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反日デモは反面教師 4月11日

中国での反日デモは、常識を逸脱している。中国政府もまた、激化する暴動をけん制はしても、積極的に抑制する姿勢は見せていない。日系企業や日本人に、あれだけ甚大な損害が出ているのだから、駐日中国大使のほうが日本政府に出向き、ひとまずは頭を下げるべきだった。しかし、大使は謝罪しなかった。むしろ、日本政府に対して、歴史教科書問題や領土問題あるいは首相の靖国参拝問題など、中国国民が反日感情を抱く理由にいくつもの心当たりがあるだろうと言わんばかりだ。

今回の暴動は、明らかに行き過ぎであり、日本は損害賠償を請求することも出来るだろう。しかし、今、私たちがあらためて考えなければならないことは、何故ここまで中国国民の感情を損ねてしまったのかということだ。日本にも、配慮に欠ける部分があったことは事実だ。自分の行動が相手にどのような印象を与えているのかを、特に靖国参拝問題での小泉総理は、これまでまったく無視してきたと言わざるを得ない。

小泉総理は、自分の信念だけを優先させ、総理として靖国神社を参拝し続けている。中国や韓国が、「自分たちに、まったく配慮をしていない」と感じるのは当然のことだ。小泉総理は、日本の総理大臣として言うべきことは言う。特に領土問題では、日本としての正当な主張をすることは、当然。しかし、併せて、日本が過去に行なった植民地支配や侵略行為については、明確に謝罪することが重要であり、中国国民の感情を逆なでする行為は、厳に慎むべきだったのだ。

勿論、同じことが中国にも言える。領土問題では、お互いが自分の主張ばかりをしていても、まったく埒があかない。お互いが相手を配慮することができれば、領土問題においても必ず共存の道はあるはずだ。それが誠意というものであり、そこで初めて、成熟した大人の関係が生まれるのだ。言うべきことは言った上で、相手の立場を理解することができれば、最後はお互い必ず解決策が見出せるはずだ。

今回の反日デモで、一番被害に遭っているのは日本の経済界だ。しかし財界は、この問題の解決を全面的に政府に委ねている。当然だ。日本企業は、中国で多くの雇用を創出している。問題は、配慮に欠ける政治であり政治家なのだ。互いに非難ばかりしていても、何も生まれないしお互い傷つくばかりだ。今こそ、政治の力が試されるのだ。
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