Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

半年たちました

2011年09月11日 18時46分00秒 | Weblog
あれから半年経ちました。

ニュースでは、まだまだ震災関連の記事や、コラムをみますが、
ここ関西では、すでに日常生活の中から、震災についての会話が消えつつあります。

みんな、心の中では気になっています。
でも、言葉に出すには、ちょっと遠く感じ始めているのもわかります。
まだ、住む所さえなく、仕事もなく、流された家族も見つかっていない人がたくさんいるのに。

被災した知人がいない私でさえ、
時々、夜中に「どうしてそうなってしまったんだろう?」って思うだけで
涙が止まらない時があります。

今日は何もしなかったし、何も語れなかった。
本当は、もっと声を出していかないといけないということもわかっている。
でも、心の中では、まだちゃんと思っているんだということはわかってほしい。
遠くに住んで、何もできない人間は、ほんの少しの罪悪感を胸に、そんな風に思っているのだ。


だけど、放射能だけは我慢ならない。
先日、ウィーンの知人から送られてきた日本の記事を読んでびっくりしました。
今回の事故で出た放射能は、広島の29個分だったとか。
だから、わずか半年で「復興」「安全」という言葉が踊っていることに違和感を持ちます。
もちろん復興してほしい、早く安全になってほしいという思いはたくさんあります。
でも、放射能の半減期が何十年であるということを考えると、
場所によって大きな差があると考えられるのに、なんとなく安全になってはいけないのです。


先日、ふと、今回の震災で、家を失った音楽家のみなさんは、どうなさっているんだろうって思いました。
ピアノも流され、避難所や仮設住宅では、大きな声で練習もできない。
もちろん、この半年間、演奏活動からも遠ざかっているに違いありません。
「仕事がない」は大きな声で言えても、「ピアノが弾けない!」「歌が歌えない。」は、
まだ誰かに言うことさえ許されていないのではないか?
周りの人に、そんなこと大したことじゃないって思われていないかな、と心配になりました。

検索のかけ方が良くないのかもしれませんが、
調べてみたら、被災したピアノの先生が教室を再開できるように楽譜を贈ろうというサイトをみつけました。
ピアノを贈ろうというサイトもみつけました。
でも、それだけしか見つけることができませんでした。

歌いたいだろうなぁ、ピアノ弾きたいだろうなぁ。
でも、まだ、どうしてあげたらいいかわかりません。
ちょっと考えます。
コメント
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