が危機を迎えている」「朝日たたき」を報道するだけで、信頼性喪失をどう判断するかという視点がない。世界中で既に信頼性を失っている韓国としては、「国際社会で日本の名誉が傷つけられた」のは何でもないはず。福島で「原子炉の全電源喪失」事態を想定していなかった東電のようなものか。
「吉田調書」誤報の朝日に各紙がこぞってバッシング
慰安婦報道など相次ぐ誤報で「朝日たたき」記事一色
12日付の読売新聞は、1・2・3面など10面分にわたりライバル紙・朝日新聞に関する記事を掲載した。「『慰安婦』追い込まれ謝罪」「誤った事実 世界に拡散」など刺激的な見出しが踊る。産経新聞も同日、「慰安婦問題、全面修正すべき」「慰安婦問題の誤報で日本の名誉が傷つけられた」などと朝日新聞関連記事を7面分にわたり取り上げた。
各紙が大々的に「朝日たたき」に乗り出したのは、朝日新聞が慰安婦に関する一部報道に続き、原発事故関連報道でも誤報を認めたからだ。朝日新聞の木村伊量社長は11日夜の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所で事故が発生した時に現場責任者だった吉田昌郎元所長(昨年7月に死去)に対する調書報道で誤報を認め、謝罪した。朝日新聞は5月20日に政府事故調査委員会の吉田調書を入手、「福島第一原発(1F)の現場の人間の9割が所長命令に違反、10キロメートル離れた場所に撤退した」と報道した。朝日新聞は社内検証の結果、「吉田氏の待機命令は職員に正しく伝わっておらず、吉田氏自身も命令に違反した撤収とは認識していなかった」と明らかにした。つまり、資料解釈上の誤報だということだ。朝日新聞は同日、社長の謝罪文と関連内容を8面分にわたり掲載した。
木村社長は記者会見で、済州島で女性を慰安婦として強制連行したという吉田清治氏(故人)の32年前のインタビュー記事を先月取り消したことについても謝罪した。しかし、木村社長や同紙幹部らは「吉田証言が誤報でも慰安婦問題は女性の人権を踏みにじった人権問題という認識に変わりはない。引き続き報道する」と話した。
中道的な毎日新聞はこの日、1面記事で「今回、多くのメディアが過剰な朝日批判を繰り広げた。感情的な、あるいは利害関係から行う批判は、報道機関の信用毀損(きそん)を拡散し、報道機関全体の信頼を失わせることになる」と懸念している。:東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
記事入力 : 2014/09/12 20:39 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
ここでも、長い記者会見の中で、都合のいいところを重点的に紹介していて、やはり韓国のマスメディアらしい。
朝鮮日報のみだしでは「各紙がこぞってバッシング」と興味をそそっていますが、
日本社会で朝日新聞が「部分的であれ、信頼されてきた」ことが裏にあり、いま日本でその信頼性に対する批判が起こっているのが、現実でしょう。
しかし朝鮮日報の東京特派員は、「朝日が日本社会でいわれのないいじめを受けている」という記事にしたほうが韓国社会に受け入れられやすい、と判断しています。
ですから、ここでは「各紙がこぞって朝日の信頼性を批判」という見出しにするほうが現実に近い。
いま日本で朝日が受けているのは、「いわれのない、理不尽な、批判」ではなく、過去のほかの記事においても信頼性が揺らいでいる、という批判です。
事実わたしも、朝日が訂正・謝罪しないことは論外の低レベルだとは思っていたものの、「朝日の記事はアジア関連以外では比較的マシ」だと考えていました。
勘違いしないようにしたい。部分的には週刊誌などが「朝日は売国奴」という表現をするところもあるでしょうが、「売国奴」なら自国である韓国を批判したらすべて売国奴になる韓国のほうが上手(うわて)。言論の自由がない韓国では「朝日が日本でバッシングを受けている」と言わなければ売国奴になるはずですね(大笑)。朝日の訂正・謝罪のうらにある意味をまったく把握できていない証拠でしょう。
ここは、絶対に謝罪しない中国と瓜二つの韓国の朝鮮日報としては、まず理解できないところで、日本の朝日新聞を批判することはすべて悪い、のですから(笑)。
上の記事では、朝日新聞と似たような所が見受けられる毎日新聞について「中道的な毎日新聞」としていて、読売新聞や産経新聞と区別しています。このこと自体、朝鮮日報が毎日新聞を、韓国に都合のいい記事を書く朝日と同類であるとみなしている、ことを暗示しています。読売や産経が、韓国のマスメディアの敵であり、敵ならば「何でも反対」しなければなりません(笑)。
朝日新聞「慰安婦問題の本質は変わらない」
日本軍慰安婦の強制連行を証言した吉田清治(2007年に86才で死去)の関連記事を取り消して以降、保守勢力から集中砲火を浴びている朝日新聞が28日、「慰安婦問題の核心は変わらない」と反論した。 一つの誤報をしっぽをつかんだかのように、慰安婦問題のすべてを否定しようとする動きに一石を投じたのだ。
同紙は28日、3面の企画記事で、「河野談話は吉田証言に依拠していない」と強調した。 吉田氏は、第2次世界大戦当時、山口県労務報国会下関支部の動員部長として済州(チェジュ)で多くの女性を慰安婦にするために強制的に連行したと、講演で証言した。 朝日新聞は、1982年9月2日付の社会面で証言を紹介し、16回の関連記事を掲載した。
しかし、証言の信憑性が韓国と日本で問題になると、1997年に「吉田証言の真偽を確認できない」と明らかにし、今月5日に関連記事を取り消した。 その後、日本の保守寄りのメディアは、「慰安婦は虚構だった。 河野談話を取り消すべきだ」と大々的な攻勢に出た。 朝日新聞に対しては、日本の名誉を失墜させた「売国新聞」というレッテルを貼った。
朝日新聞は、吉田証言の記事を取り消したことに対して、「河野談話の『根幹』が崩れるとする主張が出ている」と批判した。 そして、「日本政府は河野談話の作成過程で、吉田氏をヒアリングの対象としたものの、その証言内容を談話に反映しなかった」と強調した。 談話作成にかかわった当時の政府関係者が、「つじつまが合わない部分があったため、談話には採用しなかった」と証言した内容を紹介した。
同紙は、「談話作成の根拠になったのは、軍や朝鮮総督府、慰安所経営の関係者の証言のほか、日本の関係省庁や米公文書館などから集めた大量の資料だった」と指摘した。 河野談話発表の約4ヵ月前、当時の谷野作太郎外政審議室長が参院予算委員会で、「強制は単に物理的に強制を加えることのみならず、脅かし、畏怖(いふ)させ本人の自由な意思に反した場合も広く含む」と答弁した点も取り上げた。 河野談話は、女性たちが自由意志を奪われた「強制性」を問題にしている。 同紙は、「韓国でも慰安婦問題を取り上げる根拠は被害者の証言だ」とし、「吉田証言は問題の本質ではない」という元外交当局者の発言を付け加えた。
明治学院大学の高橋源一郎教授は、慰安婦被害者の証言を信じることができないという保守派の主張に対して、先の戦争で多くの小説家が兵士として赴任したが生き残り、書き残した小説に、「同じ人間として生きる慰安婦たちの鮮やかな姿も混じっている」と反論文を同紙に寄稿した。 小説家の田村泰次郎は「裸女のいる隊列」(1954年)という作品で、慰安婦が全裸で兵士たちと行軍を強要される姿を、古山高麗雄は「白い田圃」(1971年)という作品で、強制的に徴集された自分と同じように徴用され、数千回も屈辱を受けた慰安婦に深い同情を感じる様子を描写している。
しかし、保守派による河野談話撤回の攻勢はますます激しくなっている。 読売新聞は、朝日新聞の報道が歪曲した歴史を広める契機になったという趣旨のシリーズを始めた。 産経新聞は社説で、新しい談話の発表と河野氏の国会召喚を求めた。 日本の各種週刊誌も、「朝日は売国奴」という特集記事を掲載した。:東亜日報 AUGUST 29, 2014 03:51
東亜日報の題名は「慰安婦問題の本質は変わらない」、で
朝日の立場を「 一つの誤報をしっぽをつかんだかのように、慰安婦問題のすべてを否定しようとする動きに一石を投じたのだ。」と解釈しています。やはりここには、自分たちが引用した引用元である朝日新聞の信頼性が揺らいでいることへの言及がなく、韓国マスメディアの限界を感じます。
「慰安婦問題のすべてを否定しようとする動き」とするのも東亜日報らしいですね。
「朝日新聞の信頼性が揺らいでおり、 過去の慰安婦問題記事の検証が必要」くらいが正しいでしょう。何も「朝日新聞の慰安婦問題の報道の全てを否定している」わけではないのでした。
敵対する勢力に浴びせる「すべて」には十分に注意を、という見本でした。
慰安婦問題で日本記者に反論 韓国「強制性の証拠は無数」
【ソウル聯合ニュース】朝日新聞が慰安婦報道の一部を取り消したことを受け、日本の右翼勢力などが旧日本軍の強制性を否定する動きを強めるなか、韓国外交部の2日の定例会見で一部日本メディアが強制動員の証拠を求めた。日本メディアの質問に対し、魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は韓国政府の立場を強く主張し、論争が起きた。
読売新聞の記者は「朝日新聞が済州島で女性を慰安婦として強制連行したという吉田清治氏の証言を虚偽と認め、記事を取り消した」として、「慰安婦が強制連行されたという説を裏付ける主な根拠がなくなったわけだが、韓国政府は日本軍が組織的に強制連行したと主張するのか」と質問。これに対し、魯報道官は「軍の強制性を立証しているものは無数にある」と強調し、「最も明白なのは被害者の肉声による証言」と述べた。
また、毎日新聞の記者が「読売の記者は強制連行、狩りのように連れ去られたこと(があったかどうか)について質問したもの」として、再び韓国政府の見解を聞いた。魯報道官は「強制性という言葉の意味は皆さんが常識的に知っているもの」と答えた。その上で、「そういう明白な証言を聞いたのに、なぜ顔をそむけようとするのか。証言もあり、証拠もあり、世界中が知っている。万人が知っていることは証明する必要がない」と反論した。
「証拠」を求める質問が再度出ると、「最近、中国で戦犯の供述書を公開している。その内容にも詳細に記録されている」と話した。
一方、韓国旅客船セウォル号沈没事故当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の動静に関する疑惑を報じ、朴大統領の名誉を毀損(きそん)したとして市民団体から告発された産経新聞の加藤達也ソウル支局長を検察当局が事情聴取したことについては、「司法当局が捜査を進めているので、結果を見守る必要がある」と述べた。
国連総会に合わせた尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と李洙ヨン(リ・スヨン)北朝鮮外相の会談を検討しているとの報道に関しては、「事実無根」とした。:韓国聯合ニュース 2014/09/02 17:39
こちらは、韓国外交部での記者会見に関する韓国聯合ニュースです。
韓国報道官の
- 「なぜ顔をそむけようとするのか」は、「本人の証言をなぜ証拠と認めないのか」と言っているのに等しいこと。
- 韓国政府の主張や考えを質問したのに「万人が知っていることは証明する必要がない」と反論したのでは、これは質問について答えておらず、報道官の個人的な見解なのでしょう。
これらのやりとりから、韓国社会では、とくに日本関係で言論の自由がない(世論と異なる意見を表明するということが事実上できない)ので、いくら本人の証言があっても証拠にはならない、ことをこの報道官は理解できていないように思われます。
またソウル地検の内容に関しては、法律そのものが、韓国の憲法に違反しているという疑惑もありますが、反日的な法律にしたがって判断する韓国司法当局としては、根本的に憲法に反するという訴訟がない限り、反日的な判断を示すことになろうかと思います。予断は避けなければなりませんが、有罪、執行猶予つきで国外追放などが考えられます。
これに対して、産経新聞が引用した元の記事の著者である朝鮮日報の記者には、何もお咎めがない、これが正調韓国節(ぶし)というもの。いつまでも世界中の笑いものであり続けたいものです。ただし誤った方針を知った時に反対表明をしておかなければ、賛同したとみなされる可能性があるので、言うべきことは言わなければなりませんね。
国境なき記者団、産経ソウル支局長の不起訴求める
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領に関する記事で大統領の名誉を傷つけたとしてソウル中央地検が産経新聞ソウル支局長を捜査している問題で、国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は8日、起訴しないよう求める見解を発表した。
問題にされているのは、産経新聞のウェブサイトに載った「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」の記事。市民団体の告発を受け、検察は記事を書いたソウル支局長を事情聴取している。国境なき記者団は「報道機関が政治家の行動をただすのは当然だ」と批判。ソウル支局長が出国禁止措置を受けていることにも触れ、「当局に、告発を取り下げ、行動の制約を撤廃するよう要求する」と主張した。(ソウル=東岡徹)
:朝日新聞デジタル ソウル=東岡徹 2014年9月10日13時13分
国境なき記者団が「不起訴」を求めたという記事です。ただいま捜査中で支局長の出国を禁じていますが、事情聴取を直接咎めるのではなく「不起訴」を求めています。
もしも韓国司法が、朝鮮日報を無罪とし、産経新聞を有罪とするならば、これは明らかに「法治国家」ではなく「人治国家」であることを証明することになります。昔から韓国が法治国家であるとは認められていませんでしたが、いよいよ本格的に「人治国家」の正体をあらわすかどうか、という瀬戸際です。瀬戸際外交は北朝鮮の得意分野であり、朝鮮半島には「瀬戸際」が似つかわしいのでしょうか。
こうなると、中国や朝鮮半島には法律など存在せず、したがって人権・著作権などもってのほか、為政者が思いつきで、好き勝手に裁ける「人治国家」がずらりと連なる地域ということになり、こわいこわい!