「BASARA展」 スパイラルガーデン

スパイラルガーデン港区南青山5-6-23
「BASARA展」
8/4~8/7(会期終了)



スパイラルガーデンで開催されていた「BASARA展」へ行ってきました。

展示の概要は以下の通りです。

現代美術家・天明屋尚がキュレーターとなり、あまり注目されてこなかった日本文化の側面にスポットを当て、従来の日本美術・アートシーンのイメージの刷新を試みるアートイベントを開催します。
侘び・寂び・禅の対極にあり、オタク文化とも相容れない華美(過美)で反骨精神溢れる覇格(破格)の美の系譜「BASARA」をテーマに、大胆かつダイナミックな和の世界が展開されます。


またBASARAについてはキュレーターの天明屋の以下の文章が参考になります。非常に重要です。

視点・論点 「日本の美(3) BASARA」@解説委員室(NHK)

縄文土器から現代アートまでを一同に展示する、言わばクロスオーバー的な企画自体は珍しくないかもしれませんが、会場に足を踏み入れれば一目瞭然、そこには天明屋によるBASARAの独特な美学が貫かれています。その意識は『絢爛』かつ『反骨』とのことでしたが、それはケバケバしいまでに装飾の施された改造バイクや族車、そして刺青などから如実に伺い知れたのではないでしょうか。良く指摘される、日本人の縄文土器由来のドロドロとしたデコラティブなものに対する憧憬は、半ばそれとは対極的であまりにもスタイリッシュなスパイラルの空間に満ちあふれています。現代アートのいくつかの作品など、それぞれの括りにはやや謎めいた面もありましたが、全体としての展示の流れのブレはほぼありませんでした。

オープニングの刺青のイベントにも参加しました。率直なところ、刺青自体を美しいと見るのは私の中ではまだ戸惑いがありますが、そこにこめられた彫り師の熱意、さらには体を張って表現を貫いた刺青の人達の心意気は伝わってきます。私としてはこの展示にBASARAの『絢爛』よりも、アウトロー的なものにも価値を与え、一般的な価値観を揺さぶる『反骨』の精神を強く感じました。本来、この半権力的なものこそ芸術の源泉であったのかもしれません。このイベントに関するBASARAは、少なくとも単なるデコラティブなファッションではありませんでした。

この会期の短さは意図的なのかもしれませんが、一つの問題提起としてはもう少し長く展示するか、あえて巡回するのも良かったのではないかとは思いました。

展示は既に終了しています。
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