北朝鮮の金正恩が体調を崩したのは事実か、はたまた、ついでに混乱を暗示か。
北朝鮮の国営メディア、金正恩氏の健康問題に言及
9月26日、北朝鮮国営メディアのドキュメンタリー番組で、金正恩第1書記が体調不良にあると伝えられた。8月に平壌で工場を視察する金書記(手前)(2014年 ロイター/KCNA提供)
[ソウル 26日 ロイター] - 北朝鮮国営メディアのドキュメンタリー番組で、金正恩第1書記(31)が体調不良にあると伝えられた。正恩氏は今月3日を最後に公の場に姿を見せておらず、健康不安説が飛び交っていた。
国営メディアが25日に放映した番組のナレーションでは、同国の社会主義の富と繁栄は元帥の骨身を惜しまない努力によるもので、正恩氏は体調不良にもかかわらず人民のために道を示し続けている、と伝えられた。
正恩氏は7月に足を引きずる様子が確認され、今月3日に夫人らとともに楽団公演を鑑賞したのを最後に公の場に姿を見せていない。25日には最高人民会議(国会に相当)が開催されたが、国営テレビの映像では正恩氏の姿は確認されなかった。:ロイター 2014年 09月 26日 19:27 JST
3週間ほど姿を見せないだけで騒がれるのは迷惑なことであり、「足を引きずった動画」で様々な憶測が流れるというのも興味深いのですが、残念なことにすべては、情報が労働党によって恣意的に操作され、都合のいい限定的な情報しか流さない北朝鮮の流儀に起因しています。
上の記事のナレーション部分を正しく検閲?校正するならば・・・・・・
北朝鮮の社会主義の失敗と衰退は、金将軍家3代にわたる骨身を惜しんだ独善的な保身が示した道のおかげであり、動画編集上の過失で正恩氏の体調不良部分を暴露する映像を流してしまい、国民に「人民の蜂起が必要」だと思わせたため、動画編集責任者は即刻処刑された
となるでしょうか(笑)。
この観点から、「体調を崩した」説を敷衍(ふえん)するなら
- 足を引きずるなどの兆候は、チーズ大量摂取による痛風症状か
- 何らかの異変が生じた、つまりまだ思い通りの粛正が完了せずに混乱していることを隠蔽するための意図的な情報漏洩か
- 少なくとも、「体調を崩した」ことを公表するのは不都合なことではないと見ているはず〔こういう情報をもらすほど開放的になった、と見てはいけない〕
が考えられます。
映像で見る限り、金正恩は30歳前後であの肥満ですから、
内臓を悪くしている可能性は否定できませんが、私はむしろ、北朝鮮の内部抗争の影響を感じてしまいます。法規を無視した暴力団の内部抗争などを思い出してしまいますね。
体調不良を表にして、実際には何か深刻な事態が発生しているのではないか、と恐れています。←まぁ勝手に「恐れて」も仕方のないことですが(笑)。
北朝鮮古老の中には、
何かにつけて国家転覆罪をなすりつけられて粛正された同世代古老の悲惨な末路をみている人も多いはず。主流派にヨイショしながら息を潜めている「心情的な反金正恩派」が、面従腹背(めんじゅうふくはい:腐敗為政者の「年中祝杯(ねんじゅうしゅくはい)」ではない)という仮面をかぶって金正恩崇拝工作に走っていることでしょう。北朝鮮から伝わってくる強硬声明は、このような人たちによって立案されたものと言えます。
これらは、
残忍な独裁政権ではしばしばみられる光景で、「政権維持のための対内・対外強硬策」立案で忠誠心を試され、これに消極的な役職者には、粛正・処刑という運命がまっております。
このあたりは想像に過ぎませんが、何かにつけて労働党国家や金将軍一家にヨイショする演技で名誉を得ようとする連中の中には、金正恩への再教育を企て、やがて反金正恩が増え、金王朝が崩壊することを期待している連中もいるはず。情報量が少なく、出てきた数少ない情報をもとに、過去のなりゆきから様々な想像をかき立てるのは、適切な範囲だと考えています。
身内、たとえ親子であれ、少しでも中央政府への異論をどこかで吐露(とろ)すれば
ひそかに当局へ密告され、たちまちにして国家反逆罪・転覆罪・脱税などの「でっちあげ」がまっていて、密告者へいくらかのご褒美が与えられるようでは、江戸時代のあの暗い時代を思い出します(江戸時代から棲息しているように「講釈師みてきたようなウソを言い」?)。
このやせ細ってきた王朝を理解するためには、表に出てきた数少ないニュースから必死で読み解かなければならないのでした。
これは中国共産党と瓜二つの光景ですね。
しかし不思議なもの。
- まともな中国人を次々と処刑してきた中国共産党〔文化大革命・天安門事件を見よ!〕
- まともな北朝鮮人を次々と処刑してきた労働党
だとすると今、洋食、いや養殖、いや要職にあり既に破綻した国家をなお運営し続ける連中は、粛正された(まともな人)以外の「カスばかり」ということになってしまいます。だからこそ、あのような不可解な言動に走るのでしょうか(大笑)。自浄作用が効かないどころか、自ら自浄能力の芽を摘んできたのが中国共産党であり、北朝鮮労働党であり、国家を運営する能力はすでに失っていて、しかも政権交代する気配もなく、大政奉還する朝廷もありませんね。〔尤も奉還されてできた明治政府がいいかどうかは別問題ですが〕
私としては、中国や北朝鮮に多様性が広がり、一致団結して、世界に貢献できるまともな国家が誕生する時代を、切に願い祈る次第です。そのために何をすべきか、それは私の口からは、言わないことにします(大笑)。