毎日毎日、飽きもせず・・・

韓国のドラマ・映画・音楽を楽しんでいます。
そんな小さな楽しみを綴っていきたいと思います!(完全ネタバレしています)

『うつせみ』

2008-02-22 22:50:45 | MOVIE
出演:イ・スンヨン、ジェヒ
監督・脚本:キム・ギドク
2004年 米題:「3-IRON」

第61回ヴェネチア国際映画祭 監督賞他全4部門受賞


 この世は夢か現か、幻か……。ひとは誰しも孤独を抱え、
ぽっかりした虚空を埋める誰かを待ち続ける。
夫によって家に閉じ込められた女ソナ。
抜け殻のように生きるソナのもとにある日、留守宅を転々とする
ミステリアスな青年テソクが現れ、ふたりの秘密の旅が始まった。
言葉を交わすことなく孤独な魂がそっと寄り添っていく。
旅の果てにようやく訪れた、愛と喜びに満ちた時間。
はかなくも今だかつてない幸せが、ふたりを包む。


 あ~、なんだかなぁ・・・・。
言葉は大切だけれど、この作品を見るとこうしてグダグダと
書いてる言葉の羅列がとても陳腐に感じてしまう。

 今回主人公の2人にはほとんど台詞はありません。
他の登場人物は普通に喋るのですが、2人は話しません。
それでも2人の世界は成り立っています。

監督はジェヒの目が気に入って起用したらしいですが、
台詞がない分、彼の目が饒舌に語ります。
どこか飄々とした感じがする彼は台詞はなくても
素晴らしかったですね。


 印象に残ったシーンはたくさんありました。
100歩譲って、空き家で暮らすまではアリとして、
その家人の洗濯物を手洗いすることや植物に水をやる姿。
その家にある故障しているものを直すという行動。
夢かうつつかわからないような雰囲気の中で、
入った先々でその家人の写真と一緒に自分の写真を写すテソク。



儚さが漂っている雰囲気の中で唯一、写真を写すという行動に
少々の違和感を持ちました。
だって写真って証拠を残すものじゃないですか。
現に、話の中でも警察に捕まった時カメラに残っていたから
他の家に入っていたこともばれた訳だし。
テソクが両手を広げて翼のようにしているシーンも
とても印象的でした。
あの時の色合いも。


あぁ、いろんな事があったんだけど、書けば書くほど
なんだかイヤになる自分がいるのでこの作品は深い余韻を残したまま
頭ではなく心で感じていたいと思います。

 キム・ギドク監督、本当に本当に素晴らしいです。
いろんな意味で痛みを伴う作品を作られる監督ですが、
この作品は多少はあるものの他の作品と比べたら
全然大丈夫です。


 ちなみに邦題である「うつせみ」を辞書で引くと・・・
  「現身」・・・この世(に生きている身)
と載っていました。
米題の「3-IRON」よりもずっと素晴らしい題をつけて
下さいましたね。




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