毎日毎日、飽きもせず・・・

韓国のドラマ・映画・音楽を楽しんでいます。
そんな小さな楽しみを綴っていきたいと思います!(完全ネタバレしています)

『光州5・18』

2008-05-14 22:42:55 | MOVIE
出演:アン・ソンギ、キム・サンギョン
   イ・ヨウォン、イ・ジュンギ
2007年 原題:『華麗なる休暇』


 1980年5月、光州。 光州に住むタクシー運転手のミヌは幼い時に
両親と死別し、弟ジヌと二人で暮しながら、ジヌだけをひたすら見守り
平凡な日常を生きてきた。
ジヌと同じ教会に通う看護師シネに思いを寄せるミヌ。
こんな些細な人生を楽しむ彼らに、ある日突然、思いもよらない凄じい事件が起きる。
無実の市民が、銃と剣で武装したデモ鎮圧軍の暴行に遭い、殺されていったのだ。
目の前で、無念にも友人や恋人、家族を失った彼らは、退役将校出身のフンスを
中心に市民軍を結成し、結末も分からない10日間の死闘を開始するが…。


 正直な所この映画の事を知るまで、光州事件というものについて
知りませんでした。
去年この作品について韓国で話題になっていた時に初めて知りました。
私が韓国映画を好んで見るようになった理由の一つとして、
単なる娯楽としての映画ではない作品があるからです。
ラブコメや泣かせようとする作品だけでなく、時に重く深い出来事を
題材としている作品です。

 
 初めはミヌとジヌそしてシネの日常生活が描かれています。
若さに溢れキラキラした日常です。
そんなごく普通の生活をしていた彼らが思いもよらない事に
巻き込まれていきます。
さっきまでの日常生活からは考えられないような非日常な光景。
空挺部隊による弾圧。



 デモをする人も一般人も関係なく殴りかかってきます。
見ていてこっちまで震えてきそうになったのが、
シネがミヌを助けるために銃を撃ち兵士を殺してしまった時の
イ・ヨウォンちゃんの演技。
自分が撃たなければミヌは殺されていたけれど、
自分の手で人を殺めてしまった彼女の表情があまりにもリアルで
震える彼女の姿を見ていて、私まで息が詰まりそうになってしまいました。


 ミヌの先輩でおしゃべりなインボンとチンピラ、ヨンデの2人の
存在が重い題材の中での“泣き笑い”といった緊張と弛緩をうまく
表現していました。

普通に暮らしていた人々が、同じ国の人間に“暴徒”として扱われ
弾圧されていく。そんな不条理なことに立ち上がる市民。
昨日まで普通に暮らしていた人間が銃を持って戦うという
非日常を当時の人はどんな気持ちでいたのかと思うと
本当に胸が詰まります。




 
 パンフレットを読んでこの事件の背景にあった光州という場所に
対する政治的な差別などを知りました。
軍が市民と衝突するシーンで思い浮かべるのは中国の天安門事件の
印象がとても強いのですが、お隣の国でそう遠くない前の出来事なのに
知らない事がたくさんあって、こういう映画を通して知る事が出来た事は
良かったと思いました。

 小さな劇場で見たのですが、年齢層の高い方が多くて、
劇中、すすり泣く声が多く聞こえ、私が字幕を読む前に
笑ったり泣いたりする声が聞こえたので、多分韓国の方が
たくさんおられたのかもしれませんが、どのような気持ちで
見ておられたのかなぁと思いました。



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