「いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
「いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界」 
2020/10/9~11/21



ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の「いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界」を見てきました。

日本デザインセンターの創設に携わり、数々の自治体や企業のCIやポスターなどを手掛けてきた永井一正は、1980年代後半より動植物をモチーフとした「LIFE」シリーズをライフワークとして制作してきました。



その「LIFE」の動植物を中心に紹介したのが「いきることば つむぐいのち」と題した個展で、今年4月に刊行された同名の書籍を映像やインスタレーションなどへ立体的に展開していました。



まず1階に並んでいたのが「いきることば つむぐいのち」と、同作に先立って東日本大震災を機に刊行された「つくることば いきることば」に登場する絵と言葉でした。暗がりの中、ちょうど掛け軸のような形にて展示されていて、照明によって絵と言葉が交互に浮かび上がっていました。



「LIFE」を描いた永井は2003年より銅版画として制作していて、個々の作品においても動物や植物を象った精緻な線が目を引きました。



ギャラリーの公式サイトに「異空の森」との言葉がありましたが、確かに動物たちの住む夜のジャングルへと迷い込んだかのような錯覚に陥るかもしれません。また同時に展示された「自分の余計な部分を削ぎ落としていくと、普遍なものにたどりつく。」や「魂の鏡を磨いていないと、そこには本物は映ってこない。」などの永井の言葉も深く印象に残りました。



続いて地下のスペースでは、同じく「LIFE」の動物が壁一面へ上下にスクロールするように映されていて、鳥のさえずりや動物の鳴き声などがBGMとして流されていました。



映像は左右に2つに分かれていて、別々の動物が登場していましたが、全体図と拡大図が同時にスクロールされていました。それぞれを互いに見比べるのも興味深いかもしれません。


2階のライブラリーで公開されていた永井本人のインタビュー映像も見逃せません。ここでは永井が戦争体験にまで遡りながら、デザイナーとしての活動を振り返っていて、「LIFE」の制作にこめた意図などを聞くこともできました。またコロナ禍を鑑みつつも、未来への希望を感じさせるメッセージも胸に響くものがありました。



新型コロナウイルス感染症対策に伴い、混雑時には入場制限する場合があるそうです。但し事前予約制ではありません。

11月21日まで開催されています。*写真は全て「いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界」展示風景。撮影が可能でした。

「いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー
会期:2020年10月9日(金)~11月21日(土)
休廊:日曜・祝日。
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
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