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「Shuffle | シャッフル」 白金アートコンプレックス

白金アートコンプレックス
「Shuffle | シャッフル」
4/2-4/30



新旧の様々なアートがジャンルを超えて邂逅します。白金アートコンプレックスで開催中の「Shuffle | シャッフル」へ行ってきました。

本展の参加ギャラリー、スペースは以下の通りです。カッコ内は展示テーマ。

1F:児玉画廊 (エレメント)
2F:NANZUKA UNDERGROUND (カオス)
3F:山本現代 (エナジー)
4F:London Gallery (ユニバース)
5F:新素材研究所、榊田倫之建築設計事務所 (ヘヴン)


現代美術で有名な山本現代の他、古美術で定評のあるLondon Galleryなど、白金アートコンプレックスの各スペースが協力し、かの山下裕二監修のもと、過去と現在をクロスオーバーさせた新しい展覧会が実現しました。

現代と古美術の「シャッフル」ということで、各フロアには根来に仏画、そして等伯に応挙などと、現代美術、たとえば西尾康之や松井えり菜、本堀雄二や森靖らの作品がまさに入れ混ぜとなって展示されています。


NANZUKA UNDERGROUND展示風景

まずは百聞は一見に如かずです。2階のNANZUKA UNDERGROUNDの会場をご覧ください。そこには「伎楽面」や平安期の「蔵王権現像」と並んで、四谷シモンや西尾康之の立体、さらには2008年に亡くなった洋画家、浅羽保治の油画などが一見何ら脈絡なく置かれています。

このテーマは「カオス」です。当初はLondon Galleryの古美術品を階下の現代美術画廊に単純に降ろしていくようなコンセプトだったそうですが、実際には各フロアにテーマを与え、ない交ぜになった新旧の作品から新たな価値を提示していくような展示となりました。


London Gallery展示風景

そしてそのLondon Galleryこそ今回のハイライトかもしれません。同ビル5階に事務所(新素材研究所)を構える杉本博司デザインのモダンな和を思わせるスペースには、ご自慢の長谷川等伯の「四季柳図屏風」とともに、使用済みの段ボールで出来た本堀雄二の「不動明王」が鎮座していました。


London Gallery展示風景

またLondon Galleryとは言えば仏教彫刻も興味深いところですが、今回は仏像と、児玉画廊の田中秀和の抽象絵画を組み合わせるといった展示が繰り広げられています。

各ギャラリーの作家は所属云々を離れて各フロアに入り乱れ、さらには古美術とも絡み合って、また新たな魅力を放っていました。

なお5階の杉本博司の新素材研究所でも、杉本の自作、もしくはコレクションを通して「シャッフル」が行われていますが、公開は原則土曜日のみです。あくまでも1階から5階を通して一つの展覧会であるので、出かける際は土曜を狙った方が良いかもしれません。

山本現代での小谷元彦による血を用いた映像もインパクトがありましたが、さらに私としては根来を貴志真生也のオブジェを組み合わせた児玉画廊が衝撃的でした。強いて言えばいつもLondon Galleryで見る根来とは全く別物に見えてきます。

チラシに山下先生の「観客のみなさん自身のシャッフルされますよう。」という言葉がありましたが、見終えた時に確かに頭の中がシャッフルされたような気がしてなりませんでした。

現代美術やギャラリーにあまり縁のない方にこそ是非おすすめしたいと思います。入場は無料です。4月30日まで開催されています。

「Shuffle | シャッフル」
会期:4月2日(土)~4月30日(土)
日時:児玉画廊、NANZUKA UNDERGROUND、山本現代、London Galleryは火曜から土曜まで開廊。新素材研究所、榊田倫之建築設計事務所は土曜のみ公開。11:00~19:00
場所:東京都港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス1~5階
交通:東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅4番出口より徒歩10分。
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