Look To The Sky

フルーティスト大久保はるかのブログです

ご質問

2015年02月02日 21時16分09秒 | Weblog
先日のライヴにお越し頂いたプロのクラシック音楽家の方よりパンデイロに関してのご質問を受けました。もちろん我々バンドの演奏を高く評価なさってくださった上でのご質問です。
 
「パンデイロのリズムがどうしても遅れて聴こえたのですが、サンバの特徴的なリズムなのでしょうか。符点のところが、字余りのように感じてしまうのです。」
 
以下私の回答です。
 
ご質問のパンデイロのリズムについてですが、なるほど!そこに来るか!と思うような、こちらとしてはとても勉強になるご質問でした。私のようにその音楽の中にどっぷりつかっていると、それが当たり前すぎて見えなくなってしまっていることが多いんだなあ、と思いました。
 
確かに仰る通り、パンデイロのリズムはある意味においては遅れているのだと思います。もっと突き詰めると、「メトロノーム的に見て合っていない、ズレている、」と言いましょうか。。。
 
パンデイロの基本となるリズムパターンを譜面に書き表すと、4分の2拍子の1小節の中に、16分音符が8個、入る書き表し方をします。(符点音符ではありません。)ところが、演奏の際メトロノーム的、額面通りにタタタタ、タタタタ、と刻むことはNGなんです。わざと不均等に演奏する習慣がある、と言いますか・・・。フランスバロック音楽の奏法でイネガルというのがありますが、それに近い感覚、と、私は解釈しています。
 
なので、少し符点っぽく聞こえる所、イーヴンに聞こえる所、符点ぽく伸ばした分、次の16分音符は多少短くはしょっているように聞こえたり、遅れて聞こえたり、逆に前のめりに突っ込んで聞こえる所があったり、字余り、字足らず、色々ちゃんぽんに聞こえるのだと思います。パンデイロという楽器は、わざとリズムを訛らせて、リズムに抑揚をつける役割を担っているといった感じでしょうか。
 
●●さんのご質問の意図とずれた回答でなければ良いのですが・・・・