都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
板橋区立美術館で諸国畸人伝展を開催
江戸絵画展で定評のある板橋区立美術館ですが、この秋にもまた見逃せない展覧会が予定されています。
江戸文化シリーズNo.26「諸国畸人伝」 9月4日(土)~10月11日(月・祝)
既に詳細はWEBサイトにも掲載されていますが、今回は江戸時代の、とりわけ各流派に属さなかった個性的な絵師たちにクローズアップを当てる企画です。タイトルからしてまさに板橋区立美ならではの展示となりそうですが、出展画家のラインナップを見るだけでも期待が高まるのではないでしょうか。
出展画家:菅井梅関、林十江、佐竹蓬平、加藤信清、狩野一信、白隠、曾我蕭白、祇園井特、中村芳中、絵金
出品総数:掛軸・屏風・巻子 48件 *9月27日に一部展示替
曾我蕭白「群童遊戯図屏風」九州国立博物館
さて私としてまず注目したいのは、曾我蕭白の「群童遊戯図屏風」(九州国立博物館蔵)です。この作品は元々、後世の画家のコピーが伝えられていたそうですが、近年にそのオリジナルが出現し、九州国立博物館の所蔵作品となりました。蕭白では珍しい銀を背景とした屏風というと、かの東博対決展でも出た「群仙図屏風」を思い出しますが、それに匹敵し得るだけのインパクトを与えること間違いありません。
狩野一信「五百羅漢図 第50幅」増上寺
続いてもう一点、同じく注目したいのが狩野一信の「五百羅漢図」(増上寺蔵)の一部が展示されることです。増上寺編の「五百羅漢図」というと来年春、江戸東京博物館にて全幅展示が予定されていますが、その先取り的な公開となるのではないでしょうか。
「五百羅漢 増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」 2011年3月15日~5月29日 江戸東京博物館
江戸博の言わば前哨戦としてこちらも楽しみにしたいところです。
祇園井特「美人図(左)」摘水軒記念文化振興財団
最後に是非とも忘れてはならない絵師が一人いました。それが江戸時代、主に京都で活躍した祇園井特(ぎおんせいとく)です。井特はかつて奈良の県立博物館での「上方絵画の底ぢから」展で見て以来、非常にアクの強い画風に興味を覚えましたが、再びそれこそ奇特な美人画を見る機会がやってきました。芳中しかり、こうした上方で活躍した絵師の作品を関東で見ることはそう多くありません。こちらも話題になりそうです。
展示に関連したイベント、伝統演芸の公演も準備されています。スケジュールはこちらを参照いただきたいところですが、嬉しいことに観覧料以外の一切の料金がかかりません。太っ腹の企画ということで、展示とあわせて楽しまれては如何でしょうか。
去年の秋の一蝶展同様、今年もまた足繁く板橋へ通うことになりそうです。
江戸文化シリーズNo.26「諸国畸人伝」 9月4日(土)~10月11日(月・祝)
既に詳細はWEBサイトにも掲載されていますが、今回は江戸時代の、とりわけ各流派に属さなかった個性的な絵師たちにクローズアップを当てる企画です。タイトルからしてまさに板橋区立美ならではの展示となりそうですが、出展画家のラインナップを見るだけでも期待が高まるのではないでしょうか。
出展画家:菅井梅関、林十江、佐竹蓬平、加藤信清、狩野一信、白隠、曾我蕭白、祇園井特、中村芳中、絵金
出品総数:掛軸・屏風・巻子 48件 *9月27日に一部展示替
曾我蕭白「群童遊戯図屏風」九州国立博物館
さて私としてまず注目したいのは、曾我蕭白の「群童遊戯図屏風」(九州国立博物館蔵)です。この作品は元々、後世の画家のコピーが伝えられていたそうですが、近年にそのオリジナルが出現し、九州国立博物館の所蔵作品となりました。蕭白では珍しい銀を背景とした屏風というと、かの東博対決展でも出た「群仙図屏風」を思い出しますが、それに匹敵し得るだけのインパクトを与えること間違いありません。
狩野一信「五百羅漢図 第50幅」増上寺
続いてもう一点、同じく注目したいのが狩野一信の「五百羅漢図」(増上寺蔵)の一部が展示されることです。増上寺編の「五百羅漢図」というと来年春、江戸東京博物館にて全幅展示が予定されていますが、その先取り的な公開となるのではないでしょうか。
「五百羅漢 増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」 2011年3月15日~5月29日 江戸東京博物館
江戸博の言わば前哨戦としてこちらも楽しみにしたいところです。
祇園井特「美人図(左)」摘水軒記念文化振興財団
最後に是非とも忘れてはならない絵師が一人いました。それが江戸時代、主に京都で活躍した祇園井特(ぎおんせいとく)です。井特はかつて奈良の県立博物館での「上方絵画の底ぢから」展で見て以来、非常にアクの強い画風に興味を覚えましたが、再びそれこそ奇特な美人画を見る機会がやってきました。芳中しかり、こうした上方で活躍した絵師の作品を関東で見ることはそう多くありません。こちらも話題になりそうです。
展示に関連したイベント、伝統演芸の公演も準備されています。スケジュールはこちらを参照いただきたいところですが、嬉しいことに観覧料以外の一切の料金がかかりません。太っ腹の企画ということで、展示とあわせて楽しまれては如何でしょうか。
去年の秋の一蝶展同様、今年もまた足繁く板橋へ通うことになりそうです。
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