毎日毎日、飽きもせず・・・

韓国のドラマ・映画・音楽を楽しんでいます。
そんな小さな楽しみを綴っていきたいと思います!(完全ネタバレしています)

『デイジー』

2007-05-11 23:51:51 | MOVIE
出演:チョン・ジヒョン(ヘヨン役)
   チョン・ウソン(パクウィ役)
   イ・ソンジェ(ジョンウ役)
監督:アンドリュー・ラウ(「インファナル・アフェア」3部作)
脚本:クァク・ジェヨン(「猟奇的な彼女」「ラブストーリー」)
2005年


      

 この3人が出演で、監督があの「インファナルアフェア」シリーズの
アンドリュー・ラウ、そして脚本がこれまたチョン・ジヒョン主演の
「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」そしてソン・イェジンの
「ラブストーリー」のクァク・ジェヨンときたら、もう期待するしかないような
作品です。


 オランダロケで撮影されたこの作品は全編を通して素晴らしく
美しい風景が見られます。
チョン・ジヒョンが週末になると絵を描いている広場も
デイジーが咲く草原も、彼女の骨董品店も雰囲気があるし、
それぞれが住んでいる家やインテリアもとっても素敵だし
いいんです。

 そして登場人物に至ってはチョン・ジヒョンは手足が長く、
画家という役柄もあって、化粧っけもほとんどないような感じで、
服装も髪型もラフながらも彼女のスタイルだからこそ雰囲気のある女性に
仕上がっています。
チョン・ウソンは説明するまでもなく男前で、孤高な殺し屋。
あとはイ・ソンジェ。私は個人的に彼は結構好きな俳優さんなので、
インターポールの人に見えるかどうかは微妙だけど、彼の存在は
良かったですねぇ。


が、しかし・・・・

 何か物足りない・・・・・

 何故?何が足りないのか?
ラブストーリーとノワールのバランスの問題か?


 実は私「インファナルアフェア」シリーズが大好きでして
男が命を掛けてでも貫くもの、“男の美学”みたいな
結構男臭い映画とかが好きなもので、今回せっかく
アンドリュー・ラウ監督が手掛けたにもかかわらず、
チョン・ウソン演じる殺し屋の非情さが感じられなかったんです。
これはやっぱり脚本の力が大きかったのかもしれません。
もしくは殺し屋がメインの話(文字にするととっても物騒!!)
ではないので、あれくらいの描き方でよかったのかもしれませんが
どうせ“孤高なスナイパー”を演じるのならもう少し“孤高さ”を
前面に出して欲しかったですね。だって好きな女が出来たから
心が乱れてしまうなら、殺し屋業の中では完全にダメな人ですもん。
あとヘヨンが2度も撃たれるのはどうかと思いましたね、正直。
一般人が人生の内に2度も撃たれるなんてことありますか?



 そんな中でも一番グッときたのはヘヨンの部屋に
パクウィが居る時にジョンウが訪ねてくる、
そんなくだりです。

この3ショットが画面に映し出されるのですが、
三者三様、それぞれが切ない。
ここのチョン・ジヒョンの演技は良かったです。
声が出せなくなってしまって、彼に話したいことや伝えたい事が
たくさんあるのに思い通りにならないもどかしさを
体全体で表現しています。
そして男2人はというと、本来なら鉢合わせをしている訳で
険悪な雰囲気もしくは修羅場と化してもおかしくない状況の下
(だってパクウィは仮にも殺し屋ですよ)
両方が彼女の幸せのみを祈っている状況になっています。


監督のインタビューを読んだのですが、
 「私がこの作品で強調したかったのは、一種の縁というか、
  宿命的なものです。つまり、知り合う縁はあるのですが、
  結ばれる縁はありません。結局、このヒロインも愛する男性を
  愛することができず、男性もヒロインを愛することはできませんから。
  これって、人生そのものなんですよ。」

 本来ならば2人の人生の中で相まみえることのなかったであろう
刑事と殺し屋という正反対の2人の男が奇妙なめぐり合わせで出会い、
そんな2人の共通の願いは彼女が幸せになること。
友情にも似た感情を持った2人の男とその間で複雑な心で揺れる女性。

う~ん、本当にもったいない感じがするな~。
もう少し丁寧に人物を描いてくれたら良かったのなぁ。
ジョンウなんかあっけなかったしなぁ。



 ラスト・・・・・・
この映像には「やられた~」と一人で声をあげましたね。

エンドクレジットが終わったら、速攻もう一回始めのシーンを
見直しましたもん!!


 あと続けて「デイジー アナザーストーリー」も見ました。
こちらはパクウィの目線からの物語です。
これを見ると「デイジー」で「えっ?」と思ったことが
少しは解るような作りになっています。












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