出演:キム・アジュン、チュ・ジンモ
イム・ヒョンシク、イ・ハヌイ、イ・ウォンジョン
監督:キム・ヨンファ
原題:「美女はつらいの」 原作:鈴木由美子
2006年
鈴木由美子原作同名コミックスの映画化。
身長169cm体重95kgのダイナマイトボディのカンナは、
天才的な歌の才能を持っている。
歌手になる事を夢見ていたが、スタイルは抜群だが歌は下手なアミの
影の歌手の仕事をしている。
裏舞台で満足しているカンナだったが、片想いをしているプロデューサー
サンジュンの本音を聞き、幸せになる為"全身整形"を受ける事を決意して…。
マリア~アヴェマリア~
この作品を見れば皆さんこの曲が頭の中をクルクルと回るのでは
ないでしょうか。
キム・アジュンさん、吹き替えなしでご自分で歌っていたそうで
ご立派でした。
でも私、この作品を見終わっても正直なぁんにも感想がなかったんですよね・・・・・
ジャンル的にはラブコメなので、そんなに真剣に考えなくても
気軽に見ればいいのかも知れませんが、この映画の評をいろいろ見てみると
かなり皆さん高得点で「面白かった」というものが多かったので、
少々驚きました。
私はカンナが全身整形をして変身した後の彼女の心の動きなどを
もう少し丁寧に描いて欲しかったなぁと思いました。
好きだった彼が自分の事を酷く言っているのをトイレの中で偶然聞いてしまう。
勿論ショックですよね。そこでその後の女子の行動としては、
①涙をのんで諦める
②彼を見返すために「絶対キレイになってやる!!」
のどっちかではないでしょうか?
まぁ①を選んだ場合はそれはそれでいいのですが、②を選んだ場合としては
キレイになった後、“見返してやる”という復讐付きがポイントだと思うんです。
その“見返してやる”度が高ければ高いほどより一層キレイになってやる度も
高くなるはずです。
でもこの映画の主人公は全身整形なんて大それた事をしておきながら、
それほどの強い個性は見られないんですよ。
例えばキレイになった後に酷い事を言われた男に対して、かなりの
ダメージを受けるほどの事をするとか、何か一つインパクトの強い事を
しでかしたりしないとストーリーにメリハリがないんですよ。
“酷いことをしてしまったけど、やっぱり彼の事が好きだから・・・・”
みたいに、ものすごく定番の展開かもしれませんが、やっぱり
ふり幅が大きくないと感動もインパクトも少ないんですよね。
あの作品ではカンナはキレイになった後でも、心は以前のように
純粋で、優しいまんまで“見た目と行動のギャップ”を表現したのかも
しれませんが、それならやっぱり単なる「外見さえ良ければ全てよし」の
結果になってしまうと思うんです。
カンナが血の滲むようなダイエットをして、自分自身の力で努力をして
完璧な肉体を手に入れたのなら、そこに意味はあるけれど、
現にカンナは全身整形という他力本願ですから。
原作のコミックを読んでいないので、元々どんな話なのかを
知らないのですが、いろいろ調べてみるとかなり内容は違うとのこと。
それでも一応原作があるのでそれに沿って作られた作品であるとは思うのですが
面白いのかとめちゃめちゃ期待して見た割には???でした。
キム・アジュンさんはとっても細くて可愛くて、何がいいって
彼女の喋り方がとても可愛かったです。
チュ・ジンモさんも男前なんですが彼もキャラクターをもう少し
作りこんで欲しかったですね。
彼の本心がイマイチ掴みきれませんでした。
それとカメオ出演していたイ・ボムスとリュ・スンスは
面白かったですね。ああいう判りやすい笑いはホッとします。
ブロンディの「マリア」も懐かしかったですが、ライブシーンでの
ベリンダ・カーライルの「Heaven is a place on earth 」がめちゃめちゃ
懐かしくて、これは嬉しかったですね~。