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「大野智史 - 予言者 PROPHET - 」 小山登美夫ギャラリー

小山登美夫ギャラリー江東区清澄1-3-2 7階・6階)
「大野智史 - 予言者 PROPHET - 」 
6/27-7/18



原生林を思わせる混沌とした空間には、再生と破滅を同時に引き起こすエネルギーが渦巻いています。小山登美夫ギャラリーで開催中の「大野智史 - 予言者 PROPHET - 」へ行ってきました。

大野智史というと、例えば昨年のZAIMの「ECHO」でも見たような破天荒なイメージがありますが、その印象は今回の小山登美夫でもそう変わることはありません。中央にはイエローとグレーのシートによって出来た『大木』がそびえ立ち、周囲を両性具有の人間たちが、枝葉の絡み合う木々のモチーフを従えるかのようにして何体も登場していました。絵具の鮮烈な色遣い、もしくは横殴りにして描いたような筆によって象られたその姿は、まさに原始の森に宿る『魔女』ではないでしょうか。凝視していると、大きな息を吐きながら、いかがわしく開けた口に呑み込まれてしまうかのような迫力を感じました。そのスケールは同ギャラリーの比較的広いスペースの力を借りてか、ZAIMよりもパワーアップしていたかもしれません。

今回の展示資料で初めて知りましたが、そもそも大野はかつて鹿児島のアートプロジェクトなどで亜熱帯の島に生活し、また今でも富士吉田に拠点を移して制作活動を続けているそうです。作品から滲む呪術的な要素は、そうした森のある地域での彼自身の独特な自然とのコンタクトの現れなのかもしれません。

露骨な性のモチーフなど、実際のところ私も決して好きな作家というわけではありませんが、奔放な表現からは何やら原初的なパワーをもらったような気がしました。

18日までの開催です。
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