「森万里子 Central」 SCAI THE BATHHOUSE

SCAI THE BATHHOUSE
「森万里子 Central」
2020/9/11〜10/17



SCAI THE BATHHOUSE(スカイザバスハウス)で開催中の「森万里子 Central」を見てきました。

1967年に東京で生まれ、ニューヨークを拠点に活動する現代美術家の森万里子は、近年「古代の信仰や最新の素粒子データ」(*)をインスピレーションにして、彫刻などで多様に表現してきました。

森はコロナ禍の影響で一時帰国し「蟄居生活」(*)を送りつつ、作品を制作したそうです。そうした森の近作で構成されたのが「Central」と題した個展で、立体に平面、それにドローイングなどが公開されていました。

まず目を引くのが、鉱石や氷河の断片のようにも見える高さ1メートル超のオブジェで、虹のように染まった光を空間へ淡く放っていました。



この「Divine Stone」と名付けられた作品は、日本のアニミズムにおける磐座をリサーチして作られていて、表面には作家自らが開発に携わった特殊なコーティングが施されていました。その特性によって特定の波長の光を分離し、美しい色彩のスペクトルが生み出されるそうです。



こうしたオブジェと同様にオーロラのような光をまとっていたのが、円盤状の平面の作品「Radiant Being」でした。



円盤の内部には空色やピンク色の球形が浮かび上がっていて、奥には太陽を思わせる輝かしい光のリングが広がっていました。ちょうど日差しの強い日中、眩しい太陽の光に向き合う感覚に近いかもしれません。



森はコロナ禍において外界世界から疎遠になることで、多くの時間を内的世界の探究に費やすことになったとしています。



ともかく角度を変えて見れば見るほど、光の色や煌めきが移ろうのが美しくてなりませんでした。磐座は古代の人々にとっての信仰の対象でしたが、あたかも作品の光を通して神聖なエネルギーを浴びているかのようでした。



新型コロナウイルス感染症対策に関する情報です。WEBでの事前予約制が導入されました。それに伴って入口は基本的に施錠され、インターホンにて名前を告げて入場する形が取られていました。

会期末も迫っているからか、最終の週末に向け、かなりの入場時間枠がキャンセル待ちとなっていました。お出かけの際はご注意下さい。

10月17日まで開催されています。(*は解説より引用)

「森万里子 Central」 SCAI THE BATHHOUSE@scai_bathhouse
会期:2020年9月11日(金)〜10月17日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:12:00~18:00
料金:無料
住所:台東区谷中6-1-23 柏湯跡
交通:JR線・京成線日暮里駅南口より徒歩6分。東京メトロ千代田線根津駅より徒歩7分。
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